小説『拷問塔は眠らない ―拷問卿の三姉妹―』の発売日まで、残り6日。
今回は、発売直前の小説と、2誌でのコミカライズと執筆スタイルに迫る、
インタビュー後編をお送りします!!

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Q:『拷問塔は眠らない ―拷問卿の三姉妹―』は、どのような物語ですか?
 
A:舞台になるのは「リオンシティ」という町と、その外れに立つ「トルチア塔」です。
  リオンシティに流れ着いたある青年が、
  トルチア塔に住む「ハンク卿の娘」を名乗る三姉妹と、
  彼女達が所持している「バスズの壺」の存在を知るところから
物語は始まります。
  一巻では話の大部分がトルチア塔の内部で展開されることになり、
  塔に入り込んだ様々な人物の思惑、行動が物語を形作っていきます。

  三姉妹が具体的にどのように拷問を行っているのか? 
  彼女達が何故塔で人を苦しめ続けるのか?
  それら楽曲だけではわからない部分もより深く知ることができる
  小説になっています。


Q:執筆の際、一番楽しかった点と、一番苦労した点を教えてください。
 
A:今までと違って完全なオリジナルキャラで
  また既存シリーズとのつじつま合わせを考える必要もなかったので、
  新鮮な気持ちで書くことができました。
  当初は登場する人物もかなり多くなる予定だったのですが、
  塔の中という閉鎖空間が舞台となる関係上あまり人物が多くても
  混乱するだけだと途中で気がつき、
  あまり重要でない人物や設定をできるだけ削って
  話全体をシェイプアップさせる必要がでてきました。

  例えば物語の最初に出てくる青年には二人の部下がいて、
  彼らも一緒に塔に侵入する予定だったのですが、
  書き直す過程で彼らの存在は完全にカットされました。
  その他にも二人分の人物設定をまとめて一人のキャラクターにしたり、
  最初に書いた物と完成版ではだいぶ内容が違っています。
  そういった作業によってどうしても全体的におかしい所が出てきてしまうので、
  そこら辺の調整に苦労しました。



Q:初めてキャラクターのイラストラフを見た時の印象を教えてください。
  また、完成したイラストをご覧になった時の感想を教えてください。
 
A:「拷問」という残酷なものをテーマにするにあたって、
  逆にキャラクターデザインは正反対に可愛らしく、
  ある程度デフォルメされた感じにしたいというのは構想時から考えていました。
  この物語を通して描きたいのはグロテスクな刺激ではなく、
  人間の愛憎や身勝手な欲望を持つことの愚かさ、そういう所だったからです。
  そういった意味でマルイノさんのイラストは
  非常に思い描いていたイメージに近いものでした。

  ただ、普段はこういった感じのイラストを自分の作品に用いることが少ないので
  慣れていないせいか「ちょっと可愛すぎるかも?」とラフの時には少しだけ感じました。
  特にメイデンの身長は最初のラフの時はかなり低い感じだったので、
  少し高くしてもらっています。
  でもそれ以外は結局ほとんどこちらから変更の要望は出していません。

  結果的に完成したものを見て、やはりそれでよかったんだ、と思っています。
  可愛らしいのにそれだけで終わらず、ちょっとダークさも醸し出しているのもいいですよね。
  あとは服装デザインが非常に凝っているのが素晴らしいです。


Q:今後の展開について、少しだけ教えてください。
 
A:わざわざ独立させたシリーズにしたので、長く続けていきたいなと思っています。
  小説や楽曲も引き続き新しいものを出していくつもりですし、
  今後は三姉妹だけでなく他の登場人物にもスポットを当てていくことになるでしょう。
  話題性や勢いだけで押し進めていくのではなく、
  じっくりと良いシリーズに作り上げていきたいと考えています。
 
  ストーリー的には今後、もう少し舞台の範囲が広がり、
  新しいキャラクターなども登場することになる予定です。
  三姉妹や拷問塔にまつわる謎も少しずつ明らかになっていきます。
 

Q:小説の発売に先駆けて「電撃マオウ」でのスピンオフコミックの連載が始まり、
  「COMIC@LOID」でのコミック連載も
  9月13日発売「COMIC@LOID2」から開始しますが、
  それぞれのキャラ設定画やストーリープロットをご覧になった時の感想を教えてください。
 
A:崎由けぇきさんの「―ナイトメア ドリーム―」(「電撃マオウ」にて連載中)の絵を
  最初見た時は、マルイノさんの時以上に「ずいぶんと可愛らしいなぁ……」と(笑)。
  絵柄と相まって、三姉妹の女の子っぽい一面がよくわかる感じになっていますね。
  ストーリーの方は、小説では描かれていない
  「拷問道具を製作する側」からの視点となっているのが面白いなあと感じました。
  物語の背景により深みを増してくれていると思います。

  ソガシイナさんの「―道化師の章―」(9月13日発売「COMIC@LOID2より連載開始)の方は、
  崎由さんとは逆に画風が今まで僕が関わってきたシリーズのものと近いというか、
  個人的にしっくりきやすい雰囲気なので
  特に僕の既存シリーズが好きな方には一番すんなり入り込みやすいかもしれません。
  内容についても「―ナイトメア ドリーム―」と反対に、三姉妹の残酷さ全開となっていますので、
  「拷問塔は眠らない」が内包している二面性を、
  お二人がそれぞれ違った視点で描かれている形になっていて、
  なんというかうまくバランスのとれた感じになったなあと思いました。


Q:それでは、今度は楽曲製作と執筆スタイルについてお伺いします。
  楽曲の製作時と執筆時、それぞれの息抜き方法を教えてください。
 
A:楽曲制作が煮詰まったら執筆に移行、
  それもうまくいかないようならまた楽曲に、
  両方駄目なら散歩かゲーム、って感じです。


Q:最近読んだ本、最近聞いた曲で印象的な作品がありましたら教えてください。
 
A:最近では夏ということもあり、古典のホラー小説の短編や長編を読み直しています
  ミステリーと違って特に古いホラーなんかは、
  結局謎が謎のまま解明されないことも多いんです。
  ただ、そこがより怖さを引き立てている場合もたくさんあります。
  僕が小説を書くとき、設定を細かく考え説明しすぎるきらいがあるので、
  あえて全てを明かさない、という手法は色々と参考になります。


Q:最近はまっていることなどはありますか?
 
A:はまっているというほどではないですが、
  最近暇なときは、いわゆる洋ゲーをやっている事が多いです。
  FPSよりはMinecraftなどの箱庭系のゲームの方が好きです。
 
Q:楽曲製作の際、手放せないものはありますか?
 
A:煙草。


Q:執筆の際、欠かせないものなどはありますか?
 
A:煙草。


Q:楽曲製作・執筆机に乗っているものは何ですか?
 
A:煙草とルービックキューブ。
 
 
Q:最後の質問です。
  楽曲製作、小説の執筆やコミック原作と活躍の場を広げておられますが
  次にやってみたいことなどはありますか?
 
A:とりあえず今は色々と手を広げ過ぎて、
  「○○はまだですか?」と言われることも増えてきているので、
  まずは今やっていることをより成熟させていくことに力を注ぎこみたいと思っています。

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『拷問塔は眠らない ―拷問卿の三姉妹―』は8月27日発売。
mothy_悪ノPによる新たな血と悪と罪の物語に、ご期待ください。
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