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田原総一朗 「やられたら、やり返す!」 自衛隊には、どこまで可能なのか?
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アメリカによるシリアへの軍事介入は、回避された。アメリカのケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が会談し、現在シリアが保有している化学兵器をすべて廃棄することで合意。それをシリアのアサド政権が受け入れたのである。
ひとまずよかったというべきだが、実は何も解決してはいないのだ。いくら化学兵器を廃棄したとしても、内戦は続く。そして、その内戦による被害者は、月に5千人とも言われている。彼らには何の罪もない。政治と宗教対立に巻き込まれて、多くの人びとが命を失っていく。なんともむごいことだと思う。
今回の騒動は、はからずも、アメリカの弱体化をさらけだした。かつての「世界の警察」アメリカならば、「化学兵器を廃棄」などという甘い結論で、軍事行動をとりやめることはなかっただろう。
今回、アメリカの軍事行動はなかった。しかし、こういうことが起きると考えざるをえない問題がある。日本の安全保障についてだ。
先週14日の「激論!クロスファイア」には、前防衛大臣の森本敏さん、元陸上幕僚長の火箱芳文さん、元海上幕僚長の古庄幸一さんにご出演いただいた。防衛相の前トップ、陸海の自衛隊の2トップに議論していただいた。
彼らが口を揃えて言っていたのは、「自衛隊は縛られた組織だ」ということである。たとえば、海上保安庁の船が目の前で攻撃されたとする。ところが自衛隊は反撃できない。海上保安庁は国土交通省所属であり、自衛隊とは別組織だ。だから自衛隊が攻撃されたことにならないのである。相手に反撃するにはどうするか。海上保安庁の船の前に自衛隊の船が出て、相手から攻撃を受けるのを待つのだ。攻撃を受けて初めて反撃できるのである。まさにがんじがらめだ。
当然、現場にはジレンマがある。したがって問題なのは、いざとなったら彼らが「超法規的」に軍事行動を起こす、という可能性が高いことだろう。処罰覚悟で反撃する、ということだ。自国の国民を守れずに、何が「自衛隊」かというわけだ。
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