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【画像多数】ガルパン戦車も大集合! イギリスの『タンク・ミュージアム』に行ってきた・前編

2016/03/04 16:30 投稿

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1月下旬ー

去年に公開されて以来、爆音上映などの影響で劇場アニメとしては異例の爆発的な人気が続いている『劇場版ガールズ&パンツァー』。4DX版の劇場公開も間近に控え、その勢いに陰りは見られるのであろうか、という世相であるのにあいにく筆者はロンドン。観たくても観られない日々に悶々としておりました。

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ところが!! なんとイギリスに世界最大の戦車博物館があるとの情報をキャッチした筆者! しかもロンドンより列車でたった3時間という事でこれは行かない手は無いだろうということで行って参りました!
ということで、今回は筆者の想像力の限界を超えた圧倒的な戦車展示を行っていた「Tank Museum」の、不肖106による見学レポであります! あまりにも展示量が多かったので前後に分けてお伝えします。是非最後までお付き合い下さい!

※すべての画像が表示されない場合は下記URLからご覧ください。
http://getnews.jp/archives/1423907 [リンク]

電車、乗ります!

朝10時、筆者はロンドンでも最大級のターミナル・Waterloo駅にて朝マックを購入していました。これから向かうのはロンドンの西に位置する田舎町のWoolという駅です。乗車時間約2時間半と、そこそこの長旅ですが気になるお値段は往復15ポンド!運良く事前のネット割引が適用されていました。一風堂1杯約2200円のイギリスでは、意外と電車賃の割引が効く事が多いのです。

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ロンドンから西へ向かう列車。車窓からはかなり濃度の高いリアルな”英国面”を愉しむ事ができます。平日金曜日ということもあり、車内はガラガラ。無料wifiはもちろんの事、移動販売やトイレといった設備も何ら日本の特急列車と変わりません。

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さらにしばらくするとついに!!大西洋へと繋がるイギリス海峡が見えてきます。もちろん天気はグズグズ!レディオヘッドを聴いて精神を研ぎ澄まします。

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2時間半ほどで戦車博物館最寄りのWool駅に到着します。無人ホームと鍵の掛かった駅舎がある小さな駅ですが、ちゃんと駅前ロータリーにはタクシーも待機しています。しかし、今回はタイミングよく戦車博物館も通るバスが来たので乗車。料金も1ポンドと良心的。

これが本当の戦車博物館です!

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長閑な田舎道をバスで揺られること10分ほど。途中運転手さんが「あッ、道間違えた!!」と2車線の道でダイナミックUターンするなど、なかなか楽しいドライブでした。そしていよいよ辿り着いた戦車博物館!館内に入る前から何輌も戦車を見れてしまう超太っ腹な博物館ですが、ここで一度情報を整理してみましょう。

名前 『ザ・タンク・ミュージアム』
営業時間 祝日除く毎日午前10時から午後5時
値段 大人13ポンド(1度購入すれば1年間何度でも入れます)
駐車場・カフェ・レストラン・ショップなど完備(紅茶も飲めます)

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博物館の外にも何両もの戦車が展示してあります。まずは来館者へのジャブといったところでしょうか、定番アメリカ戦車『M4シャーマン』が鎮座しています。その他にも歩兵戦車『チャーチルMk.2』や、『FV4005 コンウェイ』(1個前の画像)など珍しい車輌がいきなり出てきます。ますます屋内展示への期待が高まります。

紹介します!

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いよいよ博物館内部に入って行きます。その前に、ざっとこの広大な博物館の概要を見てみましょう。
この『戦車博物館』は英国軍のボービントン駐屯地に隣接しており、幾つかの施設を共有しているため、周辺を歩いているとうっかり軍のエリアに入ってしまうほどです。メインとなる博物館の建物の他に、車輌保存館資料室などがあり、博物館の目の前に広大な演習場があります。ここでは年に数度、実際に昔の戦車が動く姿を見ることができる貴重なイベントが開催されています。
今回はメインの博物館と車輌保存館を見学したので、そちらをメインに紹介していきます!

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博物館エントランス前には英国軍主力戦車『チャレンジャー1』が鎮座しています。その大きさと威圧感は先程見た戦車とは一線を画するものがあります。受付のお姉さんに13ポンドを支払って、いざ博物館へ入ります!ちなみに、お客さんはそれほど見当たらず。

塹壕展示、凝ってます!

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この巨大な博物館は幾つかのコーナーに分かれており、それぞれ特色のあるテーマで構成されています。時間があるなら、時系列順に各コーナーを巡るのがオススメです。例えば、『WWI』コーナー→『WW2』コーナー→現代戦車コーナー→戦車通史コーナーと回れば、より深い理解が得られるかと思います。という訳で筆者が最初に向かったのはWW1コーナー、その名も『The Trench Experience』(塹壕体験)というオドロオドロしい名前のコーナーです。

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「戦車ではなく塹壕?」と思われるかもしれませんが、戦車登場には塹壕が深く関わっていたと身を持って体感できる展示となっており、暗い照明と不気味な音がいかにも泥沼化した第一次世界大戦の戦場、といった趣で、さながらお化け屋敷のようです。かなりキツい展示もあり、イギリス人にとってどれだけ塹壕が恐ろしいものだったのかを窺い知ることが出来ます。

この高い塹壕を突破する為に、戦車は誕生したのです。

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塹壕コーナーをかいくぐって塹壕の恐ろしさを知った後は、いよいよ戦車登場の歴史を紐解いていきます。次のコーナーの名前は『Warhorse to Hordepower』(軍馬から馬力へ)という事で馬がキーポイントとなります。面白いことに、このコーナーではが語り手となって見学者を戦車登場の歴史へといざなっていきます。

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入り口にはデフォルメされたピュアな瞳の馬がいて、近づくと流暢な英語を喋りだします。

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世界初の実用戦車『MarkⅠ』の登場に驚く馬。
「うわーッ!なんだこれ!怖いよ助けてー!」と迫真の演技を見せます。当時の馬の気持ちがよく表現されている!?

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可愛らしい外見とは裏腹に、馬が戦場の辛さなどを馬同士で淡々と語る、かなりシリアスな雰囲気です。コーナーの最後には、馬が戦車の登場について語り、馬の時代の終焉をほのめかすような意味深なセリフを喋ります。しかし、戦車の登場で犠牲となる馬の数が減ったという事実も詳細に説明されています。
ぱっと見子供向けの展示かな、と思わせるファニーさの中に、全力で戦争の悲惨さを躊躇なく提示してくる、まさにイギリスらしい見事な展示でした。

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しれっと戦間期の重戦車『インディペンデント』も隅っこに展示してあります。

怒涛の展示量!戦車の海に呑まれろ!!

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WW1コーナーを抜けるとお待ちかね、WW2時の戦車を一挙に視界に収めることが出来ます。正直、初見でこの光景を見ると軽く目眩がした程の展示量で、ただただ「見てくれ!」としか言いようの無いほど圧倒的戦車空間が広がっています。
言うなれば、戦車の海
普通の博物館であれば、ある程度展示物の角度を変えてみたり動きを出してみたり、空間を立体的に使って展示をすると思います。しかし、このWW2コーナーでは文字通り戦車が所狭しとすし詰め状態で「展示」してあります。

参考に動画もどうぞ!

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英国戦車の超重戦車『トータス』です。

巨大な戦車から軽自動車並の戦車まで、そのバラエティはとにかく豊富。ある程度ジャンル分けはされているものの、それすら意味を成していないのでは、と感じるほどの戦車カオス空間が待ち構えています。

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なお、先述したとおり英国陸軍の駐屯地に隣接している為、軍服に身を包んだ現役の軍人さんもチラホラ見かけます。

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「あッ!カルロ・ベローチェです!」と何処かで聴いたセリフが脳内再生。ほぼ全ての戦車に詳しい説明パネルが付設されているので、非常に勉強になります。

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実際にこのイタリア戦車『カルロ・ベローチェ』を見てみると、そのゴーカートのような小ささに驚きます。確かに箱乗りしたくなるような、手軽なサイズ感です。

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一方そのカルロ・ベローチェの隣に展示されているのは、こちらも俊足を誇った英国の戦車『クルセイダー』です。今にも動き出しそうな程綺麗な状態で展示してあります。

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サイさんチーム!

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いよいよドイツ戦車の登場です。こちらは駆逐戦車の『Ⅲ号突撃砲G型』。丸太もしっかりとした本物です。

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『ガルパン』で主人公達が乗っていた『Ⅳ号戦車D型』です。いい感じの大きさです。

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各戦車には柵などがなく、かなり接近して観察する事ができます。装甲の細部もこのように見ることができるので、追加装甲の多いⅣ号戦車のプラモデルの作成などで役に立ちそうです。

ティーガー、白熱してます!

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WW2でも最も有名なドイツ戦車『ティーガー』の展示量も半端ないです。まずはこちら、ヘンシェル砲塔の『ティーガーⅡ』です!
ちなみに右奥に見えるのは同じくWW2フランスの戦車『ソミュア S35』です。大きさの差に愕然。

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吸着地雷対策の『ツィンメリット』もバッチリ確認することが出来ます。かなり適当な感じです。

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そしてこちらは2匹目の虎、ポルシェ砲塔の『ティーガーⅡ』です!とにかく圧倒的な巨大さがあり、他の戦車とは明らかに別格のオーラを感じます。

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砲塔がとにかく長大で、筆舌に尽くし難い威圧感があります。写真では伝える事の出来ない大きさなので、是非気になる方は実物を見ることをオススメします!

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そして3匹目の虎で真打ち、さらに圧倒的な装甲と主砲を備えた駆逐戦車『ヤークトティーガー』です。異様な大きさは圧巻。こんな鉄の固まりが動くのか..?

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側面はもはや“そそり立つ壁”。富士山の山体を思い浮かべる筆者。

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まだまだあります!4匹目はティーガーの車体に380mmの巨大な臼砲を載せたもはや怪物くん『シュトルムティーガー』!(の砲)

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ここから発射される弾頭の重量はなんと350kg!!
見事な曲線を描くライフリングもこのように鮮明に確認できます。

挟まれたほうが「いい味」を出す戦車たち

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「格好いい、それは戦車にとって大切なことかな」

という格言があるように、この博物館では多数の著名な戦車の隙間隙間に、それぞれ濃い歴史をもった味わい深い戦車達がひっそりと展示してあります。

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日本の戦車ももちろん展示してあります。『九五式軽戦車』は説明によると重量9トン!周りと比べると軽自動車のようなスケール感です。

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この博物館は世界最大級とだけあって、アメリカ・イギリス・ドイツ・ソ連だけでなくフランス・カナダ・オーストラリア・日本・フィンランド・イタリアなど世界中の戦車が集まっています。例えばこのフィンランドに鹵獲されたソ連戦車・T-26など、複雑な背景を持つ戦車も多数展示されています。

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先の大戦から幾星霜。それぞれの過酷な境遇から見事に生き残った戦車達から、人生にとって大切なことまで学べてしまう『戦車博物館』。

ノリと勢いだけで来てしまった筆者ですが、多くの人びとが気づきもしないような新しい発見を得ることができ、テンションの乱高下が甚だしい見学となってしまいしたが、この後更に衝撃的な光景を目にするとはこの時思いもしていなかったのでした……。

(後編へ続く:今回あまり紹介出来なかったアメリカやソ連戦車、そして我らがイギリス戦車も紹介していきます!)

※画像は許可のもと全て筆者撮影

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