博田伸樹の地方競馬・ダート競馬予想コラム「Dの疾風」

ショートコラム 左回り導入計画公表の大井競馬場。その背景と課題

2020/04/05 18:00 投稿

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今年5月に開設70周年を迎える大井競馬場。オフィシャルサイトには記念の特設サイトが開設され、様々な記念事業も計画されているが、その中で注目されるのは左回りでのレース実施という項目だ。現存する平地競走の競馬場で、左右両回りを同時に実施できる競馬場は世界的にもないことから、実際に始まれば世界で唯一の競馬場となる。もっともこの取り組み、いずれは向き合うべき課題だったと私は考えていた。

それはダート競馬には、イコール左回りという世界的な共通認識があるためだ。ダート競馬の本場アメリカは全ての競馬場が左回りで、それに倣う形で中東など、ダートの国際競走を行う競馬場も左回りで造られている。そして左回りが本来少数派の日本も、大井以外で実施される開催場固定のダート統一GⅠは、全て左回り。それが“オンリーワン”として評価を得られないなら、世界基準に合わせる必要があったためである。

そうはいっても左右両回りを同時に設定するにあたり、大きな課題がある。左回りのJRA東京競馬場が、かつて行っていた右回り(注)を1984(昭和59)年を最後に廃止したのは、騎手がゴール板を間違えるトラブルがあったため。両方のゴール板を常設していたことで、実際のゴールより手前にある逆回りのゴール板を、正規のゴール板と間違えやすかったのが要因。その可能性を消せるのかが、最大のハードルといえるだろう。

ただし芝を保護するために内ラチが変わる複雑さがないダートコースなら、やり様はあるはず。例えば回りが変わるたびに機械的にゴール板やハロン棒を出したりしまったりして、使うものだけコース上に置く形ができれば、視覚的に間違う可能性はなくなる。これが実現可能性のある技術かどうかは別として、トラブルを防ぐために導入できる技術があれば、積極的に検討してほしいと私は思っている。

(注)芝1200m戦を、2000m戦の2コーナーを3コーナーとし、左回りの残り200m付近でゴールするレイアウトで実施していた。3歳(現2歳)限定戦でのみ使用されていたため、右回り用のハロン棒が設置されていたのは秋開催だけだった。


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