イタリアのレオナルド・ダ・ヴィンチといえば、画家や芸術家としてだけでなく、科学者、エンジニア、発明家としても才能を発揮した大天才。その縦横無尽な発想方法はどこから来たのでしょうか?
創造的思考について詳しいマイケル・J・ゲルブさんは、ダ・ヴィンチのそんなクリエイティブな発想法に迫っています。
そんなの自分とは無縁だわ、なんて思う人もちょっと待ってください。ある神経科学者によれば、“ヒトの脳は日々修正が行われており、なにか新しいことを学ぶたびに、脳も変化している”といいます。つまり、私たちのような一般人でもクリエイティブな発想を身につけることで脳に変化を起こし、生活も仕事ももっと充実させることが可能なのです。
では、どんな習慣を身につけることがクリエイティブな発想法につながるのでしょうか?みてゆきましょう。
コツ1:好奇心を保ち続ける。
どんな人でも天性の好奇心が備わっています。天才的発想の第1歩は、「なぜ」と疑問に思う習慣をもつこと。誰もが当たり前と思って見逃していることのなかに、素晴らしい発想の種が隠れているかもしれません。
コツ2:バラバラなものの中に“関係性”を見出す。
ダ・ヴィンチはつねに自分の思いついたアイディアを書き留める“ネタ帳”を持ち歩いていました。頭の中に次々と沸き起こる発想を見逃さないために、書き溜めることで膨大なアイディアをストックしていたはずです。
一見無関係なように見えるアイディアたちも、あとでよく考えてみると何かしらの関係性があるかもしれません。その関係性を見出すことが、オリジナリティ溢れる発想の源泉にあるのでしょう。
コツ3:“直感”を信じる。
理屈ではうまく説明できないけど、こっちが正しいと思う。そう感じるときは、素直に自分の直感に頼って判断しましょう。“インスピレーション”、“ひらめき”はふと自分の心の中に沸き起こってくるもの、とてもピュアで理屈を超えたものです。ダ・ヴィンチはこれをストレートに出すことで、多くの人を魅了するアート作品を生み出しました。自分の直感を表現することを恐れないで。
コツ4:五感を総動員する。
たとえば、なんでもただ無意識にボーっとしていると、多くのことを見逃していたりします。漠然と頭の中でいろいろな不安や葛藤で心をすり減らすより、今この瞬間生きることを大切にしましょう。
それには自分に備わった五感を総動員することです。景色を見る、音楽を聴く、食べ物を味わう、ものに触れる、においを嗅ぐ、そのひとつ、ひとつを大事に行うことで、今まで気づかなかったひらめきが生まれることがあります。
コツ5:常識、知識を疑う。
ダ・ヴィンチは、当時の世の中の価値観や常識と正面から対立することを恐れない人でした。天才的発想のためには、常識、思い込み、あるいは信念といったものを一度疑ってみることが欠かせません。まず、ノートに次のような質問を書き出して、よく考えてみましょう。
▽ 人生の中でもっとも影響の大きかった経験は何でした?
考えつく経験を7つリストアップし、それぞれの経験から学んだことを、1行あまりで要約してみます。
▽ その学んだことを、毎日の生活の中でどのように活かしていますか?そこからどんな結論を得ることができますか?
以上は、ゲルブさんの分析のごく一部。彼の本は日本語訳も出ているので、興味のある人はぜひ手にとって、秘められたクリエイティブな才能を開拓してみましょう。
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