Vol.167
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          『そこそこ週刊・畠山理仁』

        ハイパーメディア無職リターンズ(3)

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●エキストラというお仕事
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「午前8時20分に地下鉄白金台駅1番出口集合です。時間厳守でお願いします。仕事の内容はドラマのエキストラです」
 私は仕事を探していた。
 今年に入り、ライターとしての仕事をほとんどまともにできていない。取材には出かけるものの、交通費はすべて自腹。取材をしても成果を発表する媒体がなかなか見つからず、原稿料収入は満足に得られていなかった。
 そこで私はツイッターなどで、テープ起こしや対談のまとめ、ペットの散歩など、幅広く仕事を募集した。私がツイッターで書くとリツイートしてくれるフォロワーがたくさんいた。とても嬉しく、勇気づけられた。しかし、残念ながら実際の仕事にはなかなか結びつかない。
 そんな中、「謝礼をお支払いするので福島の事情を個人的にレクチャーしてほしい」といって汗の滲んだ福沢諭吉を渡してくれた方や、ペットのお世話の仕事を振ってくれる友人もいた。どれもありがたい話だからすべてお受けした。
 しかし、それでも取材費や生活費を賄うことは難しい。私は仕事があればなんでもやろうと決めていた。