コリン・トレヴォロウ監督は、年代物映画作品においては、デジタルカメラの代わりにフィルムを使って撮影した作品を観ることを好む。映画『ジュラシック・ワールド』を手掛けたトレヴォロウ監督は、1月28日(現地時間)に行われたサンダンス映画祭の記者会見でコメントを述べた。
トレヴォロウ監督は、「その当時ビデオカメラなんてなかったよな、と頭の中のどこかで考える」と、語った。
デジタルカメラ撮影が時代錯誤だという考え方は、トレヴォロウ監督の次のプロジェクトの選択に影響を与えるだろう。『スター・ウォーズ』エピソード9を指揮する際、トレヴォロウ監督はフィルムストックを使う計画だ。
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トレヴォロウ監督は、「年代物の映画だからね。はるか昔に起こった事なんだ」と、ジョークを飛ばした。
このコメントは、多くの劇場がデジタルプロジェクターに切り替え、映画製作スタジオが、フィルムでの撮影は一連の作業において煩雑で費用がかかると主張して監督にフィルムでの撮影を断念するよう説得している時代における、フィルム撮影のメリットについて語るパネルディスカッション中に出てきた。『インセプション』や『インターテスラー』のような大ヒット作でフィルム撮影を存続しようと試みていたクリストファー・ノーラン監督と、『フルートベール駅で』のシネマトグラファーであるレイチェル・モリソンが、トレヴォロウ監督を支持した。
ノーラン監督は、デジタルカメラで撮影することが安上がりでこれからの方法だという主張への反論のきっかけをつかみ、その主張は「企業の陰謀」で、「フィルムを消滅させたいと願う文化」だと非難した。
その証拠として、ノーラン監督は、クエンティン・タランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』が70ミリフィルム作品として上映されている間、メディアが技術の不具合をレポートしようと躍起になっていたこと言及した。一般的な劇場ではデジタルへの移行で役目を終えていたフィルム作品用のプロジェクターのほこりを払い、そして、タランティーノ監督が意図した方法での上映のために時間と何百万ドルもの金額を投資して、タランティーノ監督は苦心の末の上映にこぎつけた。
しかし、タランティーノ監督の強い意志を称賛する代わりに、あたかもタランティーノ監督の失敗のように、そしてまるでタランティーノ監督がプロジェクターを作ったかのように、“ほんの少しの技術的な問題”につけ込んだ評論家たちを、ノーラン監督は厳しく非難した。
ノーラン監督は、デジタルプロジェクターも故障するがこのようなちょっとした問題はめったに報告されない、と異議を唱えた。デジタルがより安上がりでその結果より現実的だというクレームにも、ノーラン監督は反撃した。
ノーラン監督は、「選択肢があることが大切だ。手段としてフィルム撮影は存続し続ける。フィルム撮影は存続する必要がある。無くなるべきだと取り繕うことは無意味だ」と、述べた。
自身の宣言にもより、ノーラン監督は、フィルム撮影により映画が製作されることを要求する強い力がある。モリソンは、製作プロダクションが犠牲を払い、他の部署で費用が削減されるならば、低予算の映画でもフィルム撮影できると言及した。
フィルム撮影にはその価値がある、とモリソンは述べた。なぜなら、フィルムによる撮影は、その映画の中で“固有の感情移入”を創るからだ。
ノーラン監督のように、監督たちはフィルム撮影のメリットについて福音を説く必要がある、とトレヴォロウ監督は述べた。なぜなら、フィルムは、かつてのアナログ・レコード盤のようになってしまう危険があるからだ。
Netflix(ネットフリックス)のようなストリーミングサービスが立ち上がり、テレビセットの改良が映画館に対して競争力を増しているこの時代に、ノーラン監督は、シネマ産業はその脅威に耐えることが出来るだろうという自信を示した。
ノーラン監督は、「家庭でのエンターテインメント機器が進化しているように、シネマ産業はより良くなっていかねばならない」と、述べた。
ノーラン監督は、「映画館のスクリーンがより大きくなることを願う。座席もより良くなるであろうことを願う。そして、体験についての高品質なアイデアを強化して欲しい」と、加えた。
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