ウサギ小屋

【声劇用台本】ARMORED CORE 4 Chapter1:国家解体戦争【6:2:0】

2014/09/14 07:34 投稿

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~注意点~
この台本はFROMSOFTWARE様のPS3用ゲームタイトル「アーマードコア4」「アーマードコア・フォーアンサー」を題材に声劇用にアレンジした台本です。実際のストーリーと異なる点やネタバレが大いに含まれます。以上を踏まえた上でお楽しみください。なお、他シリーズ台本とは時系列やその出来事に於いて直接的な繋がりはありません。それぞれ独立したストーリーとして解釈してください。


ARMORED CORE 4 Chapter1:国家解体戦争

~登場人物~

(♂6:♀2:N0…合計8人/所要時間約40分)

♂ロイド・クラーケン:30代。レオーネ・メカニカ入社から、一気に出世の道を猛進する若き重役。その裏には、多額の賄賂が存在するという噂も。

♀霞・スミカ:20代。高い技術力と冷静な人格を併せ持つ聡明な女性。どこか冷めたところもあるが、女性らしい一面も時々見せる

♂ジェフェリー・クライトン:30代。ロイドの同期。ロイドとは部所が違っていたが、彼もまた、負けず劣らすの能力を持っている。情熱的な一面を持つが、その反面直情的にもなりがちなため、反発を繰り返し、出世には縁遠い。

♂エヴァンジェ:20代。伝説的なノーマルACの使い手。負け知らずでプライドが高いが、したたかさもある。国家側の管理する傭兵機関に所属している。

♂エミール・グスタフ:30代。(ナレーション時は60代)コロニーアナトリアで経済管理や技術開発などを一手に受け持つ。元はイェルネフェルト家の秘書だったが、技術者の失踪から仕事が増え多忙している。

♀フィオナ・イェルネフェルト:20代。ネクスト技術の第一人者、イェルネフェルト教授の娘。父親の死後は、エミールにそのほとんどの管理を任せ、失意に呑まれつつある。

♂兵士A:
♂兵士B:


~簡易配役表~
♂ロイド:
♀スミカ:
♂ジェフェリー:
♂エヴァンジェ:
♂エミール:
♀フィオナ:

♂兵士A:
♂兵士B:


~本編~

---BGM World is Down

エミールN
「物語は…そう、十数年前…時代はまさに、過酷と言わざるを得ない状況だった。改善の目処の立たない環境汚染、いつ陥ってもおかしくない資源の枯渇に怯え、疲弊しきった政府。それに伴い、各地で頻発するテロ行為。それらを鎮圧し、秩序の回復を図るため、軍隊はより強力且つ高度に機械化され、政府軍に様々な兵器を提供する軍事企業も、必然と世界への影響力を強めていった…」

---応接間で待つスミカ
---書類を手にしたロイドが入ってくる

ロイド
「ネクスト技術最高責任者のロイド・クラーケンだ。早速これが、正式に君をリンクスとして登用する書類だ。」

---書類に勝手に記入しながらロイドが話を進める

ロイド
「君でやっと三人目だ。まったく…適正者の開発費用も馬鹿にならんというのに、この不作だ。まあ、どこも同じ状況だそうだがな。さ、あとは君のサインだけだ。」

スミカ
「えっ…私は…適正検査を受けただけで、何も聞かされていないのですが…」

---ロイドは逆に怪訝そうな表情になる

ロイド
「何を言っている。断ることができるわけないだろう。君に説明が行き届いていないのも、現在の我がレオーネ・メカニカがどういう状況に置かれているかを物語っている。それくらい君にもわかるだろう。時間がないのだ…」

スミカ
「しかし…」

ロイド
「とりあえず、近日中に緊急幹部会議が開かれる。そこで詳しい説明もあるだろう。ではこれで失礼する。私も忙しいのだ。」

スミカM
「部下の意思など関係無しか。宇宙開発が中止されてから企業は焦っている。新兵器アーマードコア・ネクストの開発に急に躍起になり、適正者を血眼になって探している。一体何を隠しているのか…」

---考え事をしながら歩き続けるスミカの行く手を一人の男が遮り、スミカの歩を止めた

スミカ
「…?」

ジェフェリー
「君も適正が見つかったそうだね。」

スミカ
「あなたは…?」

ジェフェリー
「ジェフェリー・クライトン。よろしく、一応僕も適正者だ。」

スミカ
「…霞…」

ジェフェリー
「霞スミカ、レオーネ・メカニカ所属、本日付けでリンクス。」

スミカ
「え?」

ジェフェリー
「君のことは、ずっと見てきたからね。兵器技術部門で万年トップ成績を誇る、優秀な技術将校として名高い美女。」

---気持ち悪そうにするスミカ

スミカ
「…どうして…」

ジェフェリー
「…ち、ちょっと待ってくれ!君のファンは多い、僕もその一人なだけだ。…有名なんだよ君は。」

スミカ
「…それはどうも。」

ジェフェリー
「君と同じリンクスになれて光栄だ。」

---連絡先を書いたメモを渡す

ジェフェリー
「はいこれ、よかったら連絡をくれ。近いうちにディナーでも…。じゃ、僕はこれで…」

スミカ
「あ、ああ…」

ジェフェリー
「…これから、大変だな。一緒に頑張ろう。」

---間
---BGM Pump Me Up

エミールN
「数社の企業は、お互いの結びつきを強め、強固な軍産複合体を形成し、もはや国家とは比べものにならないほど高度に軍事化する。政府の代わりに、代理戦争を行うこともある程に…。時代は戦車や戦闘機などに代わり、コアを中心とした各種組み換え可能な、高い汎用性・戦闘能力を持つ兵器"アーマードコア"、通称ACと呼ばれる兵器が主流となる。やがて、そのACを操り、報酬の為に戦う傭兵、"レイヴン"が登場する。」

---間

兵士A
「くそっ!敵の攻撃の勢いが止まらねえ!おい、トループ!空中支援!なんとかならねえのか!」

兵士B
「だめだ、マスタング。対空砲を破壊しないと近づけない。対空砲の破壊を最優先せよ。」

兵士A
「ちくしょう!その対空砲に近づけねえっつってんだよ!」

兵士B
「…!本隊より入電。たった今傭兵が到着したようだ。協力して対空砲破壊に当たれとのこと。」

兵士A
「なんだと?使えるやつなんだろうなあ、そいつは!」

エヴァンジェ
「こちらオラクル。作戦領域に到着。同時に、領域内の全戦力は私の指揮下に入れ。もちろん、"使えるやつ"だけだ。」

兵士A
「おお、オラクル…エヴァンジェか!正規軍への指揮権を有する唯一のレイヴン。」

兵士B
「伝説のレイヴン…。敵にとってこれほどの脅威はない。全機!対空砲は間もなく落ちるぞ!準備をしておけ!貯めこんでる爆薬を全部吐きだせ!」

---崩れ落ちる対空砲を背にオラクルがライフルを下げる

兵士A
「敵勢力、撤退を開始したようだ。レイヴン、ご苦労だった、礼を言う。」

兵士B
「たった一機で戦局を変えてしまうとは…さすがといったところか。トループ、帰投する。また会おう、伝説。」

エヴァンジェ
「報酬さえ頂ければ、どこへでも私は赴く。」

---間
---BGM Megalopolis

ロイド
「…おお、霞君、よく来てくれた。君の席はそこだ。」

スミカ
「はい。」

スミカM
「驚いた…あれは確かレイレナードの開発担当、それにあっちはGAの副代表に…イクバールまで…。これは大事だ…六大企業の幹部が勢揃いではないか。」

ロイド
「ああ、紹介しましょう。彼女が例の三人目の適正者です。」

スミカ
「霞スミカです。よろしくお願いします。兵器技術…」

ロイド
「まあまあ、君の肩書は今日から変わる。いいから早く座りなさい。」

スミカ
「は…。では、失礼します。」

ロイド
「全員揃ったようだな…では、これより緊急幹部会議を始めます。」

---スミカ、二つ離れた席にいるジェフェリーに気づく
---ジェフェリー、スミカに気づき、軽く会釈をする

ジェフェリー
「やぁ。」

スミカ
「…」

ロイド
「本日諸企業の皆様方にお集まりいただいたのは他でもありません。先日の政府による会談にて、いくつかの条件を提示されましたが、お手元にある資料通り…」

---ロイド、話を続け、ジェフェリー資料内容をつぶやく

ジェフェリー
「『衛星軌道上兵器"AS"の詳細開示』、『企業の持つ資産の80%を政府に委託』…!?」

ロイド
「とても承諾しかねる内容であり、我々企業はこのような政府の悪質な圧力に屈してはなりません。この条件を呑まない場合、各企業体を無条件に解体させるとの脅しまでかけてきました。」

---どよめく会議室内

ジェフェリー
「なんだって!?」

ロイド
「ジェフェリー君…」

ジェフェリー
「…し、失礼しました…」

スミカ
「どうして政府は、急にそんな横暴に出たのですか?急遽中止された宇宙開発が、何か関係しているんですか?」

ロイド
「それとこれとは無関係だ!重役方の前で失礼だぞ、弁えろ…申し訳ありません、二人共リンクス登用が済んで間もないものですから、ご容赦下さい。」

スミカ
「ではもう一つ、『衛星軌道上兵器"AS"』…この"AS"とは、何のことですか?」

ロイド
「…」

ジェフェリー
「おい、よせ、霞君…!」

ロイド
「…ここは君たちの意見を聞く場ではない。リンクス諸君は黙って説明を聞いていれば良い。」

ジェフェリー
「申し訳ありません!続けてください。」

スミカ
「最後に…この、"政府との全面戦争も有り得る"…とありますが…どういうことですか?」

ロイド
「…聞こえなかったか?」

ジェフェリー
「なんだって!?…本当だ…もうこんなところまで目を通していたのか…」

---さらにどよめく会議室

ロイド
「…(咳払い)…さすがは霞君、その様子だと、資料の内容は既に把握できているようだね。」

スミカ
「ええ、つまり、我々リンクスに…戦争をしろと、そうおっしゃるのですね。」

ロイド
「話が早くて助かるよ。君がここにいる理由はなくなった。おい!この無礼者を会議室からつまみ出せ!」

ジェフェリー
「私も無礼な態度を取りました。退室、しても…?」

ロイド
「…好きにしろ!」

---ジェフェリー、ロイドの耳元で

ジェフェリー
「あとで、詳しく聞かせろ…」

ロイド
「(小声で)…うるさい、早くいけ…!」

---ジェフェリー、スミカ退室したのを確認して

ロイド
「(咳払い)では、引き続き、本案件のご説明を…」

---間

ジェフェリー
「…どうしてあんな真似を!」

スミカ
「あら、わざわざ会議を出てきたのか。」

ジェフェリー
「君のせいで居づらくなったんだよ。」

スミカ
「感謝してね。」

ジェフェリー
「はぁ…重役を怒らせて何がしたいんだ?」

スミカ
「私たちは企業の人形か?戦争をするのは私たちだ。当然の質問をしたまでだ。」

ジェフェリー
「…はぁ、君が正しいよ。でも、鼻を折られたって知らないぞ。…だが、僕も、ロイドには聞きたいことがある…」

スミカ
「そうか、じゃあ頑張って…」

---会議が終わり退室して来賓の帰りを案内するロイド
---しばしの間

ロイド
「お帰りはあちらです、本日はありがとうございました。どうぞ、あちらです。お気をつけて…」

---ロイドが一人になるやジェフェリーが踏み寄る

ジェフェリー
「ロイド。」

ロイド
「…なんだねジェフェリー君、私と君は同期の友人とは言え、立場上私は上司だ。気を付けたまえ…」

ジェフェリー
「そんなことはどうでもいい!どういうことだ!あれは…あの計画は…!国家に対する明確な反逆行為だ…」

ロイド
「ジェフ…時代は…変わったのだ…」

ジェフェリー
「悪い様にな…!」

---ロイド、いきなりジェフェリーの胸ぐらを掴む

ロイド
「…ジェフ…!黙って俺の言うことを聞け、ニュースを見てみろ、毎日毎日政府首脳の言い訳会見だ!資源は枯渇しかけ、汚染は拡大し続ける、人民は貧困で苦しみ、政府だけが私腹を肥やす…!これのどこが国家だ?あ!?…今や国家の力は衰退した。我々が…企業だけが、軍事力の提供によって政府に生かされている。いや…もはや我々企業が国家を生かしている…」

ジェフェリー
「違う!利益の問題じゃない!相互の均衡や秩序が現状を支えているのだ!」

ロイド
「ジェフ…」

ジェフェリー
「我々の成すべきことは、国家のために新しい技術を開発し…!」

ロイド
「…ジェフ…!」

ジェフェリー
「現状を打破するための足がかりを提供することに…!」

ロイド
「ジェフ!!」

ジェフェリー
「…」

ロイド
「貴様を使ってやっているのは…我々だ…貴様が企業の在り方を説くなど…身の程を知れ!!」

---ロイド去っていく
---BGM 終了

ジェフェリー
「…」

---ロイドが去るのを確認して

スミカ

「随分と仲が良さそうだな。」

ジェフェリー
「…」

スミカ
「どうするつもりなんだ?」

ジェフェリー
「なんとかしてロイドを止める。」

スミカ
「ほう。」

ジェフェリー
「いきなり戦争だなんて、あまりにも一方的すぎる。君もわかっているだろう。ネクストには、神の力と言われるほどの脅威が二つある。一つはプライマルアーマー、ネクスト全体に張られたコジマ粒子の防御膜。これにはそこらの兵器ではネクストに傷一つ付けられない。そしてもう一つはその機動力、クイックブーストは一瞬で戦闘機にも勝る速度を実現する。さらにコジマ爆発を利用したオーバードブーストは、大規模な戦闘領域を可能にさせる。これらはネクストに攻撃を加えることすら難しくさせる。だがその反面、放出されるコジマ粒子が、どれほど大気を汚染するか計り知れない。こんなものが戦争に使われれば…業に反することだ…コジマ技術は…パンドラの箱だったのかもしれない…」

---ジェフェリー煮え切らない思いで拳が固まる スミカそれを見て少し考える

スミカ
「…郷に入っては郷に従え。」

ジェフェリー
「言葉遊びか?」

スミカ
「いや…だが私達がそのことを説いたところで、企業の指示で実行するリンクス達の意思は覆せない。私もお前と同意見だった。だがここは、時代の流れに身を任せるしかないのではないか。」

ジェフェリー
「『俺一人正論を振りかざしたところで、何も変わらない。諦めろ』と…そう言いたいのか!?」

スミカ
「じゃあ国家側について、一緒に滅べばいい。神の力だと?馬鹿馬鹿しい。こんなものは世界を破滅させる、死神の力だよ。…だが、それほどの圧倒的な力がなければ、人は前に進めない程弱り切っているのかもしれない。そうは思わないか?」

ジェフェリー
「…」

---間

スミカ
「頭は冷えたか?」

ジェフェリー
「…うん。」

スミカ
「そ…じゃあ、いくぞ…」

ジェフェリー
「…?いくって…どこへ?」

スミカ
「ディナーの約束だっただろう?自分で言っておいて、もう忘れたのか?」

ジェフェリー
「はあ…全く…君という女性は…」

スミカ
「ほら、行くぞ。」

ジェフェリー
「喜んで。」

---間
---BGM god force

エヴァンジェ
「まったく…妙な話になってきたな。政府から直接依頼がくるとは…。

兵士A
「こちらマスタング、配置についた。」

兵士B
「トループ、配置についた。今回の作戦内容の確認をする。先日、突如企業群が国家政府に対して宣戦布告した。原因は明らかにされていないが…大企業も堕ちたものだ。」

兵士A
「もはやテロリストと変わらねえな。」

兵士B
「ただのテロリストではない。軍需産業を母体として手広く拡大し、自前の軍隊を有する最早"一国家"だ。」

兵士A
「クーデターなんか起こさなくても、軍拡競争で大いに潤っているはずだろう。何か裏があるんじゃないのか。」

兵士B
「いずれにせよ、政府に牙を剥いた時点で彼らの運命は決まっている。国家の威信にかけて、敵を殲滅せよとのことだ。」

兵士A
「国家も、あんまり穏やかではないな。"逆らうやつは皆殺し"ってことだろ?」

兵士B
「ま、そういうことだ。我々には伝説の傭兵がついている。負けることはない。この作戦領域に入った全ての企業側勢力を撃破する!」

エヴァンジェ
「ん…あれは…。各機レーダーを確認せよ。」

---BGM With Heat

ジェフェリー
「こちら、リンクス、ジェフェリー・クライトンだ。ネクスト・パープルハート、全システム問題なく作動。まもなく作戦を開始する。」

兵士A
「へっ、どっからでもかかってきやがれ!」

兵士B
「敵反応確認。…これは…なんだ…?」

兵士A
「たった一機だぞ…」

兵士B
「ACか…?」

エヴァンジェ
「いや、もっとデカイ。こいつは…まさか…」

兵士A
「新兵器ってところか…軍事企業だ、何を持ちだしてきてもおかしくは無い。」

ジェフェリー
「ろくな訓練を受けていないが…やるしかないか…。プライマルアーマー、展開!オーバードブースト発動!」

エヴァンジェ
「・・・!?速い!!」

ジェフェリー
「まずは一機!」

---爆発音

兵士A
「なっ…なんだ!?味方がやられた…!被害報告急げ!」

兵士B
「馬鹿な…敵は今作戦領域に入ったばかりだぞ…」

エヴァンジェ
「状況を報告せよ。敵の正体は…、誰か確認しているか!?」

兵士A
「なんだあれは!?ACの…新型か!?速いぞ!トループ、何をしている!ミサイルだ!」

兵士B
「今やっている!…よし、敵機捕捉、ミサイル発射!」

ジェフェリー
「悪く思うなよ。政府についた自分を恨んでくれ!」

エヴァンジェ
「…あの機動力は…間違いない!…実験段階じゃなかったのか…!」

兵士B
「ミサイル全弾着弾!」

兵士A
「ざまあねえな!すばしっこいだけかよ!」

エヴァンジェ
「違う、そんな攻撃では駄目だ!とにかく距離を取れ!離れるんだ!」

兵士A
「なにいってやがる…お前も見ただろう?」

ジェフェリー
「プライマルアーマー減衰率5%…これでは話にならんな…」

兵士A
「なっ!」

兵士B
「そんなバカな…」

兵士A
「おい、どうしたってんだ!ミサイルは命中したんじゃなかったのか!?」

兵士B
「敵機体損傷無し!繰り返す、ダメージゼロ!謎の障壁に妨害されている!」

エヴァンジェ
「退却しろ!あれは戦っていい相手ではない!あれは…!チッ…なんだ…この妨害電波は!」

兵士A
「馬鹿を言うな!敵はたった一機だぞ!?」

ジェフェリー
「統制の取れていない動きだ。指揮系統が混乱しているな。粒子干渉によるジャミングが影響しているのか。」

兵士B
「クッ…本部!敵の新型機動兵器は予想以上です!核の使用許可を…!」

兵士A
「何を言っている!たった一機に核を使うのか!?」

兵士B
「あれだけのミサイルで無傷なんだ。これしか方法はない!…本部!…ちっ、だめだ。妨害電波のせいで通信が…」

兵士A
「おい、どうして核弾頭があるんだ!?」

兵士B
「おそらく、何かあれば我々を切り捨てるつもりだったのかもしれないな。」

兵士A
「こうなりゃどっちだっていい!マスタングより全車両部隊へ。核弾頭の準備をしろ!」

兵士B
「おい待て、なに勝手なことを…!」

兵士A
「そんなことを言っている場合か!このままじゃあいつ一機に全員やられちまうぞ!」

---ジェフェリーはクイックブーストにより一気に領域を横切り、そのままクイックターンで180度反転、背後を取る

兵士B
「…!後方注意ー!!」

ジェフェリー
「むん!」

兵士A
「ぐあああ!」

兵士B
「マスタング!」

ジェフェリー
「かなり気が引ける任務だが…お前たちも軍人だ。覚悟はできているだろう。」

エヴァンジェ
「うあああ!!」

--エヴァンジェ、ライフルを乱射する

ジェフェリー
「ほう、少しはできるやつがいたか。だが、ノーマルでは…!」

エヴァンジェ
「ぐっ!」

ジェフェリー
「ち、仕留め損なったか。」

兵士B
「くそっ!エヴァンジェ!私がやつの注意を引きつける。その間に、格納庫前の戦車が積んでいる核弾頭を敵に打ち込むんだ!」

エヴァンジェ
「ちっ、一か八か・・・やるしかないか。任せろ!」

ジェフェリー
「どこへ行く気だ。この機体からは逃げられないぞ。」

エヴァンジェ
「これか…発射装置はまだ生きている。ACでも発射できそうだ。」

ジェフェリー
「止めだ、せめて軍人として誇り高く死ね。」

兵士B
「こっちだ化け物ぉぉぉ!」

ジェフェリー
「ちっ、邪魔をするな!」

兵士B
「ぐあああ!」

ジェフェリー
「あとはお前だけだ、レイヴン。」

エヴァンジェ
「目標、ロックオン。」

ジェフェリー
「!?なんだそれは・・・!」

エヴァンジェ
「食らえええ!」

ジェフェリー
「…!…これは!!」

---間
---大規模な爆発音

エヴァンジェ
「やった・・・か・・・?・・・クッ…こっちも…もう機体のダメージが限界…だ…。はは…キツイ任務だったな…」

---間
---ゆらりとネクスト機が起き上がる

エヴァンジェ
「…あ…そ…そんな…馬鹿な…」

ジェフェリー
「クッ…核弾頭とは…プライマルアーマーがなければ危なかったな…」

エヴァンジェ
「…くっ…」

ジェフェリー
「残念だったな。…終わりだ!」

---間
---BGM 終了

エミール
「…アナトリアの魅力は、なんといってもこの時代の大金星、ネクスト技術にあります。お手元の資料をご覧頂ければご理解いただける通り、最新のネクストフレームの開発に重きを置きまして…」

ロイド
「どれもこれも目新しい物はない。それに技術者も…これじゃ少なすぎやしないか、エミール君?」

エミール
「は、ロイド様。実は…つい最近、当施設を抜け出した技術者が数人おりまして…」

ロイド
「ほぉ、イェルネフェルト教授の死をきっかけに、技術者が情報を持って失踪…技術を横流しされたってわけか。…管理が甘い証拠だ…」

エミール
「し、しかし、不足した穴埋めの対策として、現在技術者の育成に最高クラスの設備を設けておりまして…!」

ロイド
「技術者が育つまで我々に待てというのかね?アブ・マーシュくらいの人材がこの世の中にどれ程存在するかもわからんのに…。もういい、このコロニーに、これといって魅力は感じられん。我々は最新技術を取り扱うが、新興企業だ。下手なことをして舐められては困るんだよ。時代遅れの欧米企業・GAにでも支援してもらうんだな。あそこはまだ履帯のついた兵器を一生懸命開発しているらしいぞ。はっはっは!」

エミール
「あ…。はぁ…」

ロイド
「…おい、おまえたち。帰るぞ。」」

フィオナ
「…」

ロイド
「おや、これはこれはイェルネフェルト嬢。」

フィオナ
「…」

ロイド
「…なにか?」

フィオナ
「いえ…。」

ロイド
「では、失礼。」

---間

フィオナ
「…エミール。」

エミール
「フィオナお嬢様…」

フィオナ
「エミール、あなたはもう少し尊厳を大事にするべきです。お父様のネクスト技術は素晴らしいものです。あんな傲慢な企業になど与える必要もありません。」

エミール
「し、しかし…新体制になってから、企業の支援なしではコロニーはやっていけません。あなたのお父様がお亡くなりになって、ネクスト技術の資料は持ち出され、私達に残されたのは技術研究用のネクスト機体だけです。しかも未だに適正者が見つからない始末…。このままでは我々は露頭に迷うことに…」

フィオナ
「お父様は…どんな時でも、誇りを捨てませんでした…」

エミール
「…お嬢様…」

フィオナ
「…彼の様子を見てきます。」

エミール
「あ、ちょっと…!…(深い溜め息)」

---間
---World is Down

エミールN
「第一人者の死と、盗まれた技術。…彼女が救ったあの男。伝説的なレイヴンと技術研究用のネクスト機体。唯一の商品であった技術の専門性を失い、深刻な経済危機にあったコロニー・アナトリアにとって、生活の糧としての傭兵は、当時の私には、必然的な結論だった。」

---間

エヴァンジェ
「…う…」

フィオナ
「…!…気がついたのですね!?」

エヴァンジェ
「…ここは…?」

フィオナ
「アナトリアです。」

エヴァンジェ
「アナトリア…」

フィオナ
「あなたはこのアナトリア付近に流れる川辺に漂着したノーマルの残骸の中から発見されました。発見した時は重症で放射能汚染にもさらされていましたが、私たちが救助して治療を施したのです。…あなたの意識が回復するまで、随分と時間が経ちました。」

エヴァンジェ
「どのくらいだ…?」

フィオナ
「え?」

エヴァンジェ
「どのくらい経った!?」

フィオナ
「えっと…」

エヴァンジェ
「六大企業が結託して起こした宣戦布告…!あれから…開戦からどれくらい経った!?」

フィオナ
「…一ヶ月です。」

エヴァンジェ
「そうか…まだ間に合う!…早く作戦本部に伝えないと…!敵の主力は開発途中の…!」

フィオナ
「終わりました。」

エヴァンジェ
「…なに?」

フィオナ
「戦争は…終わりました。」

エヴァンジェ
「…なっ!…ば…ばかなことを言うな…!…世界規模の戦争がたった一ヶ月程度で終わるはずが…!」

フィオナ
「終わったのです。あれは…戦争というにはあまりにも一方的でした。全部で27機、リンクス27人。たった27人に、世界情勢は覆されたのです。」

エヴァンジェ
「なん…だと…」

フィオナ
「企業群の宣戦布告から、戦争はあっという間に終結。企業側の送り込んだ新兵器ネクストに、政府軍は完敗…。…あなたも…恐らくそのネクストにやられたのでしょう。でも、あなたはネクストに唯一ダメージを与えたレイヴン。当初はその話題で世間を動揺させました。あなたほどのレイヴンでも…」

エヴァンジェ
「そうか…私は…負けた…のか…」

フィオナ
「…エヴァンジェ…?」

エヴァンジェ
「この私が…多少の損害を与えた程度で…」

フィオナ
「エヴァンジェ…?大丈ぶ…」

エヴァンジェ
「…くそぉ!この私が…あんなにもあっさりと負けたというのか!この私が…!…くっ!…何が伝説だ…馬鹿馬鹿しい…」

フィオナ
「あなたの実力は知っています。でも、ネクストACにノーマルACが敵うはずがありません。…あなたは十分戦いました。」

エヴァンジェ
「だが…私は…私は負けたことがなかった…負けたことが…なかったんだ…!」

エミール
「随分と悔しそうですね。」

フィオナ
「エミール…」

エミール
「…フィオナお嬢様、少しお話を…」

---エミール、フィオナ、部屋を後にし、ひそひそと話す

フィオナ
「…なんですか…?」

エミール
「彼に…AMSの適正検査を受けるように、説得していただきたいのですが…」

フィオナ
「…え?」

エミール
「あの伝説的レイヴンです。リンクスになれば強力な個体になり得ます!しかも彼の名を知らない者はいないのですから、宣伝効果も抜群です。」

フィオナ
「だめです。そんな…傷心の彼を良い事に、戦争の…資金稼ぎの道具にするだなんて!」

エミール
「コロニーの皆のためです…!このまま露頭に迷ってもいいんですか!?」

フィオナ
「…」

エミール
「彼が活躍すれば、お父様の技術を世に認めさせることができます。彼とて、このまま第一線を退くのは遺憾のはずです!」

---間

フィオナ
「…私には…」

エミール
「あなたは…イェルネフェルト教授のご息女だ。あのネクストを生かすも殺すも、あなたでなくてはならない…お嬢様、あなたが…決めるのです。」

フィオナ
「…わかりました。話してみて…内容を理解した上で…彼が…望むのであれば…」

---間

フィオナ
「エヴァンジェ。…悔しいですか?」

エヴァンジェ
「ああ、悔しいとも…」

フィオナ
「もしあなたが、彼らリンクスと…ネクストと互角に戦えるだけの力を得られるとしたら…」

エヴァンジェ
「…なに…?そんなことができるのか…」

フィオナ
「ええ…少なくとも、同じ土俵には立てます。」

エヴァンジェ
「…私には、レイヴンとして…傭兵としてしか生きる道はない。どうしたらいい、教えてくれ!」

フィオナ
「…戻れませんよ。もう、今までの人生には…」

エヴァンジェ
「構わない。私は伝説と呼ばれた男だぞ。このまま引き下がれない!」

フィオナ
「…かなり、辛い道のりになります。生きていられるかどうかも…」

エヴァンジェ
「このまま歴史の敗者として生きるなら、死んだも同然だ。」

フィオナ
「…わかりました。」


---BGM 終了
---間
---BGM Speed


エミール
「あなたはよく耐えました。適性検査の結果が間もなく知らされるでしょう。」

エヴァンジェ
「そうか…」

エミール
「はい。おや、早速結果が出たようですね。」

---間

エミール
「…」

エヴァンジェ
「どうした?」

エミール
「…いえ。適正値、問題ありません。」

エヴァンジェ
「本当か!」

エミール
「はい、これであなたも、リンクスですね。」

エヴァンジェ
「それで、私のネクストはいつ出来上がる!?」

エミール
「こちらへ…」

エヴァンジェ
「…?」

---間

エミール
「これがあなたの新しい相棒…ネクストタイプは…『AALIYAH(アリーヤ)』だ…」

エヴァンジェ
「これが私の…新しい…力…!」

---間
---BGM 終了

エミールN
「私は、あの男を利用し、そのために彼女を利用した。…是非もない。あの男にしか、できなかったのだから…」

~to be continued...


~上演された方へ~ よろしければコメントに演じてみた感想、意見、アドバイスなど頂ければ幸いです。筆者の気が向き次第更新しますので、気まぐれに覗いてみたら変わっているかも。


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