昨今の住宅事情で書斎や子供部屋を持てない人が多いというが、そのようなどうしようもなくリビングで過ごすという人ばかりではなく、最近は進んでリビングで過ごす“リビング族”が増えているという。
家族が共に長い時間を過ごし、緩やかなコミュニケーションを取りながらもそれぞれが情報端末を駆使し興味・関心を追求する。今や子供部屋や書斎もいらなくなっている。
こんな人たちが“リビング族”だ!
大型テレビを前にくつろぐ4人家族。母(49)はスカイプでカナダに留学中の長女(15)と話す。次女(13)はスマートフォンを手に無料通話アプリ「LINE」で友人とやり取りする。父(55)は晩酌しながらテレビ画面を眺め、長男(10)は2分割したテレビ画面でWiiのサッカーゲームをする。とある家族の夕食後の風景だ。
家族4人がリビングに集い、就寝までの時間を思い思いに過ごす。小学5年生の長男以外は皆がiPhoneを持ち、LINEやスカイプを駆使して友人らとコミュニケーションを取ったり、ネットを閲覧したりしている。それぞれ勝手なことをしているようで、常に誰かがしゃべっており、緩やかなつながりを持つ。学生は勉強の場もリビングだ。
気づけばこれは特別な家庭ではなく、筆者も同じくリビング族だ。このような家族は巷にありふれているのではないだろうか?
3時間以上リビングで過ごす人過半数!広がるリビング族
日経MJが楽天リサーチの協力を得て実施した中学生以下の子供を持つ30~40代の子育て中の男女計1千人をインターネット調査したところ、休日の午後5時以降、リビングで過ごす時間を尋ねたところ、「3時間以上」と答えた人は男性で55%、女性で60%だった。
一方自室で過ごす時間は「30分未満」が56%で最多だ。この時間帯、リビングで何をして過ごすかを尋ねたところ、最も多かったのが「テレビ鑑賞」。ついで「子供と遊ぶ」「家事」「家族間でのおしゃべり」が続いた。
自宅内で最もくつろげる場所は「リビング」が67%と「自室」(23%)の3倍近くにのぼる。テレビを見たり、情報端末を利用しながらも家族との交流に時間を費やす。携帯やパソコン等のモバイル端末がない時代には考えられなかった変化だ。
リビング族増加の背景にあるものとは?
このようなリビングでの過ごし方を変えた要素の1つに情報端末のパーソナル化とモバイル化がある。スマホが普及し、家族皆で過ごす“パブリック”な時間と、ネットにつながる“個人”の時間がリビングで共存できるようになったからだ。
かつてのように、ラジオや音楽を聞くために自室に戻る必要はなくなった。家族の気配を感じながら自分の世界を守ることも、外の世界とつながることもできる。端末はパーソナル化しているのだが、それがかえって家族同士の距離感を縮めている気さえする。
なるほど確かに最近仲の良い家族、親子、兄弟は増えているように思う。かつて子供は子供部屋に閉じこもり、何をしているのかわからないと親も必要以上に干渉したくなるものだが、目の届く範囲にいればそのようなことも起こらない。最も子供が健全なパーソナル活動をしていることを前提としての話だが…。
このようなリビング族増という家族関係の変化は、スマホ等のモバイル端末がもたらした良い効果といえそうだ。
東日本大震災を経て、無意識のうちに「家族が一緒にいられるのは当たり前ではない」という漠然とした不安も人々をリビングへと誘うのかもしれない。家族の絆をより一層深める場所としてリビングが注目されてきている。
コメント
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同じ場所にいるのに別のことしてるとかなんか悲しいくね?
(ID:584195)
しかもなぜ白人の家族の写真をもってくるんだい?
(ID:14093334)
核家族化の原点回帰といったとこか・・・