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【2014年夏アニメ】グラスリップの感想と雑な考察

2017/07/28 21:59 投稿

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今回はちょうど3年前の今ぐらいの時期に放送が開始されたP.A.WORKSの作品、
グラスリップ』について考察していきたいと思います。


◎制作発表会
今回グラスリップの監督を担当した西村純二さんは、
同じP.A.WORKSの作品である『true tears』でも監督を担当していた方でした。

そんな西村監督の制作発表会での気になった発言は以下のような感じでした

・三国の花火大会は今まで自分が思っていた“花火感”を打ち壊すほどのすごい迫力だった
・今までと違う視線や見方、実際はこうなんだというリアルな感覚を取り入れたい
・白山神社は急な坂が特徴、土地から条件を付きつけられ、それを人間がこなしている
・リアルな芝居を作り上げたtrue tearsとは少し違うスタイルの作品にしたい
・そのために設定にファンタジー要素を入れた
・グラスリップはファンタジーな恋物語を作りたいを思っている
・少し肩の力を抜きつつもやりたいことは見失わない作品を目指す

これらの発言に、今回のグラスリップという作品の方向性というか目指した部分が見えているように感じます。

これまで描かれてきたような、視聴者がそれぞれ思っているようなものとは違った、
ある意味で固定観念を打ち砕くような作品。
ファンタジー要素を取り入れつつもリアルな感覚を大事にし、やりたいことを見失わない作品。

大まかに言えばグラスリップはそういう作品だということですね。
『やりたいこと』、つまり『作品が最終的に描きたかったもの』というのは最終話まで見た方であればそれが何を指しているのかというのは容易に想像出来ると思います。
ただ、そこまでの過程がなかなか難しい描かれ方をしているので、『意味不明』であったり『よく分からない』『人類には早すぎた』などといった感想が多くなってしまっているのではないでしょうか。

もちろん、この作品が完全に説明不足だという訳ではありません。
ストーリーや作品の深い部分を理解する上で必要な情報というのは、作中の至る所に散りばめられています。
普通に作品を見ているだけでは気付きづらいものも多いですが、それらをしっかり考察していくことによってこの『グラスリップ』という作品への理解というものは自ずと深まっていくのだと思います。


◎グラスリップ(GLASSLIP)というタイトルについて
西村監督はこの『glasslip』というタイトルの由来について、
『glass(ガラス)』+『trip(旅)』の造語だと語っていました。

ガラスを覗いて見えた世界に旅をするということですね。

個人的には未来の欠片というものがこの作品の大きな要素になっているので、
『glass(ガラス)』+『time slip(タイムスリップ)』の造語だと思っていました。

ガラスの向こうの未来の世界をタイムスリップして覗き見るという意味で。

しかし、未来の欠片は未来の映像ではないということが物語の後半において判明してきます。
駆が作中の序盤で透子に話した『未来の欠片=未来の映像』という情報に、透子共々惑わされてしまっていたという訳ですね。

『glass』+『trip』の場合『glaeelip』ではなく『glassrip』になってないとスペル的におかしいような気がするけど、そこは視聴者に未来の欠片が何なのかということを早い段階で悟られないようにするためにあえてなのかな、あえてですよね?


◎ニワトリの名前と『かもめのジョナサン』について
グラスリップには透子たちが通っている日乃出浜高校で飼育されている五羽のニワトリが登場します。



それぞれ『ジョナサン』『フッサール』『孔子』『ロジャー』『真葛』という名前が付けられており、名前の元ネタは以下のようになっています。

・ジョナサン(『かもめのジョナサン』の主人公であるジョナサン)
・フッサール(エトムント・フッサール/オーストリアの哲学者)
・孔子(孔子/儒教の始祖で哲学者)
・ロジャー(ロジャー・ベーコン/イギリスの哲学者)
・真葛(只野真葛/江戸時代の女流文学者で国学者)

最終話で雪哉が「あいつ(ジョナサン)以外、みんな哲学者の名前だろ」と言っていることからも分かるように、ジョナサン以外は全て実在した哲学者の名前が元となっています。
ジョナサンに関しては、最終話で雪哉が名前の元ネタについて「強いて言うなら冒険者」と話しているので、『かもめのジョナサン』が元ネタであるということが分かります。
『かもめのジョナサン』
ジョナサンは他のカモメが餌をとるためにしか飛ばないのに対し、飛ぶという行為自体に価値を見出す。飛行の探求に打ち込んだジョナサンはその奇行を見とがめられ変わり者扱いされ、自分の価値観を他のかもめに伝えようとするが、理解されず群れ社会から追放されてしまう。
大雑把に『かもめのジョナサン』の序盤をまとめるとこんな感じですね。
リチャード・バックによる小説であり寓話的作品であるこの作品は、寓話という性質上読む人によって様々な解釈がなされています。

『冒険者』とは、ただ単に“世界を旅をする人”という意味だけでなく、“新たな試みに敢えて挑戦する者”や“事件・事態に遭遇した人”などといった意味を持つこともありますね。

単純に考えるとこの『冒険者』であるジョナサンに該当する人物は、

・ガラスを通して別な世界を覗き見る(旅をする)
・今までの5人のメンバーに駆という存在を加える
・恋愛禁止というグループの掟を無くそうと提案する

などの行動から透子が当てはまるようにも考えられますが、ジョナサンに関しては1話において以下のような会話がありました。

透子「ジョナサンだけは、他から来た子なんだけどね」
駆「だから一羽だけ浮いているのか」

グラスリップの主要人物の中で一人だけ他から来た人物で一人だけ浮いている人物と考えると、他所から引っ越して来て他者とあまり仲良く関わろうとしない駆が当てはまりますね。

また、新たな試みへの挑戦や色々な世界を旅するという意味で考えると、製作陣(監督)や視聴者もこの『冒険者』というカテゴリーに当てはまるように感じます。

ジョナサンは透子と駆の両方に当てはまる存在であり、広い意味で監督や製作陣、視聴者にも当てはまる存在なのではないかと思いました。

他の四羽に関してはこちらの方のブログの方で詳しく考察されているので、そちらを参考にしていただければと思います。
グラスリップとフッサール


◎静止画と視点
グラスリップでは作中に止め絵やハーモニーなどと言われている、いわゆる静止画を用いたシーンが多用されています。



西村監督はこのハーモニー処理の手法を多く用いることで有名ですが、グラスリップにおけるこのハーモニー処理にはいったいどんな効果があったのか振り返ってみましょう。

一般的にハーモニー処理の手法が用いられる場合、そのシーンをより際立たせたり印象づけたりする目的で用いられることが多いと思います。
では本作においてはどうだったのか、ハーモニー処理が使用された主なシーンを以下にまとめてみます。

【心情の変化(キャラクターの内面)が表されたシーン】
・麒麟館からの帰りに透子と一緒にアイスを食べる幸(1話)
→幸が駆から透子を守ると決心したシーン
・シャワーを浴びている雪哉(2話)
→透子に告白することを決心したシーン
・記録会の帰りに一人で家に帰った雪哉(5話)
→一緒に帰っていたやなぎが突然走って自分の元を離れたのが気に食わなかったのか、
 記録会での自分の調子のことや透子への告白のことなどで色々と不満が溜まっている
・祐が幸の裏工作に気付いたシーン(7話)
→幸が自分のことを透子と駆の仲を引き裂くために利用していたのだと気付いた
 同時に、幸の好意が自分ではなく透子にあるのではないかと気付いた
・やなぎがシャワーを浴びてから部屋に戻るまでの一連のシーン(8話)
→幸から未来の欠片や透子と駆の関係、幸の透子への想いを聞き、
 自分も雪哉のことをもっと理解しようと決心した
・幸の告白に驚く透子(9話)
→幸は祐のことが好きだと思っていたため自分にも告白したことに驚いている

【登場人物や日常が紹介されたシーン】
・登場人物の紹介(1話)
→名前と共に主要人物の紹介
・カゼミチで夏休みの予定を話す5人(1話)
→これまでと変わらない仲の良い5人の日常の風景
・ピアノを弾く駆の母とそれを聴く父(6話)
→駆の母の紹介であり沖倉家の日常の風景
・校庭で練習をする野球部(8話)
→日乃出浜高校の日常の風景
 透子が雪景色の世界から現実に戻ってきたことを示している

もちろんこれ以外の場面も沢山ありますが、全ての場面においてハーモニー処理が用いられたことによる意味というものを作中から感じ取ることができます。
『心情の変化』や『登場人物・日常の紹介』という意味だけではなく、静止画のシーンは何かしらの分岐点や転換点になっている場合が多いですね。
なぜこの場面でハーモニー処理が用いられているのかと考えることによって、制作者の意図や作品の内容をより深く理解することが出来るようになるのだと思います。

また、このハーモニー処理が用いられているシーンは、ただ単に映像が停止している訳ではなく、裏で登場人物たちが普通に動き続けているのも印象的だと思います。
ハーモニー処理によってその瞬間を“切り取る”ことによって、自分は作中の世界に居る訳ではなく“あくまで視聴者なんだ”ということを改めて認識させられます。

他にも視聴者を作中の世界から切り離すという意味では、『真俯瞰』と呼ばれる上空から登場人物を捉える手法も多く用いられています。



これらの手法は作中の登場人物との距離が離れてしまい、感情移入できにくくしてしまっているようにも感じますが、西村監督はあえてこれらの手法を多用することによって意図的に距離を離して視点の固定を防いでいるように感じました。

発言や行動の一つを取っても、視点を変えることによって違った意図が見えてくる場面というのは多々あるように思います。
視点の固定により思考の範囲を狭めてしまわないように、敢えて客観的な視点を視聴者に意識させることによって表現の幅を広げているのではないでしょうか。


◎作中の本について
グラスリップには作中に何冊か本が登場します。
読んでいるのは幸と祐の二人ですが、それらの本を時系列順に見ていこうと思います。

【1話】
『転落 追放と王国/カミュ』

『転落』
主人公である改悛した判事の独白(告白)からなる小説で、現在の転落した自分に至るまでの自分の思考遍歴を語っている。
「人間の奥底に潜む二重性」を表現している。
二重性というのは登場人物の性格はもちろんだが、
幸が抱いている好意の対象について遠まわしに表現しているように感じる。
『追放と王国』
「不貞」「背教者」「唖者」「客」「ヨナ」「生い出ずる石」
これら6つの短編からなる作品。
この『追放と王国』は特に「不貞」が今後の物語のキーになっていたりします。

【2話】
『文鳥・夢十夜/夏目漱石』

『文鳥』
「美しいものの死」を描いた作品
ここで言う“美しいもの”とはこれまでの5人の関係のことかもしれない。
『夢十夜』
「こんな夢を見た」の書き出しで有名な10個の不思議な夢に関する作品

『夢十夜』は今後の幸と祐の関係において重要な役割を果たすこととなる。

【3話】【4話】
『人間の土地/サン・テグジュペリ』



『人間の土地/サン・テグジュペリ』
極限状態での僚友との友情や、人間らしい生き方とは何か、が主題

恋愛禁止の掟が無くなったことや駆のことでギクシャクし始めた関係を表している。
特にこの3~4話は告白を含め5人の関係がかなり悪くなってきている。

【5話】
『シーシュポスの神話/カミュ』(幸が読んでいた訳ではなく祐に貸した本)


『シーシュポスの神話/カミュ』
人は皆いずれは死んで全ては水泡に帰す事を承知しているにも拘わらず、それでも生き続ける人間の姿を、そして人類全体の運命の不条理を描き出した作品。

自分で選んだのか幸に勧められたのかは分からないがどちらにしろ恐ろしい。

【6話】
何を読んでいるのかまでは分からない


【7話】【8話】
『雨月物語/上田秋生』(幸が読んでいた本)
『遠野物語/柳田國男』(祐が読んでいた本)




『雨月物語/上田秋生』
日本・中国の古典から脱化した怪異小説9篇から成る古典的な怪異譚


『遠野物語/柳田國男』
岩手県遠野地方に伝わる逸話、伝承などを記した説話集

7~8話は幸と祐の関係が悪くなる、二人にとってある意味で転換点となる話ですが、
二人は怪異・妖怪という似たようなテーマの本を読んでいますね。

【9話】【10話】
「明日のために」というメールのやり取りが始まる
詳しくは後述します






【11話】
幸が本を読んでいる描写が無いです

【12話】
何か読んでいるようですが何を読んでいるかは分からない
そもそもこの冬の世界は現実の世界ではないのでなんとも…


【13話】
『押絵と旅する男/江戸川乱歩』


『押絵と旅する男/江戸川乱歩』
押絵の中の女性に恋をし、押絵の中に入り込んでしまった男と、その押絵とともに一緒に旅をしている弟の話。押絵の中の男性(兄夫婦)もまたそちらの世界で生きている。

“押絵の中の世界=未来の欠片の中の世界”ということを表している気もする。
現実の世界も未来の欠片の世界もどちらも実在する世界であり、隣り合っている(併存している)。


【明日のために】
9~10話において幸は祐に「明日のために」というタイトルでメールを送り、
3冊の本を勧めています。

9話→「夢十夜/夏目漱石」
9話→「名人伝/中島敦」
10話→「月をあげる人(一千一秒物語)/稲垣足穂」

幸が「月がきれいですね」と発言したのが9話のラストだったので、
直前に夏目漱石の本を勧めたのは祐にその意味を気付かせるという意図があったのではないか。

個人的に単純にそう考え他の2冊の意図は何だったのかと考えたのですが、
幸が貸した本に関しては先程と同じこちらの方のブログにて詳しく考察がなされていました。
自分で考察するより明らかによく纏まっているのでこちらを参考にして頂ければと思います
グラスリップにおける「夢十夜」「名人伝」「月をあげる人」の意味


ここでタイトルと共に軽く内容を紹介した作品全てを自分で読んだわけではないので、
正直なところ製作陣が持たせた(含ませた)意図というものを完全に推察することができていないのが現状です。
実際に読めばより深いところまで理解できるのだと思いますが、なかなか難しいですね。

軽く内容を調べて考えるだけでは“何となくこんな意図だろう”といった部分までしか考えが及ばないので、制作者に対し申し訳ない気持ちになってきますね…


◎各話考察
【1話-花火-】
①タイトルについて
透子と駆が初めて出会った(接近した)のが花火大会
二人が初めて「音」と「映像」の両方を視た瞬間


②気になったこと
・やなぎ「ウチ、何事にも本気なの」
→祭りの輪投げのシーンでの一言だが、進路(ダンス)のことや恋愛に関しても自分は本気で向き合うということを表現しているように感じる
→何事にも手を抜かない(そういう人が嫌い)というやなぎの性格

・透子「来年も再来年も、ずっと友達なんだから」
・やなぎ「ずっとって…先のことなんて分かるわけないじゃん」
・透子「えー、卒業したら友達じゃなくなるの?やだよそんなの」
・やなぎ「そうじゃないけど、何があるか分かんないって意味」
→透子とやなぎの未来に関しての考えの違いが表れている

・祐「願い事って、口にすると自分自身が叶えてくれるんだって」
・透子「何があっても、未来の私が全部解決してくれますように」
→何かが起こっても未来の自分はそれがどうなるのかという結果を知っている訳なので、答え(解決策)を教えて欲しいという透子の気持ちが表れている
→この台詞から、透子の“未来を知りたい”という願望が感じ取れる

・駆「俺は敵?味方?」
・透子「それならジョナサンは私が守るから!」
→ジョナサンが一羽だけ浮いているという話をした直後の会話、駆は自分にジョナサンを重ねて透子にとって自分がどういう存在なのかを遠まわしに確認している
→透子の台詞に対し駆はハッとした表情を浮かべている、透子が自分を守ってくれる(仲間・友達になってくれる)のではないかと感じたのかもしれない

・カゼミチにやってきた駆

→それまで5人の恋愛感情を匂わせるシーンは何度かあったが、このシーンにおいてそれがさらに明確に示されることとなる
→少なくとも雪哉と幸にとっては駆は“敵”ということになる
→雪哉が立ち上がって駆を睨んだ直後の駆の「男子がいるのは想像の範囲内だったけど…」という発言で、駆は雪哉の透子への好意に気付いたのかも知れない

③未来の欠片関連
・透子:3Dメガネを掛けた瞬間
花火の映像と音、駆「やっと見つけた」
→周りの人が花火を見上げるよりだいぶ前に花火の映像と音を視ている
→駆の声が聞こえたのもおそらく初めてなので一瞬だけ呆然としてしまっている

・駆:透子のそばを通った瞬間
花火の映像と音とそれを見る透子とやなぎ
→駆は下を向いて歩いているのに花火の映像とその下に映る透子とやなぎが見えている
→映像によって透子の位置が分かったため、正確に透子の方を振り返っている


【2話-ベンチ-】
①タイトルについて
透子が雪哉に告白された場所であり、やなぎがそれを目撃した場所
これ以降透子が雪哉のことを変に意識してしまうようになる


②気になったこと
・やなぎ「でもやっぱ、男は顔より性格だと思うなぁ」
→ムッとする雪哉
→直前に駆に対してかなり感じ悪い対応をした自分にイライラしているのか、透子が駆と仲良さそうだったのが気に入らなくてイライラい続けているのか

・M.C.Esherの作品『昼と夜』

→麒麟館に展示してある作品で、この後も何度か作中に登場している
→見方によって「昼の田園地帯を飛ぶ黒い鳥」「夜の田園地帯を飛ぶ白い鳥」が両方見えるという有名な騙し絵
→見方を変えることで別の世界が見えるということを暗示しており、前述した視点の固定を防ぐという点とも関連してくる

・駆「透子には、何かきっかけがあると幻覚のようなものが見えるんじゃない?」
→“未来の欠片”を見るための媒体に関する話
→透子はガラスのようなキラキラしたもので、駆はクラシック音楽

・駆「俺の聞いてきた未来の声、それを俺は、“未来の欠片”と呼んでいる」
・透子「わたしに、未来が見えるの!?」駆「おそらく」
→この時の会話で透子は“未来の欠片”は未来の映像だと信じてしまった
→これ以降、透子は何か映像が見えた時に、それは未来に必ず起こることだと思ってしまっている

・駆「やっぱり君といると、俺にも映像が見える」
・透子「こんなにはっきり見えたこと、今までなかった」
→二人が一緒にいると、駆は映像を見ることができるようになり、透子は今までぼんやりとしか見えていなかった映像が鮮明に見えるようになる

・雪哉がランニングで駆を追い越す

→雪哉のお前(駆)には遅れをとらないという決意の表れ
→直後にやなぎにペースが早いと軽く怒られるが、雪哉は透子に告白するのは本来はもっと後にする予定だったのかもしれない
→雪哉「負けたくねぇ…」

・やなぎ「あのね、ウチ、告白しようかと思ってる…」
→直前に雪哉が透子のことが好きだということに気付いたため、先に透子に電話することで遠まわしに釘を刺している
→もし透子が雪哉の告白を受け入れたらやなぎの告白は失敗になる=やなぎがグループにはいられなくなる

・透子「恋愛は、解禁で!」
→ちょい待ち!と雪哉が焦ってツッコミを入れているが、おそらく透子が駆に告白(もしくは逆)と思ったのかもしれない
→その後考え直してはいる

→その後の透子のこの仕草を見て、雪哉は透子に告白しても大丈夫だと思ったのかもしれない

・透子「沖倉くん、あのね…あたし、未来が見たいの!」
→この発言でも透子が“未来の欠片”を未来の映像だと完全に思い込んでしまっているということが分かる
→透子はやなぎが告白しようと思っている雪哉が自分に告白してきたことによって、今後の自分たちの関係がどうなってしまうのか不安になっている

③未来の欠片関連
・駆:自宅でクラシックを聴いているとき
透子「あなたの欠片は見つかった?」という声
→直後に駆が「油断した…」と呟いているが、気を抜いていると聞こえてくるのだろうか

・透子と駆:麒麟館でガラスの首飾りを一緒に見て
4人(雪哉、やなぎ、幸、祐)と自分が逆方向に離れ離れになる映像



→透子が画面奥に消えた後にその方向から電車が来るので、4人の元へ電車で後から透子が一人で来るという映像なのかもしれない
→透子だけが制服なので、駆のように一人だけ後から転校してくるというイメージなのかも

・透子:自宅で電話で駆に「あたし、未来が見たいの!」と発言した直後
映像は上記と同じ自分だけ遠ざかる映像で、「私も未来が見たいの」という自分の声を聞く
→今後の関係への不安を自分の中で反芻している
→自問自答した言葉が“未来の欠片”の声として聞こえたのかもしれない


【3話-ポリタンク-】
①タイトルについて
やなぎが透子に雪哉の告白を見てしまったと伝えるきっかけになった
透子と誰が一緒に水を汲みに行くかを巡っても若干ではあるがギスギスしたやり取りがある


②気になったこと
・透子「雪くんもやなちゃんも大事な友達、それは今までもこれからも変わらない」
・透子「でも、私の気持ちは変わらなくても、関係は変わってしまうかもしれない」
→これも視点の話、自分から見た気持ち(関係)に変化はなくても、相手から見た気持ち(関係)は変化してしまっているのではという透子の不安の表れ
→直後にやなぎが泣いている“未来の欠片”の映像を見てしまうが、これは透子がこのままではやなぎを悲しませることになってしまうと自覚している証拠でもある

・駆「透子は彼ら(やなぎと雪哉)の未来を見て、どうするつもりだった?」
・透子「離れ離れにならなくて済む方法を、考えたくて…」
・駆「叶うかどうかはともかく、何事にも懸命なのは君の美点だな」
→透子は自分のことよりも他人(グループの他のメンバー)の幸せを第一に考えているということが分かる
→しかし、透子は自分の視点から見える幸せしか見えていないためか、行き過ぎていたり若干空気が読めていなかったりといった行動が目立ったりもする

・幸「違います、でも、好きな人です」

→祐の姉の百からその可愛いペンダントは恋人から貰ったのかと聞かれての返事
→百は祐があげたのだと思い喜ぶが実際は透子が幸にあげた物、幸の透子に対する思いが初めて明確な言葉として表されている

・祐「いつも熱心に本を読んでいる君の姿がとても素敵で、それはまるでお人形さんのようだと僕は思って(小声)」
・幸「素敵だね、詩か何か?」
→祐が幸のために考えた文学的な告白、幸はその意味に気付いていてあえてスルーしているように見える
→その後もう一度面と向かって告白しようとする祐に対しても話を逸らすような対応をしている
→祐が幸をお人形さんと例えていたり、直後に幸が祐に『転落 追放と王国/カミュ』を貸しているのもポイント

・祐「俺…幸!…って名前好きだ」
→名前が好きという表現は今後何度か作中で登場することになる
→ここで幸がハッとした表情を浮かべているのは、今後自分が祐に対して同じ表現を使う伏線になっていたのかもしれない

・好きな人はいないけど大事な友達だから付き合えないと雪哉に伝える透子
→雪哉は透子が駆のことを好きなのではないかと初めから思っていて、透子に呼び出された時点で諦めにも似た表情を浮かべているように見える
→雪哉にはもっとふさわしい人がいると伝えているがここでやなぎのことを思い浮かべたかは定かではない

③未来の欠片関連
・透子:工房でガラスを作りながら
泣いているやなぎの映像

→前述したように透子の気持ちの表れであるように思う
→映像が見えた時に近くに駆がいたが声のようなものは聞こえていなかった

・透子:百の車のガラスに映る夕陽を見て
病院に入院している幸の映像

→窓に付いているステンドグラスや幸の服装など、今後の話で幸が入院した際の描写と比べると細かい部分が違っているのが分かる
→幸の体調が大丈夫かどうか多少なりとも気になる部分があったためこのような映像が見えたのではないかと思う


【4話-坂道-】
①タイトルについて
やなぎと駆が二人にきりになった場所であり、偶然とは言えやなぎが駆に抱きついてしまったのを透子が目撃した場所
透子がやなぎを散歩に誘う際に電話をかけた場所でもある


②気になったこと
・祐「面白かった、あの、砂漠のバスの中のハエがさ」
→幸に借りた『転落 追放と王国/カミュ』を返しに来て感想を聞かれた際の答え
→『追放と王国』の中の『不貞』という話の感想
→幸は自分(祐)の立場を作品に絡めてどう思ったかということを聞きたかった(気付いて欲しかった)ので、本の内容の感想を述べられるのはある意味で期待外れだったのかもしれない

・透子「これが、未来だったなんて、そう思うとなんか興味が沸く」
・透子「でも、変な未来は嫌だなぁ」
・透子「いつも、“こうなって欲しい”って未来が見えるといいなぁ」
→工房で作業をしながら透子が考えたこと、未来は見たいが都合の良い未来しか見たくないと心の奥で思っていることが分かる

・やなぎ「男子に好きだって言われたら、誰だってドキドキするよ」
→雪哉に告白された透子に対して言った台詞だが、遠まわしに幸のことを表現しているように感じる
→祐に告白(に近い言葉)を掛けられた幸はどう思ったのか、女性が好きな幸は果たしてドキドキしたのか

・透子「でもさぁ、なんか撒き餌って卑怯よね」
→餌を使って楽に近くにニワトリを集めることは卑怯だと感じる透子
→“未来の欠片”という映像を見ることで先の未来を楽に知ろうとしている自分のことを皮肉を込めて言っているようにも感じる

・雪哉「無理、透子と一緒に部屋の中で二人きりなんて無理」
→雪哉が透子を女性として意識しているという証拠
→やなぎに対してはそういう感情を抱けていない(女性として意識できていない)ということでもある

・雪哉の「あいつ(駆)のこと好きなのか?」という言葉に頬を染め言葉を返せない透子

→雪哉に「気持ちの中で駆が来るのを待ってたんだろ」と言われハッとする透子
→その後の透子の「私が、沖倉くんのことを…好き?」という台詞からも、この場面で初めて透子は自分が駆のことを好きになり始めているのではないかと自覚した

・やなぎ「駆って変な名前」駆「やなぎ、いい名前だ」
→名前に関する会話はやはりこの後も何度も出てくる
→駆は自分の駆(かける)という名前に掛けて、自分には何かが欠如しているのではと考える

・幸と祐が『追放と王国』の映画を一緒に観に行く

→作中で映ったのは、砂漠の中をバスが走る映像だったので『追放と王国』の中の『不貞』のラストの部分
→映画の中で女性は最後に「何でもないの」「あなた、何でもないの」と呟いている
→この「なんでもない」という言葉は透子がよく口にしている言葉でもある
→前述した祐の感想といいこのシーンで寝ている祐といい幸の想いはやはり伝わっていないようですね

③未来の欠片関連
駆:自宅で食事をしながらクラシックを聴いているとき
透子「一緒に行こう」「違うのかもしれない…」という声を聞く
→父親とこれまでの引越しばかりだった生活や今後について話しているときに聞こえた
→透子のこの台詞は様々な捉え方ができるように思う
→「一緒に行こう」は透子に今後また引越しをする際に自分に一緒に付いて来て欲しいという気持ちの表れとも取れるし、来年の花火大会に一緒に行こうと誘われることを期待している気持ちの表れとも取れる(それだけ親しい間柄になる)
→「違うのかもしれない…」は“未来の欠片”が未来の映像ではないのかもしれないという意味とも取れるし、透子が自分と一緒に居るべき人ではないのかもしれないという不安の表れとも取れる


【5話-日乃出橋-】
①タイトルについて
やなぎが雪哉に告白した場所であり、これからに向かって進む場所だと話した場所


②気になったこと
・汐見陸上競技場

→元ネタは福井運動公園陸上競技場
→この“汐見”という地名はOPに登場する公園の名前が元ネタになっていたりします

→この場所の元ネタが汐見公園
→本編には関係ないけど少し気になったので

・幸の家での祐と透子
→幸は透子が家に来ることを知っていてあえて祐にそのことを話していなかった

→「察して」という感じの目配せのようにも見える、先述した本のように直接ではなく間接的に祐に対して気付かせようとする行動が目立つような気がする

→部屋に祐がいないことを確認し少し笑顔になる幸
→祐が自分の目配せを理解してくれたことと、透子と二人きりになれたことの両方の意味での喜びの笑みのような気がする

・幸「透子ちゃんそれ勘違い、付き合ってるなんて言ってない」
→透子に対して自分と祐の関係を伝えている
→サラッと話してはいるが、祐と恋人の関係にないということを透子に伝えるというとは幸にとってかなり重要な発言であるように感じる

・透子「沖倉くんって、なんかキツそうだけど、優しいとこあるかもって」
→寂しそう(悲しそう)な目でみる幸

→幸は透子の気持ちが駆にあるということには薄々感づいてはいたけれど、この時それを改めて再認識することになった

・やなぎ「みんな未来が知りたいもんだよね」「ううん、ウチは見ない」
→駆に対しての発言
→未来を知ることができれば先の不安を解消するのに役に立つ
→つまり未来を知るということは結末を先に知ってしまうということであり、ずるいこと(楽をするということ)でもある
→1話で「何事にも本気なの」と発言していることからも、そんな方法に頼らずとも自分の力でなんとかしてみせるというやなぎの意志の強さが分かる

・駆の「俺に、電話掛けてくる人なんているのかな」という発言と頬を染める透子
→唐突な当たり前の孤独を経験している駆は、自分に電話を掛けてくれるような仲になる友達なんていない(できない)んじゃないかと思っている
→透子は自分がそんな関係の相手になれるんじゃないかと思っているようにも見える

・自分が見つけた素敵な場所に案内する駆

→駆はこれまで“自分の場所”というものを持っておらず、それが唐突な当たり前の孤独を生み出す原因にもなっていた
→ここは駆が初めて手にした“自分の場所”と呼べる場所なのかもしれない
→実は作中でこの場所に訪れるのは駆と透子の二人だけだったりする、そういう意味では“二人の場所”とも捉えられるのかもしれない

・透子と左手
→駆の見つけた“素敵な場所”で並んで横になりリラックスする二人

→二人とも目をつぶりうたた寝をするような格好になるが、自分の左手が駆の右手に触れていることに気付いた透子は紅くなりすぐにこの場を離れてしまう
→駆に対し無防備になっていた自分に恥ずかしくなったのか、美術準備室前での「一緒の部屋に二人にはなれない」という雪哉との会話を思い出したのか
→どちらにせよ透子が駆を男性として意識し始めてきていることが表れたシーンだったように思われる
→家に帰ってからも左手のことを思い出し紅くなっていたので、やはり透子が駆に対する恋心を意識し始めている

③未来の欠片関連
・透子:工房でガラスを作りながら
笑っている駆の映像
→特に会話などの何の前触れもなく駆の映像が見えたということは、無意識の内に駆のことが頭に浮かぶようになってきているということの表れなのかもしれない
→駆が笑っているのは透子が駆に対して笑っていて欲しいと思っているからなのか、今後そういう間柄になりたいと思っているからなのか


【6話-パンチ-】
①タイトルについて
駆が雪哉にやなぎとの関係を聞いたときに殴られる


②気になったこと
・透子の母「本当にそうなら(先のことが分かるなら)二度楽しめるかも」
・透子の母「あ、その分かってることがちょっと辛い未来だったとしても、心の準備ができる訳だし、いいことずくめ」
→これまでもそのような描写があったが、透子の母は自分も透子くらいの年齢だった頃に“未来の欠片”のような映像が見えていたと思われる

・やなぎ「ウチ、透子のそのいい感じに空気が読めないとこ好きよ」
→5話における雪哉と同じ発言

・M.C.Esherの作品『物見の塔』

→見えづらいですけど駆の家の玄関に飾られている絵はエッシャーの『物見の塔』という作品ですね
→麒麟館の『昼と夜』といいこの作品にはエッシャーの作品がよく目立つ

・駆の立ち位置
→駆は自分が波風を立てていることに気付いていてやっている
→ただ、その波風は副次的なものであり、君(雪哉)同様やりたくてやっているわけではないのだと話す
→雪哉は5人の関係を崩さないためにあえて波風を立てて駆を排除しようとしている(波風は5人の良好な関係を保持しようとした結果、副次的に生まれたもの)
→駆は“未来の欠片”の性質をより理解しようとするため、あえて波風を立ててまで透子に近づこうとしている(波風は透子を含めた5人に近づいた結果、副次的に生まれたもの)

・雪哉「このままって訳にはいかないのは分かってる、何とかする」
→やなぎに対して、透子や駆を含めた4人の関係について今の状況のままではいけないということを話している
→この後の校庭でのやり取りの伏線になっていて、雪哉は自分なりに決着を付けようと思っている

・駆「透子は俺の味方だろ?」
→1話での発言に似ているが、ここでは確認というよりは透子には自分の味方でいて欲しいという願望の意味も含まれているように感じる

・駆「君(雪哉)が本気になれるのは走ることくらいだろ」
→透子ややなぎに対する態度についてだけではなく、この後の勝負で雪哉を勝たせるため(本気で走らせるため)に煽っている

・やなぎ「どうせ走る気なんて無いんでしょ、何が目的かは分からない、でも、あんたの取ったやり方は最低」
→この発言もやなぎの「何事にも本気」という1話での発言が伏線になっている
→わざと負ける(勝負と言っておいて勝負しない)という卑怯なやり方を取ろうとした駆に対して本気で怒っている

・駆「走る気なんてなかった、そんなことして俺が勝てるわけない」
・駆「殴り合いに持ち込んで、どうしたかったのかな、俺、よく分からない」
・駆「とにかく透子に、私は駆の味方って言って欲しかったのかもしれない」
→駆の本心はおそらく最後の台詞、最終的に透子には自分のそばにいて欲しかった
→ここで勝負を吹っ掛けて殴り合いに持ち込もうとする辺りが駆の不器用さの表れ

・駆「あれを未来の欠片と名付けたのは、俺にとってあれが自分に欠けているピースのようなものだと思ったからなんだ」
・駆「不完全な俺が、安定した形になるためのピース」
・駆「俺が欲しがっていたのは何だかよく分からないピースのようなものじゃない、もっとはっきりとした、もっと実体のある物だったんじゃないのかって」
・駆「君の声ばかりなんだ、聴こえてくるものが」
→遠まわしではあるが駆の透子への告白
→駆に欠けているのは唐突な当たり前の孤独を生み出す要因でもある『誰かと共に過ごした時間』
→引越しばかりで一つの土地に長く留まる事が無かった駆には、長い時間を共に過ごす相手やその相手との思い出などが欠けている

・透子「私も、駆くんの姿ばっかり見える」
・駆「俺、見つけたのか」
→恋人とまではいかないけれど、自分が駆と共に過ごす相手なんだと自覚した
→駆も自分に欠けている部分を補ってくれる相手が透子なんだと気付いた

・祐と一緒に花火をする幸

→3Dメガネをかけているので幸の表情がどうなっているのかはよく分からない
→1話の花火大会に一緒に行くことはできなかったが、祐のおかげでこうして花火という経験をすることはできた
→透子がガラスや駆の助けを借りて“未来の欠片”を見ることができているように、幸は3Dメガネや祐の助け(1話のスマホのライトや今回の花火)によって“キラキラした映像”を見ることができている
→ただし、幸が見ている“キラキラした映像”は“キラキラしたもの(未来の欠片)”ではない

③未来の欠片関連
・駆:自宅の庭で顔を洗っているとき、クラシックがリビングから流れた瞬間
透子「駆くん」という声
→透子と同様に駆も無意識の内に透子のことを考えるようになっている

・駆:上記の直後、自宅のリビングに入り目を閉じた瞬間
透子「ここにいいたの?探しちゃった」駆「俺はずっとここにいた」という声
→透子に自分のそばに来て欲しい(味方になって欲しい)という気持ちの表れ

・透子:自宅の洗面台の鏡を見て
駆とキスをする映像
→“未来の欠片”は同じことを二度経験することができる、恋だったら…と考えて紅くなった直後だったので、想像したことが映像となって現れたのだと思う

・透子と駆:駆の家の玄関で駆が透子の手を掴んだ瞬間
透子の目にエフェクトと駆「俺は見つけたのか」という声

→透子に何が見えていたのかは描写されていないので分からない
→「俺は見つけたのか」という台詞も透子が聞いたのかどうかは定かではないが、駆はハッとしているので駆が聞いたのは明らか


【7話-自転車-】
①タイトルについて
陽菜がランニングしている雪哉を追いかけた時に乗っていた


②気になったこと
・手を繋いで座る二人

→これまで手が触れるだけで紅くなっていたのにしっかり手を繋いでいる
→6話のラストの件で透子の気持ちが変わった(より親密になった)のだと思う

・3人の駆

→会話からも分かるように駆が自問自答しているシーン
→右の駆が「俺たちが要らなくなるといいな」と言っていることから、付き合いの長い友達(親密な関係の友達)がいない駆がその部分を補うために生み出している存在だと思われる

・幸「ボーイフレンドの祐くん」
→このボーイフレンドという紹介の仕方も面白い表現の仕方だと思う
→ボーイフレンドが『恋愛関係にある男性(彼氏)』という意味と『恋愛関係が無い男友達』という両方の意味があり、英語圏では前者、日本では後者の意味で使われることが多い
→捉え方によってどちらの意味にも取ることができ、祐は前者、幸の母は後者の意味で捉えたようにも見える

・透子「なんか、わたしずっとここで暮らしてるのに、駆くんの方が色んなこと知ってるみたいで、なんか悔しい」
・駆「この町の些細なことを知ったからって、透子が暮らしてきた事実に比べたら、つまらないことだよ」
→駆はその場所で過ごした時間が一番大事だと考えている
→いくらこの町に詳しくなろうと、過ごした時間(や共に過ごした人)が少なすぎるので唐突な当たり前の孤独を生み出してしまうことになる

・透子「あの、私と駆くんは…何?」
・駆「俺たち、変な力を持ってる者同士以上の関係になれたのかな」
→この会話をしている間、透子と駆の二人はお互いに照れている描写があるので、友達以上の関係にはなれているのではないかとお互いに思っているような気がする

・駆が落ちる未来の欠片

→頭上を黒い鳥が飛んだ直後に見えた映像

→鳴き声やフォルムから考えるとこの鳥はトビですね
→この後の砂浜のシーンもそうですが、カラスなら悪い事が起こる前触れなどと結び付けやすいんですけどなんでトビなんでしょうね(英語ではブラックカイトと書くので黒い鳥=不吉というメージとも結び付けやすいと言えなくもないけど)
→『高い所から落ちる』というのは、夢診断だと不安や不安定な状態の表れだそうですが、この場合も透子のそういった気持ちの表れのように感じます
→駆の背景がエッシャーの『昼と夜』になっているのも、直前に透子が麒麟館でこの絵を見ていたことに由来するだけではなく、視点というものがキーになっているからなのかな

・病院での幸
→一緒に本を読んでいた祐を、病院に向かって歩いてくる透子が見えたのでこれから検査だと嘘をつき帰らせる
→幸は透子がお見舞いに来た瞬間笑顔に(照れた顔に)なり、駆の話が始まると露骨に嫌な顔になっている

→やはり幸の中では『透子>祐』であり、透子と仲良くしている駆のことをよく思っていないのが分かる

・陽菜「カッコ悪くならないでください!」
→陽菜は透子と駆の関係を詳しくは知らないので、透子が恋愛関連で悩んでいる原因というものを詳しく理解していない
→やなぎが家に来た際に透子と雪哉について話しているのをチラッと聞いてしまったことや、少し前のプールのシーンからも陽菜は透子と雪哉の関係が面倒くさいことになっていると思っている
→透子の「雪くんかっこいいもん」「そう、雪くんはかっこいい…」という発言を聞いていたので、雪哉がカッコ悪くなると透子との関係が上手くいかなくなるのではと思い、透子の妹だと名乗った上で「カッコ悪くならないでください」と話した

・駆「未来じゃないのか?」
→“未来の欠片”は未来の映像ではないんじゃないかと疑い始める駆

・透子と駆のデートを邪魔するために祐を利用したと伝える幸
→幸は5人の関係をバラバラにしてしまう駆のことが嫌い、これまでその感情を押し殺してきた幸が初めてデートを邪魔するという形で行動に移した
→祐は自分が利用されていたことや幸の気持ちを理解してあげられていなかったことにショックを受け病室を後にする
→病室の前で泣いていた百の姿や今回の件で、自分の身近な存在にいる人のことを自分は何も理解できていなかったのだと痛感させられることになる

・やなぎ「ユキがカッコ悪くなったのはあんたのせい」
→雪哉は透子のことが好き、駆がいなければ透子は雪哉の告白を受け入れていたかもしれないし、その前に自分が雪哉に告白していたかもしれない
→そもそも駆が来なければ夏休みの間に告白云々の関係になっていなかった可能性もあり、その場合やなぎにとっては雪哉との仲を時間をかけてより深めることができていたかもしれない
→駆が現れたことで全員が恋愛感情を今まで以上により意識するようになってしまい、歯車が狂い始めた

・やなぎ「お似合いのカップルね」という声とトビの群れの“未来の欠片”

→麒麟館のシーンと同じく、トビと共に良くないイメージの映像を見てしまう
→このシーンも、透子の駆を含めた他のメンバーとの関係や今後についての不安がやなぎと出会ってしまったことで爆発した結果であるように感じる
→駆がやなぎや雪哉とかなり悪い関係になってしまっているので、その駆と一緒にいることで自分も同じように邪険に扱われるようになってしまうのではないかと思っている

③未来の欠片関連
・透子:やなぎと一緒に海を見ながら
幸のお見舞いに来た祐と一緒に楽しく過ごしている映像

→一目見て分かるように、幸や祐の服装であったり病室の中の様子などが現実とは若干異なっている
→透子は幸と祐の関係が上手くいっていると思っているので、このような映像が見えたのだと思われる

・透子:麒麟館の屋上で太陽の下を通過する鳥を見て
高いところから落ちる駆の映像(隣に駆がいるが声は聞こえない)
→上記参照で

・透子:砂浜でやなぎとすれ違った後、海を一瞬見て
やなぎ「お似合いのカップルね」という声と自分に向かって飛んでくる大量のトビの映像
→こちらも上記参照で


【8話-雪-】
①タイトルについて
美術準備室やその直後に透子が見た一種の“未来の欠片”
この雪による演出は今後も度々登場することになる


②気になったこと
・やなぎ「きっちり説明してもらうから」
→やなぎは透子の身に何が起こったのか(起こっているのか)いずれしっかりと駆に説明してもらいたいと思っている
→駆は2話で幸に言われた「透子ちゃんを守ってくれるのよね」という台詞を思い出しているので、自分が透子の側にいることで透子に悪い影響を与えていないか、自分は透子を守れているのかと自問自答しているのだと思う

・レッスン中に雪哉や透子のことを思い出すやなぎ

→透子の身に何が起こっているのか、そのことと駆はどのような関係があるのか、雪哉はなぜ何も言わず合宿に行ったのか、自分は色々な点で理解が足りていないのだと感じている
→この直後にやなぎは幸の元に透子と駆のことを聞きに行っている

・百に「祐のこと、よろしくね」と言われ一瞬顔をしかめる幸
→やなぎはその微妙な反応に何か気付いた様子
→その後に屋上で「祐と何かあった?」と聞いている

・やなぎ「透子、いつの間にかあのダビデと両思いっぽいんだけど、知ってた?」
・幸「…知ってた。」
→この辺も恋愛感情の確認
→やなぎ「幸…あんた透子のことを…」も同様

・雪哉はいつもの時間にいつものコースを走っていないと陽菜から聞く透子
→雪哉は陸上部の夏合宿に行っているので走れていないだけ
→透子はそのことを知らないため、雪哉に何かがあって走れていないんじゃないかと悲しそうな表情をする

・雪哉が走っていたのと同じ時間に同じコースを走り始めるやなぎ
→雪哉のことを理解しようとし始めている

・ガラスが割れて自分に向かってくる“未来の欠片”の映像を見る透子

→ガラスは自分にとって最も身近な存在のものであり、“未来の欠片”を見せてくれていたものであり、駆と親密な関係になるきっかけになったもの
→そのガラスが割れて自分を襲うというイメージは、“未来の欠片”に対して心のどこかで恐怖を感じているということでもある

・透子「私たちって、もう並んで座れないのかな」駆「そんなことはない」
→海で見た映像が怖くて駆に近づくのが怖くなった透子
→駆もあれが何かよくわからないから透子に近づくことを躊躇している様子

・駆「今度は俺と一緒に(美術準備室に)行ってみないか」透子「あ…でも…」
→透子は少し躊躇するが何か分かるかもと一緒に行く
→一瞬躊躇ったのは4話での雪哉の「無理、透子と一緒に部屋の中で二人きりなんて無理」という言葉を思い出したからというのもあるかも

◎8話での雪の表現
・“未来の欠片”についてやなぎと雪哉に説明した方がいいと伝える駆
→話しても絶対に信じてもらえないと不安を話す透子
→ここまでが現実の世界(駆の顔が見えている)


・駆「これからも、何度もあんな事が起きるとしたら」という発言
→ここからが“未来の欠片”の映像というか非現実の世界(駆の顔が見えない)

→直後に雪が降り始める(雪が降ってくる映像を見る)
→駆にキスをされる

・現実の世界に戻ってくる(駆には何も見えていなかった)

→現実の世界と“未来の欠片”の世界の境界が曖昧になっているように感じる
→“未来の欠片”に関しての今後の不安を駆に話され、透子の中で気持ちの整理ができなくなっている

・駆に手を掴まれたことでキスを思い出しまた非現実の世界へ

→動揺がまたこの非現実への扉を開いてしまったのだと思われる

・駆「透子!」という声でまた現実の世界へ

→現実と非現実の世界の区別として、雪の有無だけでなく、ニワトリの有無や練習している野球部の有無といった部分も一つの判断材料になっている
→透子の中で嫌な予感や不安が強くなった時に、自分や身近な人が嫌な目に遭う映像が見えたり、雪が降ってきてきているように感じる

③未来の欠片関連
・透子:出かけるときに工房の窓のガラスを見て
ガラスが割れて自分に襲いかかってく映像
→上記参照で

・透子:美術準備室や校庭で
雪の映像
→上記参照で


【9話-月-】
①タイトルについて
月が綺麗ですね
幸が祐と透子の二人への告白


②気になったこと
・それぞれの思い(9話前半)
◎透子
→ぐちゃぐちゃに塗りつぶしたトビの絵を描いていた
→麒麟館で駆が落ちる映像を見た時のトビ
→砂浜でのことなどを含めて“未来の欠片”のことが怖くなっている

◎やなぎ
→合宿所に一人の雪哉に対し日乃出浜の今日の様子を毎日メールで送っている
→こんなメールを送って何になるのかと悩んでいる

◎雪哉
→合宿所で(怪我だから仕方がないとは言え)結果が出ない現実に少し落ち込んでいる

◎祐
→なんで幸が自分に対してあのようなことをさせたのか悩んでいる
→幸からの「明日のために」というメールに書いてある本を取り敢えず読み始める

◎幸
→祐に対して取った行動や透子への気持ちを含め思い悩んでいる
→祐に「明日のために」というメールを送る(上記参照)

◎駆
→“未来の欠片”が聞こえなくなったことに気付く
→母から次の仕事は海外で今度は長くなると伝えられる

◎陽菜
→透子の様子がおかしいのは失恋のせいではないかと思いやなぎに相談する
→陽菜は失恋の相手は雪哉だと思っているのではないか

→全員が『これまでのこと』と『これからのこと』で思い悩み、それぞれ少しずつ行動を起こし始めている

・やなぎ「ウチ、新しい自分になるの」
→雪哉に唯一褒められた服を陽菜にあげた後の台詞
→このままでは何も変わらない、雪哉との関係をさらに良くする(進展させる)ためにも変わらなくてはならないという決意の表れ

・幸「お母さん、今日、わたしがご飯作る」
・幸の母「あーら、珍しい」
→幸もまた、やなぎと同様にこれまでの自分を変えようと一歩踏み出したことの表れ
→今まで受け身だった自分を払拭しようとしている

・透子「言いたいけど言えないことっていっぱいあるよね、約束の場所…」
→透子のお風呂場での独り言
→言いたくてもなかなか言い出せないのは幸や祐ややなぎで、言いたくなくても言ってしまうのが駆や雪哉や透子

・工房を訪ねてきた駆に窓を開けて近づくのを躊躇う透子
→このシーンも“未来の欠片”に対する恐怖が残っていることを表している

・透子と駆の“未来の欠片”に対する考えの違い
→駆は“未来の欠片”に対する情報や考察が足りていないのでもう一度一緒に美術室に行って同じ状況を作り出したいと透子に話す
→透子は雪や一面の銀世界が見えたことを駆に話し、あんなのは初めて見えた、わたしは行かないとかけるに告げる
→透子は自分の身に良くないことが起こっていることに恐怖を感じており、これ以上“未来の欠片”を見ると取り返しのつかないことになるのではと考えている

◎やなぎと雪哉の電話
・雪哉「嬉しかった」
→やなぎからすれば日常をただ羅列しただけの変なメールだったが、雪哉からすれば離れていても地元(日乃出浜)を身近に感じられる嬉しいメールだった

・雪哉「俺、少し焦ってたかも」
→焦って透子に告白してしまったことや、駆に対して短絡的な行動に出たことなどを公開している

・雪哉「やっぱ、お前と話すと落ち着くわ」
→自分に対してそのように思ってくれていたことを内心では喜んでいるものの、そっけない返事で返すやなぎ
→電話をしている場所が自身が雪哉に告白した日乃出橋だというのも一つのポイントになっているのだと思う


・幸「でも、知らなくてもこの町にずっと住んでいることの方が、何倍も素敵だよ」
→7話での麒麟館での駆の発言と似たような台詞になっている
→幸も、この町(この場所)でずっと過ごした時間というものを大事に考えている

・この町のこともみんなのことを何も知らないと話す透子
→透子「これから何が起きるのかを知らないのと同じように、何も知らないの」
→みんなの話を聞き、自分は何も知らなかったんだと自覚する透子
→“未来の欠片”を見たことで知った気になっていただけだったという自分に対する皮肉でもあるのかもしれない

・地球照

→地球照とは、普段隠されていて見えない月の欠けた部分が、地球に照らされてうっすらと見える現象のこと
→この“隠されていた部分”というのは、幸の透子に対する気持ちであり、上述の月が綺麗ですねと合わせて幸は二人に伝えたかった
→幸の部屋には月齢カレンダーが置いてあったので、計算してこの日を選んだということが分かる


・透子「それで伝わるのかな」
・祐「伝わるよきっと、愛があれば」
・幸「そしてそれは、わたしの台詞」
→ここで初めて幸は透子に対して好きであると面と向かって伝えている
→もちろんそれは祐の助けがあってこそだが、透子に対してだけでなく祐に対しても自分の隠されていた気持ちを打ち明けたということでもある
→詳しくは最初の方にリンクを貼った方のブログの記事を読んでみてもらった方が分かりやすいと思います

③未来の欠片関連
特になし
駆は“未来の欠片”を聞くことができなくなっており、透子は依然として恐怖を感じている


【10話-ジョナサン-】
①タイトルについて
透子を駆のいる美術準備室前へ誘った


②気になったこと
・幸「二人に告白、わたし透子ちゃんが好き、祐くんが好き」
・祐「ありがとう」
・幸「わたし、やっと言えた、祐くんのおかげで言えた、祐くんにも言えた」
・祐「うん、今日は、月が綺麗だよね」
・幸「透子ちゃん、これからも今まで通り、仲良くしていこう」
→今までい抱いていた二人への感情を『月が綺麗ですね』という言葉を借りて伝えることができた
→祐は幸の透子への思いを受け止めた上で、幸に対し「月が綺麗だよね」と返すことで晴れて恋人同士の関係になることになる
→幸と透子の関係はこれまで通り仲のいい友達という関係で変わらない、ただ、透子への恋心を抱いたままで祐に接していた後ろめたい気持ちというのは今回で払拭された

・陽菜がやなぎから雪哉に褒めてもらった服を頂いたということを知る透子
→一瞬暗い顔をしているのはやなぎが雪哉への思いを断ち切ったのだと思ったから?

→その後、やなぎが新しくなるという陽菜の言葉を聞き、辛い現実を乗り越えてなお気持ちを切り替えて前へ進もうとするやなぎに尊敬の念を抱く

・『名人伝』の感想を幸にメールで送る祐

→4話で『転落 追放と王国』を返しに来た際に本の内容に関する返事しかできなかった祐が、今回は自分の立場を作品に絡めてどう感じたのかという感想を幸に返信できている
→これこそが祐が成長した証であり、幸はそれを嬉しく思い笑みを浮かべている

・祐「おまえさぁ、透子さんが好きなのか?大事にしてるんだろうな?」
・祐「透子さんは、俺たちの大事な友達なんだよ」
→言葉を返せずに無言になる駆
→駆は透子のことが好きなのか、透子のことを守れているのかという問いに明確な答えを見つけ出せずにいる

・幸「あなた、透子ちゃんのこと全然守ってない」
・駆「あぁ、そうだな、高山にも言われた、でも深水透子は、守って欲しがっているのかな」
→やなぎや祐に続いて幸にも透子のことを守れていないと言われる駆
→駆は自分は透子を守ることが出来るのか、自分が近くにいない方が結果的に透子を守ることになるのではないかと考えている

・幸「あなた、透子ちゃんのこと好きなの?」
→目を逸らしているだけで、作中で駆がこの問に答えている描写はない
→やはり駆は透子に対しての恋愛感情に対する明確な答えを見つけ出せていない様子

・駆の母「駆には場所がないのよ」
→駆の両親から“唐突な当たり前の孤独”についての話をされる

・雪哉「ラストの上り坂、全然大したことないのに、すっげぇキツいよな」
→自分が毎日走っているコースを合宿期間中代わりに走っていたやなぎに対し、そのコースについての感想をはなす雪哉
→身近な存在だったのにお互いのことを理解できていなかった二人が共通の視点を持った(理解し合った)瞬間が、ここでの会話とメールを見ながら日乃出浜を歩く雪哉のシーン
→この台詞にハッとしてやなぎは涙を流すが、単に分かり会えたからというだけではなく、色々と悩み苦労した自分のこの夏休みの経験をこの台詞に重ねているからだと思う

→幸と祐の二人に続き、この二人も一歩前へ進んだ瞬間となった

・透子「ここがずっと、私が住んできた街」
・透子「ここは、駆くんは持つことのなかった私の風景」
→ガラス玉を通して町の景色を見て回る透子
→駆の両親から場所についての話を聞かされて、意識し始めるようになっている

・駆「あんなに面倒だったのに、聞こえなくなると、なんだかさみしいな」
・駆「深水透子、お前に会いたいよ」
→ガラス玉を見つめながらそう思う駆
→自分の気持ちや“未来の欠片”についての考えを整理するためにも透子に会いたいと思っている
→直前にトビが頭上を飛んでいるのはやはりなにか良くないことが起こる前触れなのかもしれない

・ガラス玉を通して学校を見ると雪の降ってる光景が見える
→その後も学校の敷地内では雪が降り続く(降っていないシーンも若干あるのは透子の精神が不安定だからなのかも)
→透子はここはあたしの場所だから怖くないと思っている

・透子「わたし知りたい、駆くんの唐突な当たり前の孤独のこと、もっとよく知りたい」
→少し前までは“未来の欠片”に対する恐怖から駆に近づくことを少し躊躇っていたが、駆の両親から唐突な当たり前の孤独についての話を聞いてからは駆のことをもっと理解したいと思うようになり、駆に会うことを望んでいるように見える
→偶然ながら同じタイミングで透子と駆がお互いに会いたいと思うようになる

・透子「ジョナサン、もしかしてあなた駆くん?」
・透子「ジョナサンを探さなきゃ、わたし、全然守れてない」
→なにやら意味深な台詞
→守れていないのはニワトリ全羽のことを言っているのかジョナサンのことを言っているのか駆のことを言っているのか

・雪のことを駆に話す透子
→“未来の欠片”としてではなく辺り一面に降り続いている雪が見えていると動揺しながら駆に話す透子
→また、透子は駆とキスする光景を二回も見たと話し、自分がおかしいのではないかと思う
→やはり透子はこの未来の欠片ではないこの現象についての理解が追いつかず混乱してしまっている

・透子「じゃあ何、私が見える物って何?」
・透子「それとも…そんな時が…来るの…?」
・駆「確かに、俺たちが見たり聞いたりしていたものは、未来じゃなかったかもしれない」
・駆「何かが見えて、聞こえていたことは間違いないんだ」
・透子「そうよね、何かが起こってるってことは、認めなきゃね」
→二人は“未来の欠片”は未来の映像ではなかったと認識を改めた上で、何かが見えて聞こえていたという事実は確かにあったと確認し合う

・駆「それにこうすれば、それは未来の欠片だってことだろ」

→透子にキスをする駆とその足元にジョナサン
→駆は恋愛感情からキスをしたというよりは、透子の気持ちを落ち着かせるため(整理させるため)キスしたように感じる

③未来の欠片関連
透子:ガラス玉を通して学校を見た瞬間
雪が降っている映像
→透子自身も言っているがこれは未来の欠片の映像ではないのかも


【10話-ピアノ-】
①タイトルについて
駆の家での演奏会
透子が唐突な当たり前の孤独を経験するきっかけになった


②気になったこと
・透子「ビックリした…嬉しい…でも、駆くん、わたしのこと本当に好きなのかなって」
・駆「俺が…そう思い込もうとしてるだけ…なのか…」
・透子「そうなの?」
・駆「俺は…自分のことを確かめたいだけ…?」
→透子も10話ラストでの駆が恋愛感情からキスした訳ではないということを薄々感づいていた
→駆もやはりそのことは理解していて、どうすることが正しいのかと自分の気持ちにまだ迷いが生じていることを感じている

・透子「私たち…何も分かり合ってない…」
・駆「そうだな…」
→自分のことや“未来の欠片”のことを含め、お互いにまだまだ理解が足りていないということを二人で改めて認識する

・駆「俺が何にも分かってないって分からせてくれた」
・駆の母「そう、好きなのね?」駆「あぁ」
→自分(自分たち)では気付けていないけれど、周りから客観的に見ればお互いを好きになっているということが分かるという視点の話
→『駆は透子のことが好き』『透子は駆のことが好き』というような話は他の登場人物の口からもこれまで何度か話されている

・透子「ここ(美術準備室)が私の場所なの、きっと…」
・駆「場所?」(ハッとしながら)
・透子「さっちゃんが教えてくれた、季節と時間が、それから一緒にいる人が、いつもの場所を特別な場所に変えるって」
→いつもの場所である学校(特に美術準備室)も、誰かと共に過ごすことによって特別な場所に変わると透子は幸の言葉を思い出し考えている

→何となくこのシーンは帰ろうとする駆をジョナサンが帰るなと引き止めているようにも見える(その後もジョナサンは駆を透子の元へ誘うような行動を何度か見せている)

・祐にもう一度山を登りたいと提案する幸
→祐は百の予定が大丈夫か心配するが、幸は車ではなく自分の足で下から登りたいのだと話す
→幸の、自分も祐と共通の視点を持ちたいという気持ちの表れであり、雪哉と同じ視点になって考えようとしたやなぎと共通する部分がある

・雪哉「俺…やなぎのやってることよく知らねーのかも」
・やなぎ「レッスン、見に来る?」
→雪哉も透子や駆のように相手のことをちゃんと理解できていないと感じている
→駆が自宅での演奏会に透子を誘ったように、やなぎは雪哉を自分のレッスンを見に来ないかと誘っている

・駆「ひと晩ここにいたら、ここが俺の場所になるかな」
・駆「もし俺の場所ができたら…」
・透子「唐突な当たり前の孤独に…もう出会わなくても済む?」
・駆「…」
→駆は先ほどの透子の台詞を思い出し、透子とこの場所に一緒にいることで美術準備室が自分の場所になるのではないかと思っている
→唐突な当たり前の孤独が引き起こされるのは自分の場所を持っていないからだったため、透子もそのような答えを返している

・幸「わたし、信頼されてないの?」
・祐「正直心配だけど、無理はさせないし、俺がついてる」
・幸「うん。」(ハッとしながら)
→祐のことを信頼できていなかった自分の気持ちを少し反省しているようにも見える

→かわいい

・透子が駆の家で棚から出してみたレコード

→ジャケットは「マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)」の「Debut Recital」が元ネタ

→作中のジャケットの名前は「ヴラド・ペルルミュテール(Vlado Perlemuter)」と合わさった名前になってる

・雪哉「やなぎが一番上手かったし、一番綺麗だった」
・照れて何も言い返せないやなぎ
・雪哉「お前…卒業したら出て行くんだよな…」
→ここにきてようやくお互いの事をしっかり理解できるようになったのと同時に、やなぎと離れ離れになることを寂しく思っている

・幸「この間、麒麟館で…言えなかったことがあるの」
・幸「ごめんなさい…」
・幸「あんなひどいことをして、祐くんを巻き込んで、ごめんなさい…」
・祐「うん、この山登りも…」幸「明日のために…」
・祐「そうだよね」笑顔になる二人
→幸の心の中には、透子と駆のデートを邪魔するために祐の好意を利用したことへの自責の念がずっと残り続けている
→祐は、簡単には許せるという訳ではないけれど、薦められた本を読んだり一緒に山に登ったりすることが幸にとっての罪滅ぼしになると思っているため、笑顔で返している

・透子「これから実験が始まるんだね…何か分かるといいね」
・駆「でも…そうじゃなくてもいいのかもしれない」
・駆「透子の家族と俺の家族が、一緒に母さんのピアノを聴くって、そんなこと思いもしなかったけど、それだけでも十分なんじゃないかって」
・透子「それって駆くん…」
・駆「うん…怖がってるんだと思う」
→“未来の欠片”や透子の身に起こっていることについてこれ以上詳しく知る必要はないのかもしれないと思っている駆
→この先も透子と一緒にいる(この地に残る)ということは、今までのような良くないことをまた引き起こしてしまう可能性があるということであり、駆自身も唐突な当たり前の孤独を経験することになってしまうということでもある

・幸「近くにいるのに相手が見えないのって、なんか不思議じゃない?」
・祐「さっちゃんから俺は見えてる?」
・幸「まだ、よく見えない…」
→麒麟館での告白や「明日のために」や今回の登山で、幸と祐はお互いの事をある程度は理解できるような関係になれた
→幸のはこれまで『この町にずっと住んでることの方が素敵』や『季節と時間と一緒に過ごした人がいつもの場所を特別な場所に変える』など、『時間』に関する発言を何度もしている
→1話の花火大会や3話の登山、その後の検査入院など、幸は他の4人と比べてみんなと共に過ごす『時間』というものが少なくなってしまっている
→祐と共に過ごした時間というのもまだまだ少ないため、祐ののことをまだしっかり理解できていない(見えていない)とここで発言している
→“まだ”と付けているのは、今後しっかり見えるようになる日が来るということの裏返しでもある

→雪が降ってきているが、これを二人が見ているという訳ではなく、ただの演出(詳しくは後述します)

・駆「俺は、一緒にいるのが怖いのかもしれない」
・母親の演奏旅行についていくことでここを離れるかもしれないと透子に伝える
・駆「いつか不意に訪れる、唐突な当たり前の孤独をまた経験するのはもういいかなって」
・透子「私たち昨日、ずっと一緒にいたのに…」
→先ほどの会話の続き、透子は美術準備室で共に過ごしたことによってお互いを少しは理解し合うことができたと思っているため、駆がこの地を離れてしまうことを受け入れられないような様子になっている

・透子「あれが本当に未来の欠片なら、来年の花火をまた二人で見るってことだよね…」
・駆「…」
→直前に二人で一緒にガラス玉を通して見た花火大会を思い出し、来年の花火大会を一緒に見たいと遠まわしに伝えている透子
→駆はこの地に残る気が無くなってしまっているのか返事を返せずにいる

・下山する幸と祐の足元や、一緒に走るやなぎと雪哉の先に雪

→これらの雪も演出上の雪

・雪哉「俺、もう一度透子と話さないと」
→やなぎに対する気持ちも含めた今の自分の気持ちをしっかり話さないといけないとやなぎに対して話している
→その場所がやなぎが雪哉に告白をした日乃出橋だというのも一つ重要なポイントで、この発言が雪哉からのやなぎに対する一種の答えなのだと思う

・町に降る雪

→この雪も実際に降っている訳ではなく演出上の雪
→ただ、透子にだけはこの雪が見えてしまっている
→この雪の演出が何を意味しているのかはこれまでの話からも理解することはできるんですが、続く12話を見ればよりはっきり理解できるようになるようになってます

③未来の欠片関連
透子と駆:ガラス玉を通して町を見下ろしながら
花火大会(一面の花火)の映像と音
→透子だけでなく、しばらくの間“未来の欠片”の音すら聞こえることができなくなっていた駆の目にもしっかりこの花火大会の映像は映った
→透子が言っていたように一緒に花火大会を見ることの伏線になっているとも考えられる


【12話-花火(再び)-】
①タイトルについて
“未来の欠片”の映像として見ている世界の花火大会
透子は唐突な当たり前の孤独を経験することとなる


②気になったこと
・この世界について
→透子が唐突な当たり前の孤独を経験するために作られた世界
→終盤に駆と会話をするまで透子はこの世界を現実の世界だと思っているため、リアルな感覚として唐突な当たり前の孤独を経験することとなる

・駆との対比
→電車でやってくるシーンやカゼミチでの様子を見ると透子と駆の関係が入れ替わっているのが分かる


・本物の5人と透子が見た5人
→この世界で駆、やなぎ、雪哉、幸、祐の5人とはカゼミチで一度会って自己紹介をしているので、お互いに知り合った仲になっている
→しかし、約束通りに神社にたどり着くことができたのは駆だけ
→直前のランニングで足を痛めてしまった雪哉は、家に帰り再び神社まで行くことができなくなってしまったため、迎えに来てくれたやなぎと共に日乃出橋から花火を見ることとなる

→直前に熱を出してしまった幸は、祐と共に幸の家で花火をみることになる

→しかし、透子は神社でやなぎ、雪哉、幸、祐の4人を見かけて声を掛けるが、誰一人として透子のことを覚えていない(見えていない)





→実際には神社に集合することができなかった4人が、透子の前では全員揃っていることになる

→透子は寂しくなって泣いてしまう

→その直後、駆と合流し、「(みんなは)あそこに…でも、なんか変なの、なんだか、まるでわたしが見えないみたいな」と発言した瞬間にエフェクト

→この瞬間、透子はこの感覚が『唐突な当たり前の孤独』なのだと明確に理解し、今の自分がいるこの世界が現実の世界ではないということを初めて理解する

・透子「わたしは、この花火大会の間は、この世界のやなちゃんやさっちゃんや雪くんや、祐くんには見えない」
・透子「それは、まだわたしがみんなと一緒に過ごした忘れられない場所を持っていないから…」
・透子「そうなのね、駆くん…」
→駆が今まで経験してきた唐突な当たり前の孤独について明確に理解することができた時、透子はこの世界での役目を終え、現実の世界に戻ることとなる


・冬の花火大会
→11話で透子と駆がガラス玉を通して見た花火大会は、来年の花火大会ではなくこの唐突な当たり前の孤独の世界の中の花火大会だったと思われる
→“未来の欠片”の通り、二人で花火大会を見たということになる

・透子「なんでも、なんでもないの…」
→現実の世界に意識が戻った透子の台詞、隣にいる駆に対して呟いているように見える
→この台詞は作中でよく耳にしますね

③未来の欠片関連
この12話の中の冬の日乃出浜という世界自体が、ある意味で“未来の欠片”の中の世界と言ってしまってもいいのかもしれない


【最終話-流星-】
①タイトルについて
流星群


②気になったこと
・駆「俺には何も聞こえてはこなかった…でも、透子は気を失うほどの何かを感じた」
→演奏会の際に“未来の欠片”の映像(唐突な当たり前の孤独の世界の映像)を見ていたのは透子だけ、駆は映像も音も何も感じなかった

・駆「やっぱり一所にいようとすると、他の人を余計なトラブルに巻き込むことになる」
→駆は今回透子が気を失ったのは自分のせいであり、これ以上一緒にいるとまた危険な目に合わせてしまうと思っている

・透子「わたし怖くない、だって、あれはこれから起こる未来なんかじゃないんだから」
・透子「でもきっと…きっと駆くんは…」
・透子「駆くんはいなくなる…」
→駆がこの町を離れてしまうということを透子も感付いている

・祐「偶然に集まりたい」
→透子に電話を掛けてカゼミチに呼ぼうとするが思いとどまる祐と、そんな祐にやさしく微笑む幸

→無理やり予定を作ってみんなを集めようとした過去の自分の過ちを、ちゃんと理解して繰り返さないようにした祐を見て嬉しくなったんだと思う

・雪哉「すまん、俺が波風立てた」
・祐「誰にだって秘密はあるさ、ささやかな秘密…」
→秘密は誰にだってあるけど、それを隠したままにするより、打ち明けたり乗り越えたりすることでより良い関係になれるということなのかもしれない

・やなぎ「次(演奏会)やるときは、ウチも呼んでよ」
・駆「高山は…」
・やなぎ「やなぎ、やなぎでいいよ」
→ただ単にやなぎと駆の関係が改善したと言うよりは、あれほど毛嫌いしていた駆のことを理解し受け入れられるようになったやなぎの成長のように感じる

・透子の母「そうね、今精一杯やらないとね」
→透子は母から自分も若い時にモヤモヤしたものが見えていたと話される
→母によると、「最初は未来の映像なんじゃないかと思っていたが、その後に起こったことは全部思いもしなかったことばかりだった、本当にあれ、何だったのかしら」とのこと
→ここで母が透子に伝えたかったのは、見えた映像に縛られることなく今を精一杯生きて欲しいということだと思われる

・駆「君と約束をする羽目になった海辺のことも、今回透子が倒れたのも、俺のせいなんだ」
・やなぎ「それって、どこまで信じればいいの?丸ごと信じるのって難しいかも」
・駆「それで構わないが本当のことだ、それに、透子の存在が必要だったことは確かだ」
・駆「だけど俺がいなければ、透子はこんな目にはあわなかった…俺が透子を傷つけた」
・駆「俺には透子が何を見たのか思いも付かないんだ」
・やなぎ「いいことばかりじゃないわよ、気づくってことは」
・駆「井美雪哉のことか」
・やなぎ「そう、ゆきのこと、言葉なんかなくても、あいつが何考えてるのかすぐにわかる」
→これまでの約束通り、“未来の欠片”や透子の見に起こっていたことについてやなぎに話す駆
→今まで色々な事を知ることを重視していた駆に対し、知らない方が幸せなこともあると伝えている

・透子「一人で見る花火、初めてだった、唐突な当たり前の孤独…だったかも」
・駆「その花火、俺も見たかったな」
・透子「駆くんも見てたよ、みんなと」
・駆「その俺は楽しそうだったかい」
・透子「うん、とっても」
・駆「それはよかった…」
→駆は透子の“未来の欠片”の中の世界とはいえ、自分の場所を持っていれば(同じ地に長く居て共に過ごした友達がいれば)、楽しく祭りを過ごすことが出来ると知って嬉しくなっている

・透子「未来の欠片って何だったんだろう」
・駆「もうその言葉はそぐわないかもしれないな」
→駆も“未来の欠片”の映像がこの先に起こる未来の映像では無いということに気付いた

・駆「また透子の“なんでもない”が始まったって思ってさ」
・駆「でも透子がそう言う時は、いつも大切なことがある時なんだろ?」
→透子は雪哉や陽菜から“分かりやすい”と言われるくらい自分の感情が態度や行動に現れやすい反面、大事なことははっきり話さず言葉を濁す傾向がある

・透子「あの日、花火大会の日、駆くんが見えた、あれは偶然?」
・駆「少し違うと思う、偶然なんかじゃない、あの時、見たいと思ったから見えた」
・透子「あれは未来なんかじゃなくてまだ起こってない、だけどきっとこれから起きること」
・透子「あれ?これって同じ意味?」
・駆「同じ意味で言ったのかい?」
・透子「あー、違うかも」
・駆「だったら、それは違う意味なんじゃないか?」
→これから確実に起こる未来ではなく、起こる可能性がある未来
→見えたからといって絶対に起こるわけでもないし、起こらないわけでもない
→起こらなかったとしても、もしかしたら別の世界線では起こっているのかもしれない

・透子「わたし、冬の花火の時も、駆くんに何もしてあげられてない」
・透子「ただ…駆くんの気持ちが少し分かったような気がしただけ…」
・透子「何にも…何にもしてあげられてないよ?」
・駆「それで十分だよ」
→駆は誰かに何かをしてもらいたかったというよりは、自分の孤独(唐突な当たり前の孤独)を誰かに理解してもらいたかった
→ただそれが誰でもよかったというわけではなく、透子に知ってもらいたかった

◎流星群について
初見ではいまいち分かりづらいので順番に書いていきます

【透子と駆の流星群】
①二人で空を見上げる

②二人の手の上にはガラス玉

③最初に1回ガラス玉のような光が空に上がる

④しかしまだ二人の手にはガラス玉

⑤二度目のガラス玉のような光が空に上がる

⑥二人の手にはまだガラス玉、透子「せーの!」

⑦三度目のガラス玉のような光が空に上がる

⑧その直後、二人はガラス玉を空に投げる

⑨空に舞い上がるガラス玉

⑩四度目のガラス玉のような光が空に上がる

⑪透子の目に“未来の欠片”のエフェクト

⑫二人の会話
透子「流星…駆くんにも見えるの?」
駆「あぁ…」

透子と駆の二人は1回しかガラス玉を投げていないのに、ガラス玉のような光が4度空に上がっています。
透子の目のエフェクトからも分かるように、これらの空に上がっていく光は“未来の欠片”の映像だと考えるのが自然ですね。
実際のガラス玉は、⑨の画像のように光を放つことなく空へ飛んでいっているはずです。

ではなぜこのような光が見えたのかというと、二人が「流星群を見たい」と思ったからだと思います。
花火大会の日、透子と駆はお互いの事を「見たい」と思ったので“未来の欠片”の映像が見えたという会話が直前にありましたし、それ以外でも、透子が「見たい」と思った(願った)映像が見えたことはこれまで何度もありました。

二人は“未来の欠片”としての流星群を見たのではないかと思います。

【その他の登場人物の流星群】
この後のシーンの天気予報で、天気は曇りなので流星群は日本各地で観測できない可能性があると放送されています。


しかし、雪哉、やなぎ、幸、祐の4人と透子の家族はほぼ同じタイミングで空を見上げ、流星群を観測しています。


雲の隙間から降り注ぐ流星群が映るので、こちらは本物の流星群ですね。
こちらも、透子と駆の二人とは少し違いますが、「見たい」と願ったが故の流星群であるように感じます。


・透子「これからも、何があっても、未来の私が全部解決してくれますように」
→1話の神社での透子の台詞とほぼ同じだが、込められた意味は全く違う
→1話の時は、未来の映像を見る(先に知る)ことで何かが起こっても解決できるというある意味で他力本願な宣言だったが、ここでの発言にはこれから何が起こっても自分で解決できる(してみせる)という強い気持ちが表されている

・雪哉「お前…なんも変わらねーな……変わったのか?」
→笑顔で返す透子

→この透子の変化(成長)に雪哉が気付き、透子自身も自覚している

・幸「見えた」
→双眼鏡ですずめを見ての台詞だが、11話での「まだよく見えない」という台詞の続きになっている台詞
→幸の祐に対する理解がより進んだ結果。

→幸「わたし透子って名前好き、でも祐って名前も大好き」

→最初一羽だったすずめが最後に二羽になっていることからもそのことはよく分かる

・学校の敷地内で太陽を見上げた時に、駆「透子」という声を聞く
→これも透子が駆の声を聞きたいと思ったから聞こえた

・駆はどうなったのか

→明確にどうなったのかという描写は無いが、これまでの話の流れやテントの跡を見ると母親の海外での仕事に着いていったのではないかと思う
→『元々駆という人物は存在しなかった』や『家の中に住むようになった』という考察もよく見かけますが、やっぱり自分は海外に引っ越したと考えたくなりますね

③未来の欠片関連
・透子と駆:夜空を見上げて
空に上っていく七色の光(流星群)の映像
→上述した「見たい」と思った流星群の映像が見えたのだと思われる

・透子:学校の門から中に入った所で太陽を見上げた瞬間
駆「透子!」という声
→これも上述したように透子が駆の声を「聞きたい」と思ったから聞こえたのだと思われる



◎雪の演出について
まず、作中で雪が使われた場面をまとめてみます。

・8話の美術準備室
→砂浜で“未来の欠片”が見え錯乱したり、自宅のガラス工房の外でガラスが割れて自分に向かって飛んでくる“未来の欠片”の映像を見た後
→自分の身に何が起こっているのか、“未来の欠片”の映像とは何なのか不安と恐怖を感じている

・上記の後に駆に手を掴まれ、走って校庭に出た時
→駆にキスされる映像を見た直後だったので激しく動揺している

・10話で学校に入った瞬間とその後ずっと
→透子は言葉では「怖くない」と言っているが、8話での件があるので、心の奥では学校(美術準備室)に対し恐怖がまだ残っている

・11話で幸が祐に「まだよく見えない」と言った瞬間
→お互いに対する理解(一緒に過ごした時間)がまだ足りていないと実感した瞬間
→心の距離を多少なりとも感じている

・11話で幸と祐が一緒に山を降りている時(風雪)
→幸が「山降りたら、カゼミチに行きたい」と祐に言った直後、一吹きの風と共に雪が飛んでいく
→これまでのゆっくり降ってくる雪とは違い、吹き飛んでいくような演出

・11話でやなぎと雪哉が一緒にランニングしている時(風雪)
→日乃出橋にて、二人がランニングしている前方に直前の幸と祐のシーンのように、一吹きの風と共に雪が飛んでいく
→直後に雪哉は立ち止まり透子と話がしたいと言い、やなぎはカゼミチに行きたいと言う

・11話で透子が駆の家の演奏会中に窓の外の雪に気付いた瞬間、街中が冬の景色に
→これから起こる“未来の欠片”へ不安や怖さを多少なりとも感じている

・12話における駆の唐突の当たり前の孤独の世界
→駆がこれまで感じてきた孤独を経験している

以上が作中で雪が使われていた場面です。
こうして見ると『不安』『恐怖』『孤独』といった感情を表現している場面で雪の演出が使われていることが分かりますね。

11話での風に乗って雪が飛んでいく表現は、それらの感情が払拭されていることを表しているように感じます。
幸と祐、やなぎと雪哉は、それぞれお互いへの理解の足りなさからすれ違いが起こってしまっていましたが、それらが払拭され関係がさらに良くなり、これから前へ進んでいくということを表すためこのような表現になっている気がしますね。


◎未来の欠片とは何だったのか
未来の欠片に関しては、『今後起こる未来の映像(音)』だと視聴者共々勘違いさせられていたように思います。
『今後必ず起こること』だと思い込んだせいで、透子や駆は安心したり恐怖を感じたり、悪い意味で振り回される結果となってしまいました。

実際には、未来の欠片で見えていた映像や聞こえていた音は、その人が考えたことや強く思ったことの投影であり、必ずしも未来を先取りしたものというわけではありません。
そのため、見えていた映像と現実に若干の違いがあったり、そもそもそんな出来事が起こらなかったりといった差異が生まれていました。

楽観的に考えていることに関しては『良い映像(良い声)』として表れ、悲観的に考えていることにかんしては『悪い映像(悪い声)』として表れる。
その時の感情が投影されたものが未来の欠片として表れていたのだと思います。


◎グラスリップという作品についての感想
正直初めて見たときは分かったようで良く分かりませんでした。
しかし、こうやって雑にではありますが色々と考えて整理して理解しようとしていく内に、初見の時は気付けなかったことや勘違いしていた事なども浮き彫りになり、この作品への理解がどんどん深まっていったように感じます。
色々な方の考察記事などを読むことによって気付かされたことも多いです。

そうやって随所随所で立ち止まって色々と調べている姿というのは、幸の家で本を読んでいて分からない漢字があった時にスマホの辞書で調べていた祐みたいですね。
分からないこと、怪しいと思ったことを調べることによって理解が深まる。
表現方法なども含めて極めて文学的な作品だなぁと感じました。

見返すたびに新たな発見があり、まだ何か見落としているんじゃないか、もしかしてここの解釈は間違ってるんじゃないかと考えてもう一回見直して…
そういう面白さがこの作品にはあると思います。

あまり他のアニメにはないテイストの作品で、すんなり理解するのは難しいような表現も多いですが、そんな中でもしっかり描きたいものは描き切られており、西村監督が制作発表会で話していたような固定観念を打ち砕くような作品になっているのではないでしょうか。

すごく素敵な作品だったので、またP.A.と西村監督が組んだ作品がみたいですね。


◎最後に




凪あす大好きなんでこういうさりげない凪あす要素は嬉しい

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