サッカーはかば出張版

ハリルホジッチ氏解任論と現状 その2

2018/03/02 08:18 投稿

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②監督の意義


団体スポーツの中で試合中の監督の役割は競技によって様々ですが、その采配が直接結果に結び付く可能性の割合が大きいものをあえて順位付けするならば、サッカーという競技は十分に上位に食い込んでくると思われます。

これは私見ですが、その割合の最上位にくる競技は野球であると思われます。

野球の場合、監督による指示のもと1球という小単位で選手が行動する場面が多く、監督の采配如何で試合が決定しまう場合も多いため、監督の交代で劇的に成績が変化することが多分にあります。


では、サッカーはどうかというと野球のように1球ごとに采配ができるわけではありませんが、野球よりも監督個人の色(戦術や人間性)が体現しやすい競技です。

フォーメーションの決定、個々の選手の役割など試合中でも指示を出し変更することも可能であり、また選手の役割が明確な分選手交代のタイミング、どの選手を投入するかによって勝敗が左右されてしまうケースもあります。

こうしてみると、サッカーにおいても監督の役割というものは比較的大きなものであり、監督交代という選択肢が直接結果に繋がることもしばしば見受けられます。


2017-2018シーズンだけでみると、もっとも顕著な例としてドイツブンデスリーガ、バイエルンミュンヘンが挙げられます。前レアルマドリード監督でもあった名将カルロ・アンチェロッティ氏が2016年から指揮を執りその年のリーガを制覇しました。(但し、カップ戦の敗戦やCLでの8位という成績に疑念を持たれていましました)2017年第3節ホッフェンハイム戦に完敗し、CLでパリサンジェルマン(以下PSG)に0-3で敗れたのち解任されました。


その後、かつて同チームで2012-2013シーズン圧倒的な成績で3冠(CL,ブンデスリーガ、ドイツカップ)を成し遂げたハインケス氏が就任しました。3冠制覇時の主力メンバー(ロッベン、リベリー、ミュラー、ボアテング、アラバ等)が残っていたこともありますが、前監督時の守備力の低下を改善しCLは勝ち点差でPSGに並び、リーガでは他チームが共倒れを起こしているとはいえ10ポイント以上差の単独首位。カップ戦も昨年のリーガ2位ライプツィヒ、香川所属のドルトムントを破り、順当に勝ち上がっています。

前監督と現監督の試合を観戦した私の感想では、前監督時では中盤の守備がどうしても緩く試合中に危機的状況に陥る場面が何度も見受けられる傾向にあり、特にボールを高い位置でカットされてしまうとその緩さからあっさりと失点に繋がってしまい、そのまま先制されてしまう展開になると試合を作れない状況にありました。

ですが、現監督ではしっかりとローテーションしながらも守備を修正し、長らく不振が続いたトーマス・ミュラーの復調も現監督の功績の一つだと思われます。また開幕はスタメンから外されていたハメス・ロドリゲスを、うまくチームに組み込ませた点も評価される点だと思われます。


リーガエスパニョールで好調を維持している名門バレンシアCFも今期からの新監督によって大きく変貌を遂げたチームのひとつです。前期は2015-2016途中から指揮を執っていましましたパコ・アジェスタラン監督のもと開幕4連敗。チェーザレ・ブランデッリ監督をシーズン途中で招聘しレアルマドリードに勝利するなどしましたが、343分という結果により解任されました。今期から前ビジャレアル(八百長疑惑で解任)のマルセリーノ・ガルシア・トラルが就任。開幕直後の2節レアル・マドリー、3節アトレティコ・マドリー、そして13節バルセロナと引き分けを演じるなど、攻守両面において立て直しに成功しています。


他の例として、セリエAで今期就任しましたルチアーノ・スパレッティ(前ローマ監督)のインテルミラノが挙げられます。前シーズンで3人の監督交代がありながらも修正ができなかった守備を、中盤とCBの補強(シュクリニアル、ベシーノ、バレロ)を最大限に生かすことで改善。元から攻撃的なスタいますで知られるスパレッティ氏によって攻撃にもさらに磨きがかけられ、一時は単独首位にまで躍り出た。


失敗例の方はオランダ人監督の二人。

前期ELにて準優勝を果たし今期ブンデスリーガ初挑戦、ドルトムントの監督に就任したピーター・ボス。開幕直後は前期の下位チームとの対戦が続いたこともあり9節まで首位を走っていましましたが、CLグループリーグではスパーズ、レアルに完敗。アポエルには2試合ともドローという散々な結果に。リーグにおいても徐々に対策がなされ上位との対戦が続いたシーズン途中、攻撃は噛み合わず守備も崩壊し36敗という結果の末解任されました。

同じく前インテル監督のフランク・デ・ブールが今期イングランドプレミアリーグ初挑戦、クリスタルパレスの監督に就任。しかし、カップ戦で1勝はあげたもののリーグ開幕4試合未勝利という結果でプレミア史上最短の監督交代劇となりました。



こうしてみるとやはりそのリーグに精通している人物であれば就任初年度でも結果を残す可能性が高いことが窺えます。逆にいえば、初めてそのリーグで指揮を執る場合において短期間で結果を残すのは相当難しいということがわかります。これはクラブチームだけではなく代表チームにおいても同じであり、クラブチームと違い期間のわりに試合数が少なく情報収集や準備期間もその都度用意されている代表チームの方がは比較的立て直すことが可能と思われます。

                                 

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