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北小路隆志×渡邉大輔「いま、映画は『政治的』たりうるか——ポスト映画と社会の新しい関わりをめぐって」【ポスト映画論講義 #2】【2016/4/22収録】 @diesuke_w
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渡邉大輔がホスト役を務める、映画系トークイベントの第2弾。映画と社会/政治との関係性が、いま大きく変化しようとしているように思える。80~90年代の消費社会の到来以降、例えば日本映画でも、テレビ局映画からオタク系アニメ(とその実写化)、あるいはセルフドキュメンタリーにいたるまで、総じて大文字の政治や社会性から遊離し、タコツボ的な趣味や虚構の世界に埋没していたように見える時代を経て、「9・11」からイラク戦争、リーマン・ショックにいたるゼロ年代、さらに「3・11」から5年を迎え、海外でもシリア難民問題やイスラーム国に揺れる2010年代の映画は、いま再びさまざまな意味で「政治的」「社会的」と捉えられる側面を濃密に帯びつつあるのではないか。むろん、そこにはメディア・アクティヴィズムや動画サイトなどの新たなメディア環境の台頭も深く関わっているはずだ。いま、映画について/を通じて、いかにして「社会」や「政治」と新たに関わることができるのか?今回のゲストは、映画評論家であり、京都造形芸術大学映画学科准教授も務める北小路隆志氏。評論家として、日々、国内外の膨大な映画のレビューを手掛ける一方、これまでにも『〈社会派〉シネマの戦い方』(フィルムアート社)や『映画の政治学』(青弓社)などの著作に携わってこられた。映像が「ソーシャル」に氾濫し、かつて「政治の季節」を彩った小川紳介の全作品DVDプロジェクトも始まる今年、改めて「ポストシネマ」と社会の新しい関わりを探ってみたい。【登壇者より】昨年のSEALDsの活動を追うドキュメンタリー映画『わたしの自由について』で最も感動的な場面のひとつは、同団体に所属する男性による国会前での演説(?)の際に訪れ、彼は憲法の条文を読み上げつつ、およそ次のようなことを叫ぶ。日本国憲法を「押し付け憲法」と呼び、侮蔑するひとが後を絶たないが、私にはこの文言を他人が書いたとは思えない、これは私自身の言葉である……。現政権は、そんな国会前の叫びを無視し、あの法案を通した。彼らの憲法への「解釈」が恥知らずなのは、憲法が神聖だからではなく、「他者の言葉」へのリスペクトが微塵も感じられないからだ。しょせんは「他者の言葉」(「押し付け」?)にすぎない、とばかりのシニカルさが醜悪だからだ。僕らは、こうした捻じ曲げを「批評」の敵と見なす。「批評」とは、「他者の言葉」を勝手気ままに「解釈」することではなく、それを自分のなかから生じる言葉として受け止める能力の有無に関わる行為である。そうした意味で「解釈」と「批評」は政治的な「敵対」を形成するだろう……。そんなこんなを出発点に、現在公開中の映画、これから公開される映画などを主に取り上げ、当日の対談を展開させていきたい。皆さまの参加をお待ちしております。(北小路隆志)http://genron-cafe.jp/event/20160422/
配信期間
2017年07月01日 00:00 から
2038年01月01日 00:00 まで