博田伸樹の地方競馬・ダート競馬予想コラム「Dの疾風」

ダービーシリーズ特集@戦評 東海ダービー-勝ち続けたが故に見落とされたサムライドライブの影と、暗を明に変えたビップレイジングの意地

2018/06/11 07:00 投稿

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毎年のように各地のダービーシリーズを振り返る中で、可能性を求めて戦い方を変える馬がいることに、ダービーの難しさがあると何度も取り上げてきた。サムライドライブが無敗で東海ダービーを制するために、それを跳ね返せるかは大きなポイントだったはず。2周目3コーナーから後続を引き離した時には無敗のダービー馬誕生を予感させたが、最後に襲い掛かったビップレイジングに抗うことができず、大願成就を果たすことが出来なかった

これまでサムライドライブは、その圧倒的なスピードを武器に、プレッシャーをかけられる機会がほとんどなく勝ち続けてきた。実際、前哨戦の駿蹄賞は大外枠から気合いをつけられてハナを奪うと、後続は折り合いに徹したことで気分よく走れた。たが今回はスタートからキンショーウィークが馬体を併せにいき、楽な競馬にさせなかった。ハナを叩きに行く程の厳しさではなかったが、大きな影響はあったと感じている。

それは序盤の走りに硬さが目についたこと。併せに来られた分だけ気分よく走れなかったと考えられ、その影響か勝負所で後続を離した時も、自分から引き離しにいった雰囲気があった。これは過去に見られなかったシーンで、少しずつでも余計に力を使った積み重ねが、末脚を失くしたことにつながったのではないか。いずれにせよ今まで経験しなかった包囲網を前に、屈することになってしまった

そして忘れてはいけないのは、中京ベガスターCの当時、状態を落としていることをわかっていて使ったこと。そこで450キロ台を割った馬体がここでも戻らず、駿蹄賞を勝った後も反動が大きかったという。勝ち続けられた相手関係を前に、不安なく送り出すことが二の次になった時期があったなら、それは今回の敗戦につながる影だったかもしれない。だがこれで終わる馬ではなく、無敗という重圧が取れたことで、これから更にスケールアップして競馬場に戻ってくることを期待したいと思う。

さて、勝ったビップレイジングの話に移りたい。中団やや後ろという位置取りでじっくり構え、最後の4コーナーで大外に持ち出してから豪快に差し切った姿は、新緑賞で披露した末脚と重なった。あれが出せれば逆転する可能性はあると思っていたが、それを信じて戦ったことが結果に結びついたのは事実。2歳時に1度だけサムライドライブと戦っていた(ゴールドウイング賞3着)が、その時からの成長を感じさせた勝利だった。

ただこの馬も、ここに来るまでは順風満帆ではなかった。2歳戦が終わった段階で中央に移籍し、更なる飛躍を求めたが、2戦続けてシンガリ負け。馬体も大幅に減り、厳しい言葉を使えば壊されて戻ってきたわけだが、その時間がどこかでプラスに転じることを信じて立て直して来たはず。そこに秘められた関係者の意地が、これ以上ないという展開と走りでサムライドライブを逆転することにつながったと、私は評価したい。

勝ちタイムの2分5秒9は、2年前のカツゲキキトキトより0.9秒速く、しかも最初の1周(1100m)を終えた時点の通過タイムはほぼ同じ。これを見れば、サムライドライブだけが突出して強い世代ではなく、上位陣はかなり能力がある世代と考えて良いと思う。それだけにビップレイジングも全国区で活躍を期待したい存在といえ、むしろあの末脚は相手が強くなってより魅力を感じるほどである。

全国区での可能性となれば、3着のウォーターループにも目を向けたい。4番手のインでじっくり構え、最後の直線でもサムライドライブに喰らいついたが、重賞連勝で力をつけたことを証明した走り。まだピークが見えていないところもあり、これからの成長が楽しみになった1戦。牝馬ということで他地区にも選択肢が数多くあることから、どこかで遠征競馬を経験させるのも手かもしれない。

サムライドライブの2着を続け、戦い振りが注目されたドリームスイーブルは、これまでと同様に自分のペースを守る競馬。勝つために最善を尽くそうとするのがダービーとすれば、負け続けたのに戦い方を変えられなかったことは、ひとつの限界とみていい。4着という数字以上に、大きく評価を下げることになったと考えている。

(詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


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