前回の記事でコンドームに関する基礎知識を紹介したが、今回はもう少し具体的に 「コンドームの正しい使い方」 をお教えする。
■参考リンク
【避妊と性病予防】 知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇】
[コンドームの正しい使い方]
・使用期限を過ぎていないか確認する
普段は確認したことなどないかもしれないが、実はコンドームにも使用期限がある。 それを超えると、素材の劣化により破れやすくなるなどの不具合が生じる可能性がある。 したがって、どこまで気配りしてくれているか解らないので、ラブホの備え付けをそのまま使うのはちょっと危ない。
・絶対に財布などには入れない
コンドームは摩擦や熱に弱いので、財布など物の出入りの多い場所には入れないこと。 袋越しとはいえコインなどで擦られる内に劣化を招く可能性がある。 またタンスの中にしまう場合は、防虫剤とは絶対に一緒に入れないこと。 これは一般的な防虫剤にコンドームを劣化させる成分が含まれているため。 ついでに言うと油性マジックでも超簡単に穴が空くので、コンドームの袋に油性ペンでメッセージを書く的な遊びは絶対にしないように。
・2枚重ねは厳禁
性病や避妊を考えて「より安全に!」 と2~3枚重ねて使うひとがいるが、実はこれも大間違い。 先にも書いたようにコンドームは摩擦に弱いので、2枚重ねたらそれだけ余計な摩擦が増え、破れるリスクが増大する。(性器間でも女性器が充分に潤ってないと危険)
・裏表をちゃんと確認する(正しく装着する)
コンドームには裏と表がある。 商品によって多少の差はあるが、袋から出したら精液だまりを指でつまみ、男性器にあて、そのままスルスルっとスムーズに下げられれば正解。 途中で下ろせなくなったり、何かに引っ掛かるような感覚があったら、裏表を間違っていないか確認すべし。
ちなみに、精液だまりをつまんで空気を抜く必要があるのだが、これは 「空気が入っていると破裂するから」 ではない。 空気が入っていると、それが行為中に脱着の原因になるからである。 コンドーム自体は内側からの膨張に非常に強く、膨らましてマスクのように頭に被ることすらできる。 もし破けたor穴が空いたという場合は、原因は空気以外にあると考えよう。
・一度着けて外したコンドームは捨てる
上の裏表を間違った場合など、一度外してまた着け直して……と考えるかもしれないが、実はこれもご法度である。 もしかしたら最初に間違って着けた際に何匹か精子が付着したかもしれないので、それを裏表をひっくり返して着け直したら、精子がダイレクトに女性器の中に入ってしまう。 もし何か問題があったら、一度着けたコンドームは捨て、新しいコンドームを正しく着けるように。(性病予防の観点から言うとなおさら)
・自分の性器に合ったコンドームを探す
よく見栄を張って大きいサイズのコンドームを買いたがる男がいるのだが、女性器の中で外れるリスクが高まるだけなのでダメ、ゼッタイ。 逆にあまりにも小さすぎるコンドームを着けると、締め付けが強すぎて射精障害などを招く危険がある。 コンドームの方は膨張に関してとても頑丈なので、正しく着ければ破裂したり破れたりといったアクシデントは起きないに等しいが、「人間の身体は血が流れてナンボ」 という点をお忘れなく。 射精障害まではいかずとも、勃起の維持が難しくなる場合も。
また早漏で悩むあまり 「コンドームを何枚も重ねて刺激を少なく……」 と考える男性もいるが、これも絶対にヤメよう。 上で書いたようにコンドームは1枚ずつ使わねばならないから、刺激を弱めたい場合は薬局など品揃えの良いお店で、なるべく厚手の商品を探すように。(安全には替えられないので、恥ずかしがらず何でも店員に相談すべき)
・性器vs性器以外でもコンドームを活用しよう
これは避妊ではなく性病予防のためだが、お互いの性器を口で刺激する場合もコンドームを ”防護シート” として使うことを推奨する。 深く知らない相手との場合は、女性が男性器を口に含む場合など、コンドーム越しの方が安全。 それで怒るような相手なら途中で止めて帰るべき。 また男性が女性器に対して何かする場合も、安全が確認出来ていない相手なのであれば、コンドームを破ってシート状にし、それ越しに舐めたり、指サックのように指にハメたりという方法もある。
取り急ぎ絶対に必要と思われる基礎知識だけ書いてみたが、これだけ覚えておけばコンドームによる避妊確率は限りなく100%に近づくだろう。 性病予防の場合はコンドームだけでは防ぎ切れないケースがある(例えばディープキスで感染ったとか) ので、不安ならば 「よく知らない相手とは粘膜接触しない」 と心がけておこう。
現在はこのような性知識を学べる様々な団体が発足しているので、より詳しい情報を知りたい方はそうした団体のWEBサイトを見るとか、無料の勉強会に参加してみると良いかもしれない。
【リプロダクティブヘルス・ライツ】(Reproductive Health and Rights)
※より詳しく知りたい方はこの単語で調べてみてください
[性の健康について学べる団体の一例]
最後に、前回の [コンドームのデメリット] の項で ”使う相手がいない” に該当してしまった方に全力で伝えたいことがある。
こうした性に関する基礎知識や女性の身体への気遣いについて 「ちゃんと勉強して知っている」 ということが、コンドームを使う相手との出会いに繋がる可能性がある。 「このひとは顔はこうだし体型もああだし収入もそうだし、だけどちゃんと私の身体を気遣ってくれる」 と感じ取って貰えたら、思わぬ金星を挙げられるかもしれない。 よって、今の時点では必要ない情報だったとしても、明るい未来のために予習だけはしておこう。
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