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東方SS 狼と楓8

2013/04/01 18:24 投稿

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楓、椛、にとりの三人が山を登り始めて数時間。ついに目的地の守矢神社周辺にたどり着いた。

「あ、鳥居だ。あれが守矢神社?」

上の方に見えた赤い鳥居を見て、楓がほかの二人に尋ねた。答えたのは椛だ。

「うん、そうだよ。あそこの神社が守矢神社。二柱の神様と、現人神(あらひとがみ)の巫女さんがいるところ」
「いる? 祀ってるとかじゃ無くて?」

楓の言葉ににとりがクスっと笑う。

「ここは幻想郷だからね。神様本人たちが神社に住んでるんだ」
「凄いなぁ。どんな人達・・・いや、神様たち何ですか?」
「ヘビとカエル、腋巫女」
「え?」

思わず聞き返す楓。椛が、「そんな言い方じゃ分からないでしょ」と言って、楓に言う。

「会ってみれば分かるよ。神様とは言っても気さくな人たちだから、気軽に話せるよ」
「へ、へぇ・・・」
(気さくな神様・・・それでも敬語ぐらいは使うべきか)

坂を登り切って、三人で鳥居をくぐる。鳥居の先は広い境内。石畳の脇には手洗い場があり、柄杓がたくさん並んでいる。石畳に沿って進んだ先には絵馬を掛ける柵があるが、絵馬は数えるほどしか掛かっていない。こんな山奥じゃ仕方ないか。
そして、境内の奥、鳥居の正面には本殿がある。大きな建物に、きらびやかな装飾。入り口の前には賽銭箱が置いてあり、お参りの際に鳴らす鈴が吊るされている。

「ここが・・・幻想郷の神社・・・外とあまり変わらないんだ」
「ここは余計にね。1年ぐらいまえに外から引っ越してきた神社だから」

にとりの言葉に、楓は驚きの声を上げた。

「引越し!? 神社が!? っていうか外からって・・・そうか、外にも神様はちゃんといるんだな・・・」
「人間たちの信仰心が無くなってきたから、力が無くなる前に何とかしようとして引っ越してきたらしいよ。まあ、こっちに来てから集まってる信仰のほとんどは妖怪からのものらしいけど」

この神社についての軽い説明を受けながら、歩いて本殿の前に。椛とにとりはそのまま中に入っていこうとしたが、それを楓が引き止める。

「神社なんだからお参りぐらいしておこうよ。神様が住んでる神社なら、そこらの神社よりはご利益がありそうだしね」

楓はそう言いながら、ポケットから財布を取り出し、5円玉を賽銭箱にいれる。

「ええっと。2礼2拍手からだっけ? あ、先にこれ鳴らさないと・・・」

そう言いながら楓は、ぶら下がっている縄を揺らし、上の鈴をジャランジャランと大きく鳴らす。そして手を離し、礼をしようとしたその時。奥の方からガタッ!ガシャン!という音が聞こえた。

「うわっ! なに!? なんか間違えた!?」

思わず上ずった声でそういう楓を尻目に、この後起こることを予想した椛とにとりは、ため息を吐きながら本殿の入り口から離れる。そのすぐ後、何かが走ってくる音が奥から迫ってきた。そして、本殿のふすまが左右に開かれ、一人の少女が現れた。


「こんにちは! お参りは終わりましたか! ついでにお守り買いませんか! いまならお買い得80%OFF・・・って、なんだ・・・椛さんとにとりさんですか」


突然出てきた少女は、緑の長い髪にヘビとカエルをかたどった髪留めを付けており、着ているのは青を使った巫女服。長袖なのになぜか脇の部分が無く、袖と服が分かれているようにも見える。
その少女は入り口近くにいた椛とにとりを見て、ため息を吐いた。それを見てにとりが皮肉を飛ばす。

「私達で悪かったね。っていうかお守りを値引きしてどうすんの? 無駄に値引き率高いし」
「それより鈴を鳴らしたのはどなたですか? あなた達が鳴らすとは思えないんですが」

にとりの突っ込みを無視して、境内を見渡す少女。すぐに賽銭箱の前にいる楓を見つけ、目を輝かせながら近くに走ってくる。

「こんにちは! ここへの参拝は初めてですよね? 守矢神社へ対する信仰、よろしくお願いします!」

勢い良く話す少女に押され、何も言えずにいる楓。すると少女は、楓の服装が幻想郷のものでは無いことに気づいた。

「あ! もしかして外来人の方ですか? 実はこの神社も1年ほど前に外から越してきたんですよー。なんか親近感湧きますよねー。困ったことがあったらいつでも訪ねてきてください」
「早苗(さなえ)。そんなにまくし立てたら楓が喋れないよ」

椛が発した言葉で、少女は自分が一方的に喋っていたことに気づき、慌てて謝り始めた。

「す、すいません。私ばっかり。 えっと、楓さんで良いですよね? 私は東風谷早苗(こちや さなえ)です。よろしくお願いします」
「え? あ、うん。よろしくお願いします、早苗さん」

ようやく落ち着き、挨拶を済ます楓と早苗。早苗は本殿のふすまの前まで戻って楓たちを振り返る。

「折角ですから、お茶でも飲みませんか? 外が今どうなってるかも聞いてみたいですし、にとりさんだけでなく、椛さんまでついてきてるのも気になります」

三人は顔を見合わせ、彼女の言葉に甘えることにした。本殿の中に入り、早苗の案内で奥の和室に移動する。
案内された和室には二人の女性がちゃぶ台を囲んで座っていた。カエルのような帽子を持っている幼い感じの女性と、紫っぽい髪の威厳のある女性。
威厳のある女性が、入ってきた楓たちに気づき、声を掛ける。

「おや? にとりはまだしも、椛まで来てるとはね。そっちの少年には見覚えがないが・・・外来人か。私は八坂神奈子(やさか かなこ)。よろしく」
「ホントだ。見覚えない子がいる。私は洩矢諏訪子(もりや すわこ)だよ。よろしく~」
「あ、どうも。楓と言います。よろしくお願いします」
(さっきの話からすると、神様・・・だよね? 当たり前のように座ってるけど)

困惑しつつも楓は二柱と挨拶をする。早苗に勧められて、ちゃぶ台の横に楓と椛が座る。
にとりは早苗に用事があるということで、二人は和室から出ていった。


                  続く
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さて、狼と楓。いよいよ大詰めです!
大詰めとかいうほど盛り上がってませんけどw
最後までほのぼのした感じで終わると思います。オチとか期待しないでね。

さて、次のSSのことも考えないと・・・いっそ「狼と楓」の続編にするか・・・


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