[完全俺得]「踊ってみた」を語ってみた

第1回 踊ってみた動画の現状とその分析

2013/02/01 18:49 投稿

  • タグ:
  • 踊ってみた
  • 完全俺得
  • もっと評価されるべき
  • ランキング
  • 語ってみた
はじめに
右の説明欄にも書いたとおり、本論考では筆者が女性の踊り手の動画紹介動画を作っている最中にいろいろと考えたことを何回かに分けて書いていくつもりである。初回となる今回は、そもそも踊ってみたカテゴリは現在ニコ動においてどのような位置を占めているのか、またそこに投稿される動画は普段どのくらいの人々に見られているのかなどを調査し、870万本以上あるニコ動の動画の中での踊ってみた動画の相対的な位置づけとその特徴を明らかにしていきたい。さらにそのカテゴリにおいて、人気踊り手による動画と平均的な踊ってみた動画にはどのような違いがあるのかということも明らかにしていきたい。こうすることによって、次回以降論じていく踊ってみた動画の投稿者をめぐる動画投稿環境がよりいっそう明確になり、その意味を解釈する際の一助になると思われるからである。また以下の論考においては、MMD動画は踊ってみたタグがつけられているもののジャンルが異なるので論考対象から除外する。さらにテレビやYouTubeからの転載動画もニコ動オリジナルではないため論考の対象としない。また以下に言及する踊り手やその他の人物への敬称はすべて省略することを了承されたい。

データに見る踊ってみたカテゴリの現状
「踊ってみた」は2007年5月というニコ動黎明期にカテゴリタグとして設定された、ニコ動の中でも古いカテゴリのひとつだが、投稿された動画数そのものはニコ動全体から見るとさほど多くはない。2013年1月末の時点で踊ってみたカテゴリ内の動画は8万本ほどしかなく(MMD動画を含む)、ニコ動の全動画における割合は1%にも満たない。また再生数も決して多くはない。100万再生を超えるいわゆるミリオン動画は、ミリオン動画でデータ集計をしてみたのデータを元に数えたところ、踊ってみたカテゴリでは1月末の時点で25作品しかない(MMD動画を除く。ニコ動全体では1/27時点で1323作品ある)。また総合ランキングのページにて各自で確認してもらえばすぐわかることだが、全体(いわゆるカテゴリ合算)の月刊・週間ランキング100位以内に踊ってみた動画が登場することはほとんどない。これは1週間または1ヶ月の間にランキングするための最低限の再生数である10万回に届く動画がほとんどないことを意味している。同24時間や毎時ランキングには瞬間的に1,2作品入ることがあるが、多くの場合はアニメOPの実写化パロディ動画(某水泳部動画鎖音プロジェクトによる動画)など完全なネタ動画またはアニメクラスタをもその視聴者層に取り込んだ動画ばかりである。サブカテゴリであるエンタメ・音楽カテゴリ内での月間・週間ランキングにおいてはそれが3,4本に増えるが、Vocaloidや歌ってみたなどの他のカテゴリに圧倒されていることには変わりない。月間カテランで昨年4月のカテゴリ再編以降の踊ってみたカテゴリの順位の変遷を見てみても、全30カテゴリの中で常に10位から17位の間をうろうろしているような感じである。踊ってみたはニコ動の中ではダンマスのようなカテゴリ専用のイベントまであるので人気カテゴリのひとつだと一見思われがちだが、実際には特にメジャーでもマイナーでもなく、中程度に人気のあるカテゴリだと言える。

踊ってみた動画再生数の実態
だがそれほど人気があるカテゴリではない、すなわち視聴者や投稿者がそれほど多くはいないということは、視聴者・投稿者双方にとって必ずしも悪いことではない。全体の母数が少ないため、再生数が200回ちょっとでも踊ってみたカテゴリの24時間ランキング100位以内に十分入ることができるからだ。同毎時ランキングにいたっては、再生数が20回もあれば入ることさえある。つまり踊ってみたカテゴリでは瞬間的ではあってもかなりの確率で投稿した動画がランキングに表示されるため、見知らぬ多くの視聴者の目に触れる機会が投稿者に約束されているのである。これは逆に言えば1日に投稿される踊ってみた動画がそれほど多くないことでもある。ドキドキしたPによる最新のデータ分析(上図)によると、1/15の時点で踊ってみたカテゴリへの1日の平均推定動画投稿数はおよそ75である(MMD動画を含む。詳しくは下記の注を参照のこと)。同じパフォーマンス系の歌ってみた動画の1日の平均推定投稿動画数が484であることを考えれば、せっかく投稿した動画が誰にも気づかれずに陽の目を見ることもない可能性は遥かに低いと言えるだろう。では実際のところ、踊ってみた動画は平均してどのくらいの人々に見られているのだろうか?上の表にあるように1,100が全体の中央値にあたるので、これが平均的な踊ってみた動画の再生数ということになる。つまり投稿される踊ってみた動画の半数弱は再生数1,000回、いわゆる「1,000の壁」を超えることができないのだ。また10,000回を越えるのは上位10数%のみである。ただこれも投稿動画の半数が再生数250を切っている歌ってみたカテゴリの動画群と比べてみれば、ひとつひとつの動画はより多くのユーザーに見られていると言える。

注)MMD Pickupランキングによると、MMD動画投稿数はMMD杯などのイベントの有無にも大きく左右されるがここ最近は1日に130~180の間ぐらい、平均して160くらい投稿されているようである。MMD作品はジャンルオーバー的に投稿されるので、そのうちどのくらいの割合が踊ってみたカテゴリに投稿されているのかはわからないが、踊ってみたカテゴリの毎時・24時間ランキング100位以内で目にするMMD動画は通常4~5個程度なので、思われているほど多くはないようである。MMDは本来初音ミクを踊らせるソフトであるが、MMD動画の多くは現在では東方や「その他」カテゴリなどに投稿されており、ある程度の棲み分けができているようである。

以上の分析から現在の踊ってみたカテゴリのニコ動全体における位置とそのカテゴリに投稿される平均的な動画の再生回数がなんとなくイメージできたかと思う。このような動画投稿環境の中で踊り手は自らが踊った動画を投稿しているということになる。

次回はニコ動における動画投稿環境について語るときにどうしても避けて通れない問題、すなわちクリエイター奨励プログラムの意義ついて考えてみたい。

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事