サッカーはかば出張版

ハリルホジッチ氏解任論と現状 その5

2018/03/14 23:30 投稿

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⑤ハリルホジッチの戦術に見られる攻撃と守備


守備について。

就任時から一貫して4バック。(4-2-3-1)2ボランチか(4-3-3のオーガナイズ)アンカーを置く形式で試合時間、または指示によって前線からプレスをかけていきます。

ボールが相手に渡った際は、パスコースを塞ぐかたちでポジションを取りながら、ボールの移動とともに、一人または複数人でチェック(プレス)。できるだけ高いラインでボールを奪うような指示が出されています。その為、中盤には豊富な運動量が求められます。


形式的にはゾーンプレス、プレスディフェンスに該当します。高さ対策(ロングボール対策)はせず、個人頼り(主に吉田)になっています。記憶に新しいものといえば、フランス(リール)で行われた親善試合ブラジル戦にて、ハリルホジッチ就任後初めてブロックを作る守備陣形を取ったことはメディアでも随分紹介されました。


攻撃について。

ボール保持時、前への動きに合わせてできる限り早く前へ運ぶような戦術。

パスサッカーではない為、三角やダイヤモンドの布陣は取らず、前への動き出しや決まり事に呼応してパスを繋いでいく。その為、相手の守備人数の関係上、前へ動き出しやすくボールを前へ運びやすいサイドに攻撃の比重があります。相手が引いて守る場合、サイドバックに高い位置を取らせることがありますが、基本的にサイドバックの積極的な攻撃参加を推奨しているもようです。大きなサイドチェンジを頻繁に行うような指示はだされておらず、サイドチェンジは基本的にDFラインで行います。ショートカウンター主体の為、ロングボールなどの戦術は基本的にとりません。


上記の傾向から(4-2-3-14-3-3のオーガナイズどちらともですが)WGの得点力とアシスト能力が勝敗を分けることになります。ただ、WGは高い位置でのボール奪取という作戦上、守備時にも奔走しなければならず消耗が激しくなってしまい、ここ一番でスタミナや強度がなくなってしまうケースが多々見受けられます。(余談ですが、W杯予選時のハリルホジッチの選手交代は、90%以上WGです)またサイドバックが上がることが多いことから守備のバランス(アンカーやボランチが守備へ回る、逆サイドのSBがしっかりとDFラインまで戻り切る、アンカーやボランチがDFラインに一時的に参加など)が取れていないと相手カウンターに対する危険度が一気に上昇します。戦術上の難点としては、中盤に攻守ともに豊富な運動量が常に求められるため、中盤の選手の出来次第で試合展開が大きく変動してしまうところです。


さかんに報道されてきた内容としては、対人で競り勝てる高いアジリティという話があります。守備時での競り合いはさることながら、前線でのボール奪取が戦術の肝となっている以上、アジリティの部分で強さを発揮できないと途端に戦術が破綻してしまいます。常に対人の強さや高いアジリティに関して、ハリルホジッチ氏自ら何度もメディアに対して公言しているのはそういった側面があるからです。


しかし現状、試合を通してそれが実感できるケースはほとんど稀です。またショートカウンターを狙う戦術にもかかわらず、引いて守るような戦術ではない相手に対して得点している場面は数え切れるほどです。それは連携面、前線の消耗度、そして決定力などの影響が大きく関係しているとはいえ、目に見える成果(得点力の向上)というかたちには未だ至っていません。



ここまで考察を続けてきましたが、現在のこの戦術はシンプルでとてもわかりやすいものです。特にリーグ戦の合間に行われるW杯予選などでは、各国に散らばってしまっている選手の連携が容易に深められないという状況を鑑みれば、最善のプランであったのかもしません。そういった面から考えますと、これから本番までに親善試合など通してチームとしての完成度を高められる可能性が十分にあるともいえます。しかし、逆にいえば完成度をこれ以上高められなければ結果は期待できず、またほかの戦術のオプションが(今のところ)ないことを鑑みた場合、安易に希望を抱けるような状況でもないと言わざるをえません。


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