平井たくやです。1月26日に召集された第189通常国会は、会期150日間に延長95日間を合わせて245日の戦後最長となる会期を実質的に終えました(会期末は9月27日)。今国会の最重要課題は、我が国の平和と安全に資する平和安全法制の成立であり、与党の一員として一定の責任を果たせたと思います。いうまでもなく、戦争を望んでいる日本人は一人もいません。誰もが平和を願っています。しかし、単に願うだけでは平和が実現できないという厳しい現実の前に、平和安全法制の制定は、まさに時代の要請でもありました。
この法案審議の最も重要な論点は、日本を取り巻く安全保障環境が著しく厳しさを増す中で、「いかにして日本を守るか」という事でした。しかし、残念なことは「戦争法案」とか「徴兵制」といったレッテル張りが先行し、不毛な議論が続いたことで法案への理解が深まらなかったことです。また、野党が法案の成立を阻止するためにとった「あらゆる手段」が、建設的な対案の提示や修正協議ではなく、採決を阻止するための委員長の軟禁や委員会での乱暴な振る舞いなど、正当性を欠いた行為ばかりだったことも残念でした。今後このような事態を招かないようにするためには、与野党が協力しながら質疑を充実させ、立法府の権威を守ることを最優先させるべきだという合意形成ではないかと思います。また、各種の世論調査でも法案への理解が十分に深まっていないのは明らかで、法案への不安が少なからずあるという現実を謙虚に受け止め、法律が施行されるまでに、さらにご理解をいただけるよう努めたいと思います。
また、昨日開催された両院議員総会で、安倍晋三自民党総裁の再選が正式に決まりました。その後の記者会見で、未来を見据えた新たな国づくりを進めるために「ニッポン1億総活躍プラン」を提唱、アベノミクス第2ステージとして「新3本の矢」を発表しました。まず、第1の矢は「経済最優先」で戦後最大の国民生活の豊かさに向け、GDP600兆円達成するための経済政策の実行。第2の矢として「子育て支援」を挙げ、希望出生率1.8を目指し、待機児童ゼロの実現や幼児教育の無償化の拡大、多子世帯への重点的な支援など抜本的な子育て支援政策の見直しを打ち出しました。更に、第3の矢は「安心につながる社会保障」を実現するために、介護施設の整備や介護人材の育成、在宅介護の負担軽減など仕事と介護が両立できる社会の実現へ向けての総合的な政策と意欲ある高齢者が活躍できる「生涯現役社会」の実現などが主な内容です。
更に、依存人口比率が極めて高い日本では、生産年齢人口の拡大と生産性の向上が「地方創生」には不可欠で、そのためには「元気で長生き」できる社会基盤を構築しなければなりません。現在香川県でも「健康長寿の産業化」を新たな地方創生のキーワードに様々な施策を準備していますが、人口減少や少子高齢化という現実から目を背けることなく、むしろ社会環境の変化を前向きに捉える新しい政策が必要だと考えます。これからも具体的な政策課題をひとつひとつクリアして、論より実行を旨とし、政治家として全力を尽くします。