ブランド総合研究所による『地域ブランド調査2015 魅力度47都道府県ランキング』では滋賀県は43位。茨城・佐賀・群馬・埼玉に次いでビリから数えて5番目。過去からの推移をみると、2010年36位・2011年38位・2012年37位・2013年36位・2014年39位・2015年43位で、2015年が過去最低位となっています。
出典:株式会社ブランド総合研究所 地域ブランド調査2015 http://tiiki.jp/news/05_research/survey2015
県名変更まで議会で審議された
そんな状況から今年2月の県議会でも県名変更の提案がされました。
滋賀県議会の2月定例会議一般質問で25日、「滋賀」のブランド力の低さから「県名を変更しては」とする提案が出た。同様の提案は前知事時代の2009年にもあり、三日月大造知事は現県名の重要性を強調しつつ、議論を深めることに一定の理解も示した。再三の県名変更提案の背景には、滋賀よりも「近江」の認知度が高い現状がある。
出典:京都新聞(2015年02月26日) http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150226000023
しかし、県民アンケートの結果を見て、県名変更は回避されました。
滋賀県の認知度を上げるために県名を変えた方がいいか否か。県が県民にアンケートしたところ「変える必要はない」が82・8%を占めた。「変えた方がよい」は6・5%だった。27日に発表した三日月大造知事は「今の県名への強い愛着の表れ」と述べ、「滋賀県」で通す決意を示した。
出典:朝日新聞デジタル(2015年7月28日) http://www.asahi.com/articles/ASH7W4SLNH7WPTJB018.html
滋賀県の魅力って何でしょう?
筆者の感じている滋賀県の魅力をまとめてみました。
平城・平安より古く都が造られた
667年に天智天皇が今の大津市に都・大津宮を遷都しました。奈良・平城京遷都が710年、京都・平安京遷都が794年ですから奈良や京都より古くに都が造られたことになりますね。そのため史跡が多く残っています。
画像:大津宮跡 筆者撮影
天台宗総本山・比叡山延暦寺がある
平安時代に最澄によって天台宗総本山・比叡山延暦寺が創建されました。延暦寺は京都にあると思っている人がいると思いますが、滋賀県大津市にあるのですよ。住所は滋賀県大津市坂本本町4220。
画像:筆者撮影
戦国時代・数多くの合戦の舞台となった
戦国時代には「近江を制する者は天下を制す」として、数々の合戦の舞台となりました。県では「戦国の近江」魅力発信事業を実施するようです。
「戦国の近江」魅力発信事業について
滋賀県には城跡や古戦場などの戦国時代の遺跡が数多く存在します。これらは滋賀県の歴史・文化を物語る貴重な歴史遺産です。そこで、これら滋賀県に残る戦国時代の遺跡について、その価値を明らかにし、広く全世界に向けてその魅力を発信することを目的として、以下の4事業を実施します。
1.「戦国の近江」東京シンポジウムの開催
2.連続講座「戦国の近江」の開催
3.英語版解説資料の作成
4.テレビ番組「戦国の近江」の制作
出典:県政eしんぶん報道資料 http://www.pref.shiga.lg.jp/hodo/e-shinbun/ma07/20151021_1.html
江戸時代には主要街道の通過地点として各所に宿場が設けられる
江戸時代には五街道のうち東海道・中山道の2街道が通り、宿場が数多く設置されました。東海道は土山宿・水口宿・石部宿・草津宿・大津宿の五十三次のうち五つの宿場が、中山道では柏原宿・醒井宿・番場宿・鳥居本宿・高宮宿・愛知川宿・武佐宿・守山宿・草津宿(東海道と共有)・大津宿(東海道と共有)の六十九次のうち十の宿場が設置されていました。中でも大津宿は東海道五十三次のうち最大の宿場町として栄えたそうです。
画像:大津宿の面影を残す旧東海道跡 筆者撮影
魅力的なキャラクターたち
ゆるキャラブームの火付け役「ひこにゃん」は滋賀県彦根市のゆるキャラです。
出典:ひこにゃん公式サイト http://hikone-hikonyan.jp/
信楽焼のたぬきも有名ですね。
出典:信楽陶苑たぬき村 http://www.tanukimura.com/yurai/index.html
やっぱり琵琶湖ですよね
滋賀県は知らなくても琵琶湖は誰でも知っていますよね。琵琶湖は滋賀県の真ん中にあり、県の総面積の六分の一を占めています。
琵琶湖についてまとめてみますと、
・滋賀県の面積 4,017.36km2
・琵琶湖の集水域の面積 3,174km2
・南北の延長 63.49km
・最大幅 22.8km
・最小幅 1.35km
・琵琶湖の湖岸線の延長 235.20km
・面積 670.25km2
・南湖の平均水深 約4m
・北湖の平均水深 約43m
・全体の平均水深 約41.2m
・最大深 103.58m
・貯水量 275億m3(南湖2億m3、北湖273億m3)
琵琶湖の生物相は非常に豊かで、約1,100種もの動・植物が生息しています。世界中で琵琶湖にしか見られない固有種も多く存在し、その数は、報告されているだけでも61種に及びます。このうち28種が貝類で、特に巻貝類のカワニナ類は、湖内で最も多様な種分化が進んだ分類群で、15種もの固有種が琵琶湖水系にすんでいます。多景島や白石のように小さな孤島にだけすむ種や湖の浅いところに広く分布する種などがいます。
また、琵琶湖は、毎年、約5万羽の水鳥が訪れる水鳥の重要な飛来地となっています。そのため、平成5年(1993年)にはラムサール条約(正式名称:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)による日本でも数少ない登録湿地となりました。
出典:滋賀県・琵琶湖の概要 http://www.pref.shiga.lg.jp/d/biwako-kankyo/lberi/01shiru/01-04biwako/01-04biwako.html
画像:草津市湖岸 筆者撮影
琵琶湖は京都・大阪の水源として、なくてはならない存在です。
-京都市水道局-
わたしたちの生活に欠かすことのできない水道の原水は,琵琶湖から疏水によって運ばれています。
出典:http://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000007153.html
-大阪市水道局-
我が国最大の湖である琵琶湖をその主たる水源とする淀川は、宇治川、木津川、桂川というそれぞれ特性をもつ3つの川が合流した、我が国では比較的流況の安定した河川で、大阪市をはじめ近畿1,400万人の水道水源として、人々の生活や都市活動を支えています。
出典:http://www.city.osaka.lg.jp/suido/page/0000014782.html
筆者掲載「琵琶湖の水止めたろか!」滋賀県民が言い放つ捨て台詞 本当に京都・大阪は困るのか?
http://getnews.jp/archives/1197012
時代劇のロケ地として素材が豊富
史跡が豊富に残る滋賀県は時代劇のロケ地として様々な映画・ドラマに登場しています。
特に有名なロケ地として、『八幡堀』(近江八幡市)・『三井寺』(大津市)があげられます。
『八幡堀』(近江八幡市)をロケ地とした主な作品
るろうに剣心 2012年公開
るろうに剣心 京都大火編 2014年公開
るろうに剣心 伝説の最期編 2014年公開
柘榴坂の仇討 2014年公開
駆込み女と駆出し男 2015年公開
大奥~永遠~ 2012年公開
武士の家計簿 2010年公開
最後の忠臣蔵 2010年公開
大奥 2010年公開
憑神 2007年公開
『三井寺』(大津市)をロケ地とした主な作品
武士の献立 2014年公開
幕末高校生 2014年公開
柘榴坂の仇討 2014年公開
駆込み女と駆出し男 2014年公開
利休にたずねよ 2013年公開
るろうに剣心 2012年公開
天地明察 2012年公開
大奥~男女逆転~ 2011年公開
筆者掲載 時代劇ロケ地のメッカ~滋賀県
http://getnews.jp/archives/1158009
Web上で始まったPR活動
10月9日から始まった虹予報
滋賀県は10月9日、琵琶湖周辺の虹の発生期待度を「虹指数」で予報する「虹予報」を一般公開しました。
出典:http://www.nijiyohou-shiga.jp/
筆者掲載 琵琶湖へ虹を見に来ない? 10月9日から始まった「虹予報」は観光の架け橋になるか
http://getnews.jp/archives/1242097
12月15日に公式PR動画公開
2015年12月15日に、滋賀県製作による県のPR動画が公開されました。2015年9月13日に「しが広報部長」に就任した滋賀県出身の女優・髙橋ひかるさんが、大津市、彦根市、高島市の魅力の一部を紹介しています。
滋賀のまるごと好きになってほしい~しが広報部長 高橋ひかる~ – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=vREEIaffkGk
筆者掲載 滋賀のまるごと好きになってほしい~ 高橋ひかる出演の公式PR動画どうでしょう?
http://getnews.jp/archives/1314285
まとめ
9月からガジェット通信へ地元・滋賀県で取材した記事を掲載していただいていますが、今まで取材してきた内容を再度まとめさせていただきました。滋賀県は史跡も多く、琵琶湖を中心とした自然も豊かです。これら史跡・自然環境を利用することが、滋賀県の魅力アップには欠かせないと思います。これからもその魅力を取材して、配信していきたいと思います。
―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: yasuu_kusayan) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
コメント
コメントを書く