『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』において、根っからのファンでも気が付かないようなカメオ出演が密かに行われていた。
映画をまだ鑑賞していない人は、カメオ出演の経緯と理由を知らずにおきたいだろう。
(以下、ネタバレ注意)
鑑賞済みの人であれば、デイジー・リドリー演じるレイがルーク・スカイウォーカーの愛用していた古いライトセーバーを見つけ、強力なフラッシュバックを体験する場面を見たはずだ。そのフラッシュバックには、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でルークとダース・ベイダーが戦ったクラウド・シティの内部にレイがいる場面、マントを着たルークがR2-D2と嘆き悲しむ場面、カイロ・レンと彼が率いるレン騎士団による大虐殺の直後の場面、そして幼いレイが砂の惑星ジャクーに置き去りにされる場面を含んでいる。
そのシーンではさらに、オビ=ワン・ケノービとヨーダの声を聞くことができる。ユアン・マクレガーとフランク・オズがそれぞれの役を新作のためにもう一度演じたのだ。そして気の利いた編集のおかげで、オリジナル3部作でオビ=ワンを演じ、2000年に死去したアレック・ギネスも台詞で出演した。
エンターテイメント・ウィークリー誌のインタビューでJ・J・エイブラムス監督は、「ヨーダの声を少しだけ聞くはずです。『帝国の逆襲』以来にルークが“Nooo!”と叫ぶのも。さらに、オビ=ワンが最後に“レイ……これは始まりだ”と語るのも耳にするでしょう」と、語った。
その編集は、ギネスが「レイ(Rey)」と語った録音素材をプロデューサーのブライアン・バークがエイブラムス監督に送ったことで誕生した。かつてギネスが「恐れ(afraid)」を語った台詞の中から抜き出したものだ。
エイブラムス監督は、「旧作ではカットされたものですが、その台詞は、もしアレック・ギネスが生きていれば私が彼にお願いしたであろう言い方を、完璧に表現していました」と述べた。「だから、オビ=ワンがレイに話しかける場面は、正真正銘、ギネスとユアン・マクレガーの二人の声です」(エイブラムス監督)。