4月2日より20年ぶりのテレビシリーズとなる、アニメ『ぼのぼの』がフジテレビにて放送スタート! 1986年から『まんがくらぶ』『まんがライフ』で連載を続け、累計発行部数900万部を超える、いがらしみきお先生の大人気コミックス『ぼのぼの』。今年30周年を迎えるにあたり、新TVアニメ化が決定しました。
へんてこなことや不思議なことに興味を示してしまうラッコの子ども“ぼのぼの”を中心に、友だちのシマリスくんやアライグマくんほか、森の愉快な仲間たちとのふれあいを描き、ほのぼのとしたギャグの中に“生きものとは?”という哲学的なニュアンスも感じさせるところが長く愛されている理由。ここ数年はキャラクターグッズも大きく展開し、再び『ぼのぼの』熱が高まっていました。
20年ぶりのTVアニメは1本5分ほどのショートアニメとなっており、主題歌はモノブライトが担当する『bonobonoする』。いがらし先生、山口秀憲監督、桃野陽介さん(モノブライト)が集まり、メディア向け先行上映&トークイベントを開催。今作への想いを聞いてきました。
アニメ『ぼのぼの』は迷っている大人にも見て欲しい
あのゆる~い空気感はそのままに、アニメーションになって動くぼのぼのたち! ぼのぼのとアライグマくんの掛け合いが懐かしい!!
山口監督も、完全に子ども向けというわけではなく、大人にも見てもらえるように意識して作ったという今作。第2話まで観せていただきましたが、特にこの2話めの「木に登ってみたいなぁ」は、子どもはもちろん、大人にも見てもらいたいお話。自分の進む道に迷っていたり、進んできた道に自信を持てなくなっている人は、何か気付きを与えてもらえるかも。
エンディングには主題歌の『bonobonoする』が流れ、いがらし先生も「(観終わった後)余韻を残していく」とコメントするなど、作品の雰囲気に絶妙にマッチしており、穏やかな時間が流れる作品に仕上がっています。
・アニメ「ぼのぼの」PV
https://youtu.be/seYMK1m4wsY[リンク]
漫画は荒削りな世界? アニメは完成された世界
――再度20年ぶりにアニメ化が決定したときのお気持ちは?
いがらし:ここ3年くらいは『ぼのぼの』グッズを出してまして、ちょっと反響があったので私の中でも少し色気がでて(笑)、できればもう1回TVアニメしたいな、と思っていまして。それが『ぼのぼの』30周年に実現したということはひとつの巡り合わせみたいなものを感じるので、とてもとても嬉しく思っています。
――原作の大ファンである山口監督は、アニメを作るにあたりこだわった点などありますか?
山口:原作では長いエピソードもあるものを、ミニアニメの中にその魅力をどれだけ凝縮できるのかなっていう部分と、『ぼのぼの』独特の間とかをうまく落とし込めるように作れるかな、という心配とチャレンジが課題ではありました。
――アニメの完成版を観ていかがでしたか?
いがらし:監督が最初あまり子ども向けにしないと言っていたのが、映像をみて、すとんとくるものがあったし、エンディングに関しては余韻を持たせてますよね。原作の漫画にも出てくる余韻ですけども、それは面白い試みで、みなさんがどう受け取るか大変楽しみです。
桃野:漫画のイメージというのは僕の中にあって、アニメを観たときに、漫画と同じ間で観れたっていうのがあったんですよ。だからその間のとり方が自分の中にある『ぼのぼの』の感じとすごく一致していて、良い意味で説明がないというか、本当に世界観をこだわっているなぁ、と感じて楽しかったです。
いがらし:アニメは、私の中にある『ぼのぼの』の世界がすごく柔らかくなったと思います。色使いもそうですけど、キレイでソフトな感じ。私にとっての『ぼのぼの』って、漫画は何をどう言っても視覚的なものなので、あまり完成されていない荒々しい世界のような部分があるんですけど。
やっぱりアニメというのは、音を使ったり色を使ったりするので、観ている人にとっては漫画なんかよりもよっぽど完成された世界として受け取られると思いますね。そういう意味でのズレ方みたなものがアニメ化の一番の醍醐味ですね。
みなさんが気に入っていただいて、生活の潤いにでもなればいいですよね。我々の希望ってそれですよ。
“ぼのぼの”は動詞!?
――主題歌を作詞作曲するにあたり気をつけた点はありますか?
桃野:物心ついた時から漫画があったので、僕にとっては歴史的なものに歌を作るみたいな感覚がすごい強くて。だから奈良の大仏に主題歌作ってください、みたいな感覚なんですよ、ほんとに!
『ぼのぼの』は自分の中に染みこんだものなので、子ども目線で歌うっていうよりは、子どもになって歌うという点で気をつけました。歌詞も監督とも相談したりして。
いがらし:桃野さんのコメントなどを聞いていると“ぼのぼの”というのは、タイトルではなくて一つの動詞みたいになってますよね。
桃野:そうですね、僕的には動詞なんですよ。キャラクターの名前というよりかは“ぼのぼのする”って何かな?って考えて。ファストフード店とかで、子どもが無心でポテトを食べていたりする姿に「あ、ぼのぼのする」という瞬間があるのを見て、その感覚を歌詞にしました。
――監督といがらし先生は、お聴きになっていかがでしたか?
山口:歌詞に“ぼのぼの”というのが出てきたのがすごく嬉しかったですね。口ずさみたくなるような楽曲だなぁと思って、それがすごく作品と合っていたので、ぜひこれでお願いしたいというのは、即決に近かったです。
いがらし:まず楽曲のデータをいただいたときに、監督が「これで決まり」みたいに渡してくるんで、ハードルが上がったんです。その高いハードルを楽々超えてましたね。桃野さんの声が大好きで、いい声だなぁ、と思いました。監督も僕も一発で気に入ったのは間違いないです。もう何回聴いたかわからないです。
桃野:なんか生まれてきて良かったです。すごい光栄です、ありがとうございます。
僕の生まれ育ったところが北海道の根室市というところで、それこそシマリスもアライグマもラッコもいるという場所。『ぼのぼの』の世界観が自分の原体験に近い感じで、この作品に関われたっていうのが、なんかやっと自分らしさが出たっていう気持ちがひとつあって、すごく嬉しかったんですよね。ロックバンドだと隠すわけじゃないんですけど、「牧場の息子で……」みたいな生活感は表に出さない活動が多かったので、こんなにあからさまに出せた、実はすごく自分らしい作品に関われたということで、光栄なことでした。
今後の『ぼのぼの』について
山口:1回観て面白かったと言って貰える作品になると良いかな、と思ってまして。見逃してしまったとしても、「久しぶりに観ても変わらず面白いな」と思ってもらえるような、30年とか原作に負けないくらいやっていけるシリーズを目指したいです。
いがらし:原作の『ぼのぼの』は、今、大変困難してまして(笑)。普通の『ぼのぼの』というのをやっていて、ストーリーものの『ぼのぼのs』(第1巻が3月26日に発売)、ぼのぼのの赤ちゃんだった頃の話『ぼのちゃん』もやっていて。完全にめちゃくちゃな世界になっています(笑)。今後どういう風になるのか、私自身が一番楽しみにしてます、もうバラバラのまま!(笑) ちなみに、『ぼのぼのs』の2巻はぼのぼのの恋バナを真面目に描きます。
アニメのエンディング映像にはあの人気キャラクター“しまっちゃうおじさん”の姿も! キャストは以前のTVシリーズとは変わっていますが、今後の登場キャラクターやエピソードが楽しみ。みなさんも4月から“ぼのぼのライフ”を楽しんでください。
新TVアニメ『ぼのぼの』
放送開始:
フジテレビ 2016年4月2日 毎週土曜日 あさ4:52~
アニマックス 2016年5月8日 毎週日曜日 あさ10:30~配信:
FOD(フジテレビオンデマンド) 2016年4月2日 あさ5:00~ 毎週土曜日配信スタート公式サイト:
http://www.bonoanime.jp/
(C)いがらしみきお/竹書房・フジテレビ・エイケン
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