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【早川書房】第2回アガサ・クリスティー賞受賞作『カンパニュラの銀翼』★vol.157

2012/11/02 10:18 投稿

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┃ハヤカワ・オンライン・ニュース【新刊案内&刊行予告】2012.10.30/vol.157
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┃ あなたが本を読むことによって世界は広がり
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【美青年たちにまつわる深い因縁とは?】
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 第2回アガサ・クリスティー賞受賞作ついに刊行『カンパニュラの銀翼』
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「ミステリの女王」クリスティーの名を冠した賞にふさわしい、威風堂々とした、荘厳美麗なミステリ大作が受賞作として刊行されました。472頁の厚みのある本書には、様々なジャンルの面白みがぎゅっと濃縮されています。
 まずは、どのように評価されたのかをご覧ください(選評抜粋)。


「知的でスタイリッシュな大型エンターテインメントで、早川書房から世に送り出す作品として、まことにふさわしい。才気にあふれた作者の今後に期待するところも大である」有栖川有栖(作家)

「なによりもいいのは、小説を読むことの愉しさがあふれていることだろう。これがいちばん素晴らしい」北上次郎(文芸評論家)

「本作は、論理学や神学をベースに、ファンタジー、SF、幻想文学、冒険小説の要素をも兼ね備えた、一般的なミステリの枠に収まらないエンターテインメントである」鴻巣友季子(翻訳家)

「圧倒的な情報量と緻密な筆致で構成された恐るべき奇想である」《ミステリマガジン》編集長・小塚麻衣子


 このように高い評価を受け、刊行のはこびとなりました。

 カバーイラストの、白い美青年(左側)が貴公子シグモンドで、黒い美青年(右側)が実験心理学者のオーグスト。しかし、なぜかシグモンドはオーグストのことを「ベネディック」と別の名で呼び、「私の客に手を出すな」と謎めいた言葉をはきます。二人にはあまりにも深くあまりにも濃い因縁が隠されており……。彼らが周囲を巻き込んでゆく先の読めない展開は、ミステリの魅力に溢れています。
 そして物語に登場するある一族の禁忌の人間関係は幻想味がたゆたっていますし、血のつながらない兄妹が支え合う姿は家族小説の感動に満ちています。
 様々な角度から本書をどうぞお楽しみください。

『カンパニュラの銀翼』 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xl/


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 ビジュアルな日々──目玉がヨロコぶ本を探して
 第2日 木の写真に萌える『地球のすばらしい樹木たち』
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 これだけテレビや雑誌なんかで、癒し癒しって連呼されると、みなさん癒しを求めてらっしゃるんだなあと思います。
 南の島なんかに行ってリフレッシュする癒しもあれば、美しい絵画とかを見て得られる精神的な癒しなんかもあったりするように、求められる癒しもさまざまで、いろいろ疲れとんのやなあ現代人。

 わたくしも、スケジュールがきつきつになっててヤッベと思っていたらそれをさらにしくじってしまっていくらなんでもそんな言い方は人としてどうかと思うぐらいまで怒られたりした週は、誰もボクのことを知らない国に行ってしまいたい、と考えたりしなくはありませんが、だいたい酒を飲んで忘れることにしています。酒=癒しです。なるべくかんたんなほうがいいのです。
 遠いところに行ったりあれこれ手順を踏んだりする必要のある癒しは、それ自体がストレスになってわたくしにはとても実行できませんのです。

 わたくしが、木というものを見てその形状や大きさによって、案外幸せなキモチになるものなのだと気づいたのは、マダガスカルのバオバブ・アベニューの映像をテレビで見たときでした。
 今やけっこう有名だと思うんですが、バオバブの木って、枝のないぶっとい幹がずどんとかなりの上空まで伸びていて、そのてっぺんから線香花火の火花が逆さに飛んだように枝が放射状に細かく枝分かれしていってるという、でかいうえにそうとう変な木なんです。
 これが道路脇の並木として何本も生えている映像は衝撃で、いったいこの変な木は何なんだ? この妙な景色は果たして地球上のものなのか? と映像に引き込まれ、その瞬間は、結局はお前の準備不足でしくじったのにアタシに責任を押しつけるんじゃねえという同僚への呪詛も、確かにこっちのミスもあるけどそんな人でなしみたいに罵ることはねえだだろうがという上司への怨嗟もすっかり忘れることができたのです。これは一種の癒し効果と言えるのではないでしょうか。

 ここで、あわてものは、では実際にマダガスカル島に行ってこの実景を見てこようなどと考えたりするのですが、現地に行ったところで、通じない言葉やお湯の出ないシャワーや虫だらけの夜に行き当たってストレスを
溜めるだけでさっぱり癒しにはならないことのほうが多いですから冷静になりましょう。
 わたくしは、トマス・パケナムさんの『地球のすばらしい樹木たち』を開くことにしております。4200円と本としては高額な部類です。しかしバオバブ・アベニューはもちろん、世界中のとてつもなくでかくて変な木の写真が、どっさり載っていて、全部ほんとうに見にいったら4200円では足りません。
 実物じゃない、などとほざくかたたちは、想像力が不足しておられます。
 ここに収められた写真から、ヘビのごとく四方八方に枝を伸ばしたオークの葉擦れの音を、幹から枝まで一面を苔におおわれたカエデの質感を、バオバブ・アベニューに吹く砂混じりの熱風を、わたくしは感じることができます。そういう想像をしながら飲む酒がまたたまりません。

 日本の木もいくつか紹介されているんですが、どこに生えてる木なのか確認しておりません。なぜならわたくしは説明文をちゃんと読んでいないからです。勝手に想像するので読まなくても問題ないのです。いずれ読むと
思うのですが、それはたぶん老後でしょう。
 そういうテキトーな読み方を許してくれるフトコロの深い本なんです。

『地球のすばらしい樹木たち──巨樹・奇樹・神木』
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02y4/


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◆10月下旬の新刊(発売中)
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【単行本】
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●『カンパニュラの銀翼』中里 友香 1,890円
アンドリューという男の替え玉として生きるエリオットは、美しき男シグモンドと出逢い、人知を越えた世界へと……。宿命、因縁、濃い血統。純粋美と精巧知に彩られためくるめく生と死の浪漫物語。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xl/
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●『世界しあわせ紀行』エリック・ワイナ― 2,415円
麻薬も売春も合法なオランダ、貧しくとも懐の深いブータン、石油マネー大盤振る舞いのカタール。果たして一番幸せなのは? 世界一幸福な国を求めて10カ国を巡るユーモラスな全米ベストセラー!
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xm/
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●『なぜ、あの人がリーダーなのか?──科学的リーダーシップ論』
  マルク・ファン・フフト&アンジャナ・アフジャ 2,100円
なぜ中間管理職は人気がないのか、リーダーの贅沢に腹が立つのはなぜかといった疑問から、人がリーダーとフォロワーに分かれる理由までを、進化論などを用いて科学的に説く初のリーダーシップ論。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xn/
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●『ポケット・ワイン・ブック 第9版』ヒュー・ジョンソン 4,935円
〈ハヤカワ・ワインブック〉
世界で最も多く読まれているワイン愛好家必携の書。
旬のワイナリー、飲み頃、収穫年などを当代随一の評論家が
わかりやすく紹介する。待望の第9版では大幅改稿のうえ、
お勧めワインリストも充実。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xo/
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【文庫】
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●SF『怪物とアフィリカー』
  クルト・マール&ウィリアム・フォルツ 609円
〈宇宙英雄ローダン・シリーズ435〉テラナーは、《バジス》の乗員をつぎつぎに殺す怪物ダルギストを罠にかけようとした!
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xp/
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●SF『剣嵐の大地 (上)(中)(下)』
  ジョージ・R・R・マーティン 各1,365円
〈氷と炎の歌 3〉『七王国』『王狼』に続き、ローカス賞連続受賞に輝く至高の異世界戦史、待望の第3部。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xq/
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xr/
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xs/
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●JA『この空のまもり』芝村 裕吏 714円
引きこもりのニートは日本を護る架空防衛大臣だった。カリスマゲーム作家の近未来SF。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xt/
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●NV『黒衣の女──ある亡霊の物語〔新装版〕』スーザン・ヒル 714円
〈映画化 12月1日全国公開!
「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフ主演〉
沼地に孤立した館で遺産整理にあたる青年を襲う恐怖。英国伝統のゴースト・ストーリーに新たな光をあてた傑作が、映画化を機に新装版で登場。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/02xu/
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◆これから出る本(11月上中旬予定)
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【単行本】
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●『高慢と偏見、そして殺人』P・D・ジェイムズ 1,890円
ダーシーとエリザベスが結婚して暮らすペンバリー館で突如殺人事件が起きた。事件は一族の人々を巻き込み、波乱の法廷へ!ジェーン・オースティンの名作の続篇にミステリの巨匠が挑んだ意欲作。
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●『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ (上)(下)』
  E L ジェイムズ 各1,470円
女子大生のアナは、巨大企業の若きCEOグレイに一目合った瞬間、人生初めての激しい恋に落ちた。
しかし、彼には背徳にまみれた秘密が……。全世界6300万部超のスーパー・ベストセラー!
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【文庫】
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●SF『影の世界』ウィリアム・フォルツ&ハンス・クナイフェル 609円
〈宇宙英雄ローダン・シリーズ436〉招聘されし者プロンドフェアは、侵入した神殿の地下で神官たちに追いかけられていた!
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●SF『月面の聖戦 3──永遠の正義』ジャック・キャンベル 924円
〈戦争SF3部作完結篇〉難関を突破しながら月面コロニーを死守するスタークの前に、恐るべき兵士の一団が……。
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●JA『華竜の宮(上)(下)』上田 早夕里 各777円
滅亡を前に、人類はどう生きるべきか?ベストSF2010第1位、日本SF大賞受賞
新世代日本SFの金字塔、ついに文庫化。地殻変動で陸地がほぼ水没しても人類は武器を捨てなかった。
さらなる絶望的な環境激変は、この星のすべての命に対して決断を迫る。
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●JA『猫は忘れない』東 直己 798円
映画「探偵はBARにいる」が大ヒット!超人気ススキノ探偵シリーズ最新刊、文庫化!
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●NV『永遠の夜(上)(下)』
  ギレルモ・デル・トロ&チャック・ホーガン 各840円
〈ストレイン・シリーズ感動の完結篇〉街が闇に支配され2年がすぎた。イーフらは古文書の謎を解読し、吸血鬼に戦いを挑む!
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●NF『不可能、不確定、不完全──「できない」を証明する数学の力』
  ジェイムズ・D・スタイン 987円
〈サイエンスの最先端を、日常に近づける〈数理を愉しむ〉シリーズ最新刊!〉
“できない”ことの証明が豊かな成果を産む──予備知識なしで数学の神秘に触れる一冊。
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●NF『物質のすべては光──現代物理学が明かす、力と質量の起源』
  フランク・ウィルチェック 987円
〈〈数理を愉しむ〉シリーズ〉
物質の大半は質量0の粒子から出来ている!? 素粒子物理の最新理論をユーモラスに語る。
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●HM『春嵐』ロバート・B・パーカー 987円
〈スペンサー・シリーズ最終作巨匠の遺作、文庫化〉
人気映画スターの部屋で若い女性が変死。事故を主張するスター側の依頼で真相解明に乗り出すスペンサーはその過程で一人の青年と出会う。シリーズ掉尾を飾る傑作。
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◆これから出る本(11月下旬予定)
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【単行本】
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●『元素をめぐる美と驚き──周期表に秘められた物語』
  ヒュー・オールダシー=ウィリアムズ 2,940円
周期表に居並ぶ元素は、科学の輝かしい成果のショーケースであると同時に、美術や歴史といった文化に印象的な足跡を残している。練達の科学作家による、元素が秘める/元素の秘められた物語。
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●『ファスト&スロー(上)(下) ──あなたの意思はどのように決まるか?』
  ダニエル・カーネマン 各2,205円
我々の直感は間違ってばかり? 意識はさほど我々の意思決定に影響をおよぼしていない? 伝統的人間観を覆す、ノーベル経済学賞受賞者カーネマンの代表的著作。今年度最高のノンフィクション。
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●『over the edge』堂場 瞬一 1,785円
〈ハヤカワ・ミステリワールド〉ニューヨーク市警のブラウンは失踪した旧友を探すため日本を訪れた。だが調査開始直後、何者かに襲われて、探偵の濱崎に助けられる。反発し合いながらも即席コンビを組んだ二人に敵の魔手が迫る。
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【文庫】
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●SF『ヴェルガースペアの監視者』H・G・フランシス 609円
〈宇宙英雄ローダン・シリーズ437〉
衛星スタルショにやってきたプロンドフェアは、神官に尾行されていることに気づくが!?
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●JA『宇宙軍士官学校―前哨(スカウト)― 2』鷹見 一幸 630円
練習戦艦アルケミスに搭乗した士官候補生たちを待ち受けていた思いもかけぬ試練とは!?
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●NV『宙(そら)の地図(上)(下)』フェリクス・J・パルマ 各945円
〈大反響を巻き起こした『時の地図』の続篇   驚愕と興奮の仕掛けに満ちた傑作〉
19世紀末、圧倒的な力を持つ異星人がロンドンを攻撃、支配下に置いた。苦しむ市民を救うため
作家H・G・ウエルズが立ち上がる!
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