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【映画】ガーディアンズ 伝説の勇者たち【ネタバレ】

2015/10/27 22:12 投稿

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今日の映画。

ガーディアンズ 伝説の勇者たち』(2012)

RISE OF THE GUARDIANS
監督ピーター・ラムジー
出演クリス・パイン 他



ドリームワークスのアニメ映画なんだけど日本ではあまり話題にもならず、評価も低いイメージがあったので観てませんでした。
そして全部観て評価を読んだら納得のいく理由が見付かりました。

「キャラがわからない」

この物語は想像上の妖精達がコラボして戦う、古典版アベンジャーズのような感じです。
でも外国の妖精って案外知られてないんですね。
今回は登場人物を元ネタと照らし合わせながら説明します。


●ジャック・フロスト
霜の妖精。イングランドに伝わる妖精・怪物。
作中では青年の姿で300年前に妹を救って凍った湖の下に沈み、妖精として生まれ変わる。
子供達を喜ばせる心を思い出し、ガーディアンに加わる。
本来は雪男・雪女といった人間を殺したりイタズラしたりする妖精である。
アナ雪のヒットで氷繋がりでエルサとコラボした二次創作が溢れる。
ゲームシリーズ『女神転生』に登場するキャラクターもジャック・フロストをモチーフにしている。


●サンタクロース
お馴染みクリスマスにソリに乗って子供達にプレゼントを配る赤い服の男。
元は聖人とされるが妖精扱いになることもある。
作中ではタトゥーを入れて両手に大剣を持って戦う大男である。
オフシーズンなのでサンタクロースの格好をしていない。
スノードームをワープ代わりに使う。
ガーディアンのリーダー的存在である。

◯エルフ
一般的にイメージされる耳の尖った森の住人ではなく、サンタクロースに仕える妖精。
アメリカ独特の伝承なので日本ではあまり馴染みがないかもしれない。
小人で緑色の服、とんがり帽子を被っている。
エルフが玩具を製造し、サンタが届けるという役割だが、この作品では玩具の製造をビッグフットが担当している。

◯ビッグフット
いわゆる雪男でUMA。
作中ではクリスマスプレゼントを製造している。


●イースターラビット
最近は日本でも知られてきているが、キリスト教にまつわる「復活祭(イースター)」において春を祝う象徴。
ウサギがカラフルな色を塗った卵を隠し、それを子供達が探す恒例行事である。
何故ウサギと卵かというと、豊穣のシンボルだから。
関連映画ではこんなものもあるので詳しく知りたいという人はこちらをオススメ↓

作中では二本足で立ってブーメランを武器に俊敏に戦うおじさんである。
どこでも穴を出現させて移動する。脚の生えた卵も召喚する。
イースターラビットは一匹で、彼の他にはいないようである。
力を失うと現実的なウサギの姿になってしまう。
この映画の原作は「サンタクロースとイースターラビットは出会うことはあるのか」という子供の疑問から生まれたくらいアメリカでは象徴的な妖精である。


●トゥースフェアリー
日本でも抜けた乳歯を窓から投げたり、土に埋めるといった風習がある。
欧米では抜けた乳歯を枕の下に隠し、それを妖精が回収してコインと交換する伝承がある。
ダーク・フェアリー』や『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』で初めて知ったという人も多いかもしれないが邪悪なトゥースフェアリーは多分本来の解釈とはかけ離れている。


作中では多くの「ベビートゥース」を従えて世界中の子供の乳歯を城で管理している。
力を失うと飛べなくなる。


●サンドマン(ザントマン)
ドイツの伝承にまつわる妖精・怪物。
「眠り」を司り、本来は子供を寝かしつける為の脅し文句としてサンドマンは生まれた。
ドラえもんの道具「砂男式さいみん機」の由来はサンドマンである。
当時から理解できなかった何故砂なのかという理由がようやくわかった。
作中では眠りと夢をもたらすガーディアン側の妖精。
砂をムチのように変形させて戦う。
ブギーマンによって悪夢に取り込まれてしまう。


●ブギーマン
世界中に伝わる子供達の恐怖の象徴。無数の呼び名と無数の姿を持っている。
日本では「なまはげ」などがそれに該当する。
特にアメリカではベッドの下やクローゼットの中から夜中に現れるとされる。
本来は親が悪い子供を脅す為に作られた怖いおじさんのようなものである。
ホラー作品が作られる際の全てのベースとなっているとも言える。

作中では唯一の悪役、ガーディアンを倒し暗黒の時代を取り戻そうと企む。
最近は自分の存在が信じなくなった子供が増えたことに悩んでいる。
最後は自らの恐怖の心を悪夢に取り込まれてしまう。



■信じるものは…
この作品に登場する妖精達は主に未就学児ぐらいまでの子供が信じる妖精の類である。
そしてこれらの文化は親(大人)が作り出したもので、希望をもたらすこともあれば、恐怖をもたらすこともある。
大人になるうちに彼らの正体に気付いて自然と心から離れていくもの。
全ての妖精に共通することは子供達の信じる心によって生きているということ。
信じられなくなったら彼らの存在は消えてしまう。

この作品を見て思い出したのはタイトルは忘れてしまったが『藤子・F・不二雄SF短篇集』にあったエピソードで、とある一般人が神様の仕事を受け継いだものの、信仰心のなくなった世界に気付いて自分自身が消えてしまうというものがあった。
神は世界中でいろんな宗教で大人達も信じているが、信じる者がいなくなればその存在は忘れ去られる。

神も妖精も人間の作り出したもの。
恐怖の心さえ人間が生み出している。


全体的に面白い作品ではあったんだが、サンタクロースらを”ガーディアン”と例えるのはどうかと思ったな。
悪とも善ともいえない中間のイタズラ妖精をガーディアンに引き入れたり、ブギーマンを絶対排除するというのもちょっと納得いかない。恐怖は絶対消えないものなのに一体どうやって収拾付けるのかと思ったら…
「また会おうさらばだ!」みたいな退場の仕方が良かった。
ブギーマンは必要悪だと思うよ。恐怖があることで悪い子供は改めてサンタにプレゼントを貰おうと良い子になろうとする。

そして超ゴツイサンタクロースと可愛げもないイースターラビット。
戦士のイメージはどうかと思うな。普段なら戦う必要ないんだし。
そもそも妖精の間に善悪も戦いもないと思うぞ。
まだニューヨークで破壊活動をしているスーパーヒーロー達の方がわかりやすい。


素朴な疑問だけど登場した現実の子供達って障害児設定なのか?
英文サイトも調べてみてそういうのはなかったがカップケーキちゃんとか明らかに…


この映画は日本文化で馴染みがないというところはあるが、知っていれば楽しめるはず。
それにしてもこういう作品の東洋版ってないのかね。

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