3月25日、広島高裁で画期的な判決が出た。昨年12月の衆院選での選挙の無効を求めた訴訟で、「無効である」という判決を出したのだ。
「1票の格差」を放置した真の犯人は誰だ?
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3月25日、広島高裁で画期的な判決が出た。昨年12月の衆院選での選挙の無効を求めた訴訟で、「無効である」という判決を出したのだ。
3月25日、広島高裁で画期的な判決が出た。昨年12月の衆院選での選挙の無効を求めた訴訟で、「無効である」という判決を出したのだ。
衆院選の「1票の格差」は、この20年間、最大で2倍台で推移している。2009年の衆院選挙は、最大で2.30倍だった。この「1票の格差」に対して、2011年、最高裁で「違憲状態」という判決が出ている。「違憲状態」とは、憲法が要求する平等に反する状態にあるが、是正に必要な合理的期間は超えていないということだ。ところが昨年12月の衆院選の「1票の格差」は、最大2.43倍になっていた。
この格差での選挙は「無効だ」と司法が判断したのだ。「違憲状態」「違憲」という判決がこれまでも出ていた。だが、選挙そのものを「無効」としたのは初めてのことだ。司法が一歩踏み込んだ、と言えるだろう。裁判長は筏津(いかだつ)順子さんだ。やはり女性のほうがしがらみがなく思い切りがよいのかな、などと考えてしまった。
ただし、広島高裁の「選挙無効」の判決には条件が付いている。区割り改定作業を始めた、昨年11月26日から数えて1年後にあたる今年11月26日を過ぎた段階で「無効」とするという猶予を設けている。ところが翌26日、広島高裁岡山支部は、さらに踏み込んだ判決を出した。同じく「無効」としながら、猶予を設けず、判決確定で無効になると言い渡したのだ。とはいえ、原告である選管は上告し、最高裁で審議されるだろうから、まだどうなるかはわからない。だが、この司法判断は正しいと僕は強く思っている。
今回の「1票の格差」訴訟で、メディアの報道に対して僕は大いに文句を言いたい。判決に対して新聞各社は一斉に、「政治の怠慢への司法からの警告」と鬼の首をとったような騒ぎだ。しかし、メディアは忘れてしまったのか。忘れているなら、バカにもほどがある。覚えていながらこのような報道をするのなら、とても卑怯なことだ。
区割り改定作業を昨年11月に始め、「1票の格差」を本格的に是正しようとしたのは、野田佳彦前政権だった。野田さんは「1票の格差」を是正する区割りに改定しようとしていた。改定案をまとめてから、解散しようとしていたのだ。ところが、当時、大きな問題があった。消費税増税だ。
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