米ツイッターの主要幹部4人が退職したことが明らかになった。ITメディアサイト『Re/code』によると、プロダクト部門トップのケビン・ウェール氏、メディア部門トップのケイティ・ジェーコブス・スタントン氏が同社を退職したという。また、無料動画共有サービスVine(バイン)の責任者であるジェーソン・トフ氏、エンジニアリング部門のシニア・バイス・プレジデントを務めるアレックス・ロエッター氏も退職した。これを受け、同社は株価の低迷と、投資家が予想するユーザー数の増加に苦闘することになる。
ウェール氏もスタントン氏も他社に移ることは無く、両者の役職は暫定措置として社内の人員が担う。そして、新しいCMOにはアメリカン・エキスプレス副社長のレスリー・バーランド氏を迎えることが発表された。Twitterへの入社は来月2月となる。同社は2015年よりCMOの適任者を探していた。
ケイティ・スタントン氏は、2014年7月に前メディア部門トップだったクロエ・スラッデン氏に代わって就任した。スタントン氏は、米ヤフー、グーグルを経て、ホワイトハウスでオバマ政権の一員として勤務し、国務省に勤めていた経歴がある。
長きに渡り米ツイッターに勤めていたウェール氏は、社員からの人望も厚かった。ウェール氏は昨年秋まで製品開発を担当していたが、プロダクト部門の建て直しを図るため同部門のトップに昇進した。情報筋によると、ウェール氏は同社COOのアダム・ベイン氏と特に親しく、昨年の早い段階で、両氏が同社をリードしていくことになるだろうといういくつかの憶測があった。
しかし、ツイッターの共同創業者の一人であるジャック・ドーシーが、同社を導くために急きょCEOとして戻ってくることになった。昨年10月に、同社の最大規模のサービスのひとつである『モーメント』と呼ばれる機能の立ち上げで主導権を発揮して以来、ドーシーはサービス展開に重点を置いてきた。モーメントは、ツイッター上で受け取る情報をより洗練させ、カジュアルで新しいユーザーからのエンゲージメント(クリック、リツイート、返信、フォロー、お気に入り登録などの行動)を増やすことを意図したものだったが、実際に受け取る情報は雑多なものだった。それにより、モーメントを広めるためのマーケティング・キャンペーンも失速した。
米ツイッターは、2月10日に2015年第4四半期の決算を発表する。ウェール氏とスタントン氏の退職は、投資家が長年待ちわびている同社の再建話を聞くことは今回もないということを示唆している。