『そこそこ週刊・畠山理仁』

Vol.236 ネット社会の病が現実社会を覆い始めた日本

2018/10/28 03:00 投稿

  • タグ:
  • 安田純平
  • イラク
  • シリア
  • 自己責任
Vol.236
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

          『そこそこ週刊・畠山理仁』

       ネット社会の病が現実社会を覆い始めた日本

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●安田純平さんへの「自己責任」バッシング
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 2003年、私はフセイン政権下のイラクを訪ねた。その時の話はこれまでも折に触れて書いてきた。まだ戦争は始まっていなかった。それでも開戦直前のイラクを訪れて自分の目で見てきたことは、今も強烈に記憶に残っている。

 当時のイラクはフセイン大統領の独裁政権が続く監視社会だった。日本からイラク国内に入るためにはビザが必要だった。国内には秘密警察が本当にいた。写真を撮影することも、時と場合によっては「スパイ行為」とみなされる可能性があった。

 私は戦争が始まる前に、後ろ髪を引かれる思いでイラクを後にした。

 戦争が実際に始まると、バグダッドで一緒だった日本人ジャーナリスト・遠藤盛章さんがイラク国内で秘密警察に拘束された。遠藤さんはローカルな路線バスに乗っていた時に空爆に遭い、その様子を撮影したことで9日間拘束された。イラクはそんな空気の場所だった。

 私がまだイラクにいた時、現地で私のガイドを務めてくれたタクシーの運転手は、周りにイラク人が誰もいないことを確認してから私にこう言った。

「良いところも悪いところも全部撮ってくれ。これがイラクだと伝えてくれ」 

ここから先は有料になります

ニコニコポイントで購入する

チャンネルに入会して購読する

  • この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

畠山理仁チャンネル

畠山理仁チャンネル

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細