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ゲーム業界各社決算まとめ - 2014年春(当たり判定ゼロ)

2014/05/29 23:30 投稿

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ゲーム業界各社決算まとめ - 2014年春(当たり判定ゼロ)

今回はりくぜんさんのブログ『当たり判定ゼロ』からご寄稿いただきました。

※この記事は2014年05月27日に書かれたものです。

※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/586198をごらんください。

■ゲーム業界各社決算まとめ - 2014年春(当たり判定ゼロ)
「きゅうりにハチミツをかけるとメロンになる」というのはよく知られていますが、「たけしの挑戦状を『なんだこの野郎!バカ野郎!』と言いながら遊ぶとアウトレイジになる」というのもよく知られていると思います。本当はさっき適当に考えたのですが、なぜこのようなことに納得できてしまうかというと、たけしの挑戦状は80万本もの出荷を行っており、多くの日本国民の間に情報がインプットされているからなのです。実は私にはあまり友達がいないのですけど、勇気を出して2人に聞いたところ2人ともがたけしの挑戦状を知っていましたので、視聴率方式のサンプルチェックと考えると、国民皆がたけしの挑戦状を知っていてもおかしくないということになります。

たけしの挑戦状は、2コンで歌を歌ったり老人を殴り殺したり画面の前で1時間何もしないで待ったりしないとクリアできず、いずれもノーヒントという紛うことのなきクソゲーですが、これが80万本も売れたという事実は今考えると実に恐るべき事態です。翻って考えると、今のゲーマーは臆病になりました。なぜ無料ゲームがDL数を伸ばしているかというと、カネを払った後にクソゲーを掴んでしまうというリスクを回避するためです。コンシュマーの方を見ても高い割合で体験版が配信されるような状況になっており、みんな安心してゲームを買うことができています。

おそらく今が正しいのだと思います。わざわざカネ払ってパッケージ買って家で「救われた・・・まともなゲームだ・・・」とするリスクを楽しむのはアトラクションとしてスリルがありすぎますし、実にバブリーです。たけしの挑戦状80万本というのはまさにバブルの象徴というわけです。クソゲーのリスクは景気によって人の心の余裕に吸収されるのです。

するとこうは考えられないでしょうか。政府はクソゲーが100万本売れる経済か、皆が無料ゲームで遊ぶデフレの経済であるかで景気動向を判断しているのではないか、と。

願わくば100万人がクソゲーを楽しむ狂った世界が訪れんことを。

ほんとここまでどうでもいいですね。読み飛ばしていただけましたでしょうか。

かれこれこのまとめ7年やってるんですが、同じことをずっとやっても飽きてしまいますので、毎回何らかの足し引きをしていまして、今回はキャッシュ・フローをプラスしています。その代わり営業利益等のバックデータはどけてグラフだけにしました。

とはいえ基本システムはいつも同じなので、三國無双ばりのマイナーアップデートですが、三國無双5みたいなクソ・・・じゃなくて独特な味のあるシステムになっている可能性があります。毎回「前のほうが良かったかなぁ・・・」と思いながら作っています。

さてキャッシュフローと一口で言っても、大きく分けて3つあります。

本業の儲けで増減する営業キャッシュフロー、設備や有価証券の投資や売却により増減する投資キャッシュフロー、借入や株式発行等で増減する財務キャッシュ・フロー。これらは資金繰りの問題だけでなく、「その会社がどこから資金を生み出してどこへ投下しているか」を表す数字でもありますので、その期の会社の性格を見ることができます。

それぞれ各CFがプラスかマイナスかを確認することで分類しますので、2の3乗となり、以下の8パターンがあります。なお、以下キャッシュ・フローは「CF」と表記します。

【事業転換型】
営業CF+ 投資CF+ 財務CF+(以下「転換型」と記載)
本業でキャッシュ・フローが出ているものの、資産への投資を抑制または切り売りしている状態で、加えて資金調達を行っている。事業の転換を行っている可能性が高い。

【事業縮小型】
営業CF+ 投資CF+ 財務CF-(以下「縮小型」と記載)
本業でキャッシュ・フローが出ているものの、投資を抑制しつつ、負債を圧縮している状態。前向きな投資を行わず、不採算事業のリストラ等を行っている可能性が高い。

【投資・成長型】
営業CF+ 投資CF- 財務CF+(以下「投資型」と記載)
本業でキャッシュ・フローが出ており、加えて借入等による金融調達により積極的に投資を行っている。軌道に乗ったベンチャー企業など成長型の企業に多く見られるパターン。

【優良企業型】
営業CF+ 投資CF- 財務CF-(以下「優良型」と記載)
本業で生み出されたキャッシュ・フローで投資を行い借入を圧縮している。十分な収益力を持つ成熟した企業に多く見られるパターン。

【財務逼迫型】
営業CF- 投資CF+ 財務CF+(以下「逼迫型」と記載)
本業でキャッシュが生み出されていないが、資産売却と金融調達で凌いでいる状況。資金繰りが逼迫している可能性が高い。

【資産売却型】
営業CF- 投資CF+ 財務CF-(以下「売却型」と記載)
本業でキャッシュが生み出されていないが、資産売却により借入を圧縮している。再建のための投資ができていない状態で非常に苦しい状態。

【投資・再建型】営業CF- 投資CF- 財務CF+(以下「再建型」と記載)
本業でキャッシュが生み出されていない状態だが、金融調達により投資を行っている。初期のベンチャー企業や再建を行っている企業に多く見られるパターン。

【事業停滞型】
営業CF- 投資CF- 財務CF-(以下「停滞型」と記載)
本業でキャッシュが生み出されていないが、投資を行っており債務を圧縮している。実績があり財務に余力のある企業が不振に陥った際に多く見られるパターン。

たとえば営業CFが+7億円、投資CFが-2億円、財務CFが+1億円だと、営業と財務で調達したお金を投資に回していますので「投資型」に当たるのですが、財務CFがわずかに少ないだけで「優良型」になってしまいます。この場合「優良型」よりの「投資型」に当たると言えるでしょう。

あくまで程度問題ですので、言ってみれば、ハンターハンターの水見式みたいなものだと思ってください。

また、「このCFだとこういう動きをしている可能性が高い」レベルでざっくり切り分けるための最大公約数的な分類なので、完全に信頼できる指標でもありません。この手の指標は、自分で最終判断に至るまでのショートカットができる便利ツールみたいな位置づけにしておくと良いと思います。

マジレスの前置きが長くなりましたが、ここから個々の企業に移ります。

●バンダイナムコホールディングス
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ちひろさんというスーパー営業マンも得て、ここんとこ安定して高収益を維持しています。平成22年度まで右肩下がりでほぼ営業利益0まで来たのですが、そこからきれいなV字回復で今に至ります。ここ2年で言うとアイカツの売上が0→18億→159億と急成長しており、アイカツおじさんたちの年貢がついに形となって現れてきました。実際、子供のいる先輩の話とか聞くと子供たちの人気も高いみたいですね(主に女の子)。ちなみに妖怪ウォッチの売上も今期14億計上されており、来期は70億と予想されています。妖怪ウォッチ関連は各地で売り切れが続いているみたいですが、こういうブームものは生産体制との兼ね合いが難しいですよね。どうしても体制を整えるまでにラグがあるからブームが去ると豪快に空振りしちゃいますし、ブームの期間はもはや神のみぞ知るセカイ。

ゲームソフトを見るとダークソウル2の海外売上120万本が1位となっていますが、フロムが角川にくっついちゃった今、続編で海外デベロッパーを引き続きやらせてもらえるのかは微妙なところかもしれません。ほか、無料で遊べちまうゲームが55万本売れていますが、同じ路線の男塾は短信でも説明資料でも名前を見ることはありませんでした。こっちは私も遊んでいないのでなんとも言えないのですが、無料で遊べちまう路線が維持されているか否かは置いておいて、無料で遊べちまう仲間と思われてしまった時点で致命的だったような気がします。

CFを見ると、営業CFが投資CFと財務CFに回されており、着地でも少しずつ現金を余せている形で典型的な優良企業感あふるる。反面、稼いだカネの中でやりくりしているとも言えるわけで、身の丈にあった経営あるいは冒険をしない経営タイプと言えるかもしれません。

●セガサミーホールディングス
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期末にパチスロ新台の許認可が遅れた関係で当初予想を下方修正しましたが、昨年度と比べるとV字回復。パチスロ部門が昨年度比で倍近い利益を計上していますが、旧セガのコンシュマー事業も健闘。20億円ほどの営業利益を計上しています。スマホ向けではぷよぷよクエストとチェインクロニクルが好調の模様。チェンクロは夏にVita版も出るようですけど、スマホゲーの割にシナリオが濃かったり、重厚長大感の強いゲームなのでVitaのほうが向いてる感はありますね。

CFを見るとコロコロタイプが変わっていますが、昨年度は有価証券の売却という一過性の要因で投資CFが黒字になっているだけですので、基本スタンスで言えば財務の調達有無で成長型優良型の中庸みたいな経営でしょうか。水見式で言えば強化型と放射型の中間みたいなイメージ。もっとも水見式と違って状況に応じてコロコロタイプがタイプが変わっちまうんですけどね。てへー。まぁこの手の分類って健康診断みたいなもんです。オーラの性格は一生モンですけど、健康は治ったり崩れたりしますからね。

余談ですけど、ProjectDiva2はスクラッチの演出が見事でしたねー。「メテオ」とか飛んでくる譜面の☆がそのまま画面演出になってて、ゲームシステムと映像、音楽の演出の一体感がすばらしかったのでヴオーセガスゲーとおもいました。

●コナミ
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ドラコレの失速とともに業績の上乗せ分が剥がれて失速してきた感もありますが、加速前よりも失速してしまい足元の業況は悪いです。来期も今期と同程度の利益見込と劇的な改善要因は今のところ見込めていなさそう。外部環境的には、はよカジノ法案通らんかなというところでしょうが、進捗どうですか?って言いたくなるような状況ですし、ちょっと速度感的には重たい感じ。

ところでパワプロ2013は「サクセスシナリオ9本追加配信!」って言って昨年発売してから今月末に8本目の配信という状況で、もはや次のペナントレースも交流戦に突入しちゃったんですが、パワプロ2014どうするんですかね…。大風呂敷広げて律儀に今も作り続けてくれるのは本当にありがたいことなんですが。もうちょっとパワプロの話をすると、パワチャレというサクセスで作ったキャラを戦わせるモードがあるんですが、オートペナントみたいなCPU対戦じゃなくて、ただ両チームの選手の能力を比べて数値が多いほうが勝つというソシャゲ感極まりない仕様なのが、野球愛なくてヤバイ。AAAEEEの筋肉ゴリラのほうがバランス型よりよい数値になるので、ショートに守備型置くとか工夫するよりも、全員ゴリラ並べたほうが強いというのは往年の長嶋巨人軍のリスペクトか何かなのかなぁと思いました。野球というのは不確実と確率のスポーツなので、そのへんのこだわりがある人が作ってくれると私が喜びます。

そういえばボルテ最近始めたんですけど、いつゲーセン行っても埋まってて若者のゲーセン離れとはなんだったのかという気分に。とはいえ音ゲーからしばらく離れてたんでようやく熱闘BEMANIスタジアムに参加する権利を得て満足デス!

●スクウェア・エニックス・ホールディングス
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サイバーエージェントの藤田社長がドラクエSLリリース後に「ホームランでちゃったかも」と発言されていましたが、その後フェンス際で打球の勢いかなり死んでるみたいなのですが、大丈夫でしょうか。今のところまだ滞空中みたいですけど、外野フライに終わらないことを祈るばかり。

DQSLもそうですけど、ソシャゲやDQ10、FF14と全体的に毎月計上される継続性の高い売上傾向になりつつあるので、コンシュマーの単品ものと比べて数字に底堅さは出てくるはずなのですが、来期はやや減益を見込む様子。底の地層の上に数字が乗らないということは、残念ながらFF15はまかり間違っても出ることはなさそうで残念ですね。すごく無責任なことをいうと、和ゲーの大作不足の中、一気に花火を打ち上げられる可能性があるのはやっぱりFFのような気がするんですけどね。何十億も使ってリスク取って数百万本売って、みんなで「どこまで進んだ?」って会うたびに話せるようなゲームをもう一度夢見てしまいます。ダメだったとしても、「最後の夢」でスクウェアを倒産から救ったFFが「最後の夢」としてスクエニに引導を渡したってすげえ絵になるじゃないですか。ハリウッドで映画化待ったなし!・・・というレベルだから責任ある人はやらないでしょうけれど。

●カプコン
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モンハン4は400万本以上売れて良かったんですけど、それ以外が続かなかったため総計の数字が例年並みに。モンハンのない来期は少し落ち込む形になりそうです。そういえば今年カプコンのゲーム遊んだ記憶がなくて、珍しく印象に残らなかった年度だったなぁと。あと、噂のバイオ7は会社の売上予想から見ると年度内は厳しいのかもしれません。

バイオのソシャゲとかもちょろっとだけ触りましたけど、普通のスタミナ使う系のポチポチゲーで、キャラゲー主体のバンナムと比べるとゲームシステムがウリのカプコンってポチポチ向いてないよなーと思うなどしました。それでも会社の中期計画では「家庭用ゲームソフトよりも開発コストが安価で、在庫リスクや違法コピーの回避が可能なモバイルコンテンツなどの開発を充実強化」とあり、スクエニみたいなモバイルシフトが見られるのかもしれません。

また、パチスロ機とかゲーセン機器のアミューズメント機器部門が前年比売上利益共に40%前後増えていて、特にパチスロがえらい好調みたいです。やっぱパチは長年歴史に鍛えられてきた搾取ビジネスとして年季が違うだけあって儲けの足腰が違うなと。あの業界は搾取の仕組みはあるのだけれど、いつの時代もタイトル不足らしくて、その点知名度のある版権持ってるゲーム業界との親和性は高いのかもしれません。

でもモバイルコンテンツとパチスロ作ってるカプコンって自分のカプコン像と違ってああうううとゲロゾンビみたいな声を出しそうな感じ。いや、時代が、といえばそれまでかもしれませんが。

●コーエーテクモホールディングス
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一時期ちょっと落ち込んでいたのですが、2年前を底に回復傾向を続け、ついに過去最高益を達成。

今期は信長の野望創造とかウイポ8がリリースされてオールドファン大満足の一年だったのではないかと思います。信長は従来より戦略ゲームよりにシフトしておりデザインが大きく変わっていましたが、個人的にはいけるやん!という感じ。合戦の花いちもんめはアレでしたが、無印は実質体験版ですし、PKで改善されれば歴代でも上位の信長になりそうな気がします。

そして昨年のウイニングポスト7の10周年から、ついにウイポ8がリリース・・・!だったんですが、個人的に引っ越しのタイミングと被っちゃって買いそびれてしまいました。新作ではコーエー伝統のオルドシステムを搭載し、子孫を増やしながら欧州を侵略できるシステムと聞いて楽しみにしていたのですが・・・。こちらもPK待ち。というかコーエーって1回作ったゲームを再利用して再利用して稼ぐの上手いですよね。無双OROCHI2とか、『無双OROCHI2』、『無双OROCHI2 Special』、『無双OROCHI2 Hyper』、『無双OROCHI2 Ultimate』ときて、次はPS4版が出るみたいですし。一回くじら釣ってきたら部位を残さず食べて最後に油まで利用する感があります。エコ!

CFを見てみると、毎期本業で稼いだ営業CFを投資CFにあてている形となっています。多くが投資有価証券の購入に充てられており「カネは遊ばせているより使う」という方針ではないかと思います。その結果が財務の方にも出ていて、ソフトメーカーにしては固定資産比率が高めです。結果として本業以外でも毎年多額の配当収入を得ており、このあたりファルコムとは全く対極の経営方針になっていて、経営者の色を感じますね。

●日本ファルコム
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軌跡シリーズが相変わらず好調な歩く現預金株式会社。コンシュマーでスマホのガチャゲーと同水準の利益率を確保しているのは見事というほかありません。CFを見ると、前期は黒字なのに営業CFが赤になっていますが、これは決算前に閃の軌跡を発売して、その売上が改修前になっていて売掛金として滞留しているからですね。この手の営業利益と営業CFの差異というのは、売上の架空計上をしている場合などでも当てはまりますので、差異が出ている計算内訳を見ることで粉飾が判明することもあります。ファルコムの場合は、決算直後に売掛金が回収されていますので、今期は黒字額を遥かに上回った営業CFが計上されています。夏休みの宿題を8月末に一気に終わらす期末集中型の企業独特のCF推移ですね。

今期も閃の軌跡2が9月末に発売なのでやはり例年と同じように期末に一気に売上が立つことだと思いますが、中間でも黒字になっているのが昔と違うところですね。今期も会社予想では中間赤字だったのですが、蓋を開けてみると大きく黒字を計上していました。単身にも細かくは書かれていませんが、軌跡シリーズって発売直後に限らず息の長い売れ方をしているのじゃないかなと思います。PSPやVitaで面白いJRPG無い?って言われたらとりあえず軌跡シリーズ勧めときゃ鉄板的なところもありますし、それくらい今のJRPG市場って王道路線のゲームが少ない気がするんですけど、どうでしょ。

●ケイブ
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平成23年度までは毎年5億円程度の利益を安定して計上しており、その利益の蓄積が優良企業系のバランスシートを作っているのですが、平成24年度から赤転し、ついに3つ目の決算を迎えてしまいそうなEVAC社。ソーシャルゲームへの進出としてはかなり先発組なのですが、最近ヒットが出ていないのが原因ですね。結局アーケードからは撤退してしまって、先般ついにケイブ開発日誌も更新停止*1してしまったのですが、アーケードで培ったノウハウを活かしてスマホで新作ドンパッチンがリリースされました。弾幕を避けて、ガチャで集めたロボットで攻撃して敵をやっつけるシステムですが、やっぱガチャゲーってあたったらデカイからね。ドンパッチンで一発当てて、ケイブも第二のガンホーよ!!

*1:「お知らせ」 2014年5月23日 『開発日誌』
http://cave-game.cocolog-nifty.com/

・・・と思った人がどれだけいたのかわかりませんが、ドンパッチンのリリースと前後してケイブの株価が1ヶ月で4倍近くまで急騰したのをご存知でしょうか・・・。元の株式発行数が少ないので、ドラクエSLでスクエニが2倍になったとかそんなレベルじゃない水準で上がっていって、恐怖のあまり部屋の隅でガタガタ震えて神様にお祈りをしていたのですが、結果的にあまり話題にされることもなくあっという間に下がっていきました。同時期にキティちゃんのゲームもリリースしてたので、どちらか当たればいいや的なところもあったのかもしれませんが。

でも、ドンパッチンを少しでも遊んでいれば「これはヤバイのではないか」というのはすぐに伝わってきたはずなんですけどね。モゲマスのガチャが当たらなくとも寛容を持って迎えられたのは「ちひろだからしょうがないな」というポジショニングができたからであって、ドンパッチンのガチャでカネかけて外したら「ナビタンこのクソポンコツロボがァァァア!!てめぇ今すぐ解体すっぞクソがァ!!」という反応になるのが人としての自然な姿です。ガチャで出てくるのもSSR級を除いて「欲しい」という感情を微塵も誘発しないようなシュールな形状をしたロボットばかりで、スマホのゲームを遊んでいるはずなのになぜか前衛芸術的な何かを体験させてくれます。

何もかもプレイヤーの感情を逆なでする顔をしたナビタンとかいうポンコツがナビゲーターをしているのが悪いと思うので、早いことナビタンを「転校」させてしまうのが手っ取り早いのではないでしょうか。

●日本一ソフトウェア
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ここは決算説明会の開催時期が遅くて、まだそれほど細かいところまでわからないんですが、中間決算で大幅に黒字になっていたとおり期末着地も劇的な収支改善となっています。ソフトで言えば魔女と百騎兵の海外売上が想定よりも伸びたそうです。あとディスガイア4Returnも結構周りでは評判が良かったですね。販売店舗でも売り切れをしているのを目にしました。あと相変わらずビックリマンのライセンス事業が売上1.2億、営業利益1億という謎の高水準。契約わかんないですけど、やっぱ版権ビジネスは最高ですね。

CFを見ると前期・今期とおかしな動きをしています。前期の営業CFが利益に比べて著しく少ない理由は期末に売上が集中したため売掛金となっており回収未了のためです。その手当の資金を短期借入金で調達しており財務CFが見合いで膨らんでいます。一方、今期では前期売上の売掛金の回収が進んだことに加え、利益から計上されるCFもあわせて営業CFが大きくプラスになっています。一方、期中に株式の新規発行で5億円の調達も行っていますので、本来財務CFもプラスになるところですが、借入金11億弱の返済を行っていますので、差し引き6億弱のマイナスとなっています。そのため、バランスシートの自己資本が増加し、負債が圧縮されて健全な状態となっています。とはいえ、増資は株の希薄化を招いて既存の株主に迷惑をかけることになります。これくらいのバランスシートなら増資してまで堅くする必要があったのかなぁとは個人的な感想です。本来希薄化するなら、それ以上の価値を株主に還元できなければならないわけですけど、元々相応に投資用のカネは持ってますしね。それより、低金利だし借入でレバレッジかけたほうが……とは個人的には思うんですが、まぁその辺りも最後は経営者の色ですからね。

●任天堂
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ついに営業利益ベースで赤色が3つ並んでしまいました。

CFで見ても大きく資金流出している様子がわかり、今期に1000億円以上の自社株買い(財務CFに反映)を行ったこともあり、平成22年度に9000億近くあった現預金が現在では4000億少々と大きく目減りしています。ちなみに、平成25年度で投資CFが大きくプラスになっていますが、手持ちの有価証券を売却してキャッシュに変えたことによるものです。

損益の不芳は、かつて2兆円近くあった売上の時代の固定費膨張が重しとなってのしかかってきている状態ですね。しかし足元で販管費が減っているわけでもありませんし、あくまで売上を伸ばして回復させるんだという傾向としては積極的な経営姿勢と言えると思います。

しかしいよいよマリオカート8ですよ!マリオカート8! いつ資料見ても「数字の入れ間違いかな?」という気にさせられるマリカーWiiの3500万本には届かないでしょうけれど、息の長いソフトになるんじゃないかと思います。WiiUのマリオもドンキーコングもかなり面白いですし、ようやく買っても遊ぶソフトに困らないようなラインナップは揃ってきたんじゃないでしょうか。

しかし、マリカー8についてくる無料でソフト2本を1ヶ月遊べる権利ってのはどうなんでしょう。マリカーってその手のブースト必要かなぁと思う一方、この手の無料バラマキでSteamとかPSPlusとかと値下げ戦争しているのを見ると、かつての吉野家松屋すき家の牛丼戦争を思い出してしまいます。胃袋もプレイ時間も有限なので、単価を抑えてしまうと、牛丼戦争みたいに誰かが倒れるか共倒れになるまで終わらない恐れが。牛丼戦争も牛丼以外の外食チェーンとの競争があるしコンシュマーもスマホとの競争があるにはあるんですが、価格が安すぎて社員がワンオペしないと生き残れない未来が来ませんように来ませんように。

あと、任天堂の短信には必ず書かれているのですが、今期も短信は「ゲーム人口の拡大という基本戦略に基づき~」という文言から始まっており、業界を背負っていく矜持みたいなのが垣間見えるのが好きです。

●ソニー
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ソニー名物終わらない構造改革の費用が今年も数百億単位で計上されていますが、もうサグラダ・ファミリアみたいなもんだと思うのが適切だと思います。あんまり構造改革し過ぎるとグチャグチャになりすぎて最後バターみたいになってしまうのではないでしょうか。先般、ソニーがスクエニ株を売却しましたが、それは平成27年度に計上されます。一方、平成26年度ではDeNAの株式売却益409億円が計上されています。え?持ってたんだ?みたいな。

しかしソニーはバランスシート見るのが面白いですね。このまとめの企業で唯一流動負債が流動資産を上回ります。流動資産は、預金もしくは1年以内に現金化できる資産、流動負債は1年以内に支払期限の来る債務ですから、資金繰り的にはよろしくないです。ただ、流動負債の多い理由は銀行業の顧客預金が2兆円近くあるからですが、銀行業の本質って短期で集めた資金をリスクを取って長期で回すところにありますので、業種の性質上解消は難しいところがああって、むしろ流動資産で余しているだけだと顧客に預金利息を払うだけになってしまいます。そのため銀行業をやる以上は(現代ではあまりありませんが)「取り付け騒ぎ」というリスクを潜在的に抱えているわけで、他の業種はお金がなくなった時がダメになる時ですが、ソニーの場合は預金者からの信用がなくなった時がダメになる時となります。金融業を抱えるかぎり、背水が他社よりも一歩前にあるわけですね。つまり、ソニーの最大の収益源である金融業は、同時に最大のリスクでもあるわけです。信用が背水になっちゃうとコンプライアンスとかもガチガチになりがちな傾向があるんですが、まぁその辺りは中の人に聞かないとわからないところです。

ところでお金の話はどうでも良くて、そんなことよりPS4ですよ!PS4!

今のところゲームをやる以外の余計な機能がそんなになくてインターフェイスもゲームに辿り着くまでスッキリしてますし、PSstoreの動作もサクサクで言うことがないんですが、肝心の遊ぶゲームがなくて黒光りするきれいな箱と化してますね。出てくるゲーム出てくるゲーム、レトロゲームからの移植とかPS3からの移植とかばかりで臓器みたいな扱いに涙が止まりません。なんとかPS4で遊ぶゲームを確保しようとダークソウル2とか戦国無双4のPS3版をスルーして移植版を待つという本末転倒なことをしてたんですが、戦国無双4はやはりPS4版が出るようですので、少し救われました。すごくゲーム機らしいゲーム機でコントローラーも触りやすいし画質も綺麗だし、良い本体な感はあるんですけどね。FF15~!早く来てくれ~!

●DeNA
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補強もわりとキッチリやってるし、DeNAが買って以来毎年今年は違うぞという気がするんですが、結果的に開幕直後から現実を見せつけられる現象何なんですかね。特に今年はバルディリスも獲得したし3番梶谷が開幕からいて筒香まで覚醒してるわけで、おまけにセ・リーグ3大魔境の横浜スタジアムをバックに超攻撃打線やないかと思ったら、フタを開けるとリーグ最下位の攻撃力という始末。春先からどすこいは燃えるし、ノリさんはネットで黒くなるという新芸を披露しつつ気がつけば定位置。

ただ今年はここから上がり目しか見えないですからね。攻撃の核のブランコは帰ってくるし、キューバの至宝グリエルが来ます。というかよくグリエル取れましたね。メジャー行ったら確実に10億以上はつくような逸材がキューバパイプのおかげで日本で見られるってのはすごい時代になったもんだと思います。しかしグリエルはセカンド守るみたいですし、ますますキャプテン・タケヒロの出番が(省略されました。続きを読むには9回に守備固めで出場して先頭打者をエラーで出塁させてください。

さて本体はと言うと、ブラウザゲーからネイティブアプリへの流れそのままにとうとう通期でも減収減益。足元でもモバコインの消費料現象は止まらず直近の第4四半期では前年度比75%となっていて、今後も減少が見込まれており翌第1四半期は営業利益で20%を切る予測になっています。あとは任天堂じゃないですけど膨れ上がった固定費を支えられる程度で売上減が止まるか否かが焦点。ソシャゲとは一体何だったのか。

まぁ元々波の激しくて「ヒットの法則、やはりなし」のエンタメ業界ですし、流れは去ったものとして、次の当たりの目を引くまでサイコロを転がし続けるしかないんでしょうねぇ。あるいはここでベイスが優勝して親会社に一発逆転ホームランをプレゼントするシナリオも無きにしもあらずです。

「君は……」「私はあの時助けていただいたベイスです。ご恩をお返ししに来ました」と日本シリーズ優勝旗とDeNAのマスコミ露出、それから常敗球団への出資から優勝までの熱いサクセスストーリーにより国民の関心を取り戻し一気に業績回復するDeNA。そして優勝を楯に年俸増を要求するノリさん。

●GREE
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お友達のDeNAより先に失速してたんですが、お友達も無事失速してホント君ら仲いいなという感があります。足元ではコストカットによってちょろっと増益。とはいえコストカットには限界がありますので、本格回復には売上を伸ばしていく必要があるところ。とはいえ、全盛期ソシャゲの利益水準って通常の商売ではない、それこそバブル的なアレなので、「かつての栄華よもう一度」を望むと永遠に捕まえられぬ青い鳥を追いかける可能性はありますが。第3四半期のコイン消費も昨年度比80%になっており、四半期で並べても、昨年度第2四半期以来5期連続でコイン消費が落ちている右肩下がりの状況にあります。一発ヒットが出れば状況も変わるんでしょうが、最近GREEのゲームってパッとしませんしね…。しかし、このピンチを救ったのはあの時買収したプロ野球球団だったのです……ってGREE球団持ってなかった。何でもプロ野球球団を16にするって話もありますし、現金余ってるんだからいっその事球団持って裁判所じゃなくてセ・リーグでDeNAと白黒つけるというのはいかがでしょうか。

●ガンホー・オンライン・エンターテイメント
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2年で利益が100倍くらいになっているんですが、このパズドラというのはいつ止まるんでしょうか。前にガンホーの歴史に残る急成長を見れたことはイチローの全盛期を見れたような気分、みたいなことを言ったことがありますが、イチローの衰えも急でしたし、その時というのは案外何のフラグもなく急に、そして静かに訪れるのかもしれません。永遠なんてないよ、ってなのはも言ってたのできっとそうなんでしょう。案外モンハンみたいな生き残り方をして気がついたらパチスロに生まれ変わってるような気もしますが。最近のゲームは成功するとパチスロ行きのベルトコンベアに流されていくのだ・・・。

ちなみにネトゲ事業は昨年からついに赤字に転落したらしく、ガンホーが一躍クソ運営としてその名を轟かせたラグナロクの寿命も近づいてきているのかもしれません。プロンテラにさえ全然人いなくて、マジで過疎ってるらしいですし。

ヒャックたん、見ていますか。あの時キムチパーティやってんじゃねぇと煽られていた運営会社はこんなにも大きくなりましたよ……ってイイハナシダナーで締めようと思ったら、ヒャックたん今でもウェブサイト更新してて*2普通にパズドラグッズ集めとるやんけ!お元気にされているみたいで何よりです。

*2:http://www.matnani.com/

(※現在閲覧できません。)

●総括
・ 中間期から引き続き任天堂、コナミ、ケイブが業況としては厳しめ。コーエーが営業利益率としては伸びているものの絶対値としてはそれほどでもなく良好と言えたのはガンホーと、まとめてないけどコロプラ、あとはMixiくらいでしょうか。隊長もきっと喜んでおられることでしょう。このままマーケット拡大できないと本当に牛丼戦争が見えてくる感がありますね。いざ牛丼戦争始まったら高い国産牛使うところも減るでしょうし、ちょっと前のカプコンみたいな試みは続々出てきますかねぇ。

・ PS4とかWiiUの次世代機って一括りでなんというのかわかりませんけど、新世代のゲームって海の物とも山の物ともつかない謎のメーカーが登場しなくなって本当に開発費高騰してんだなぁという実感が。体力勝負という話ならどっかとどっかがくっついて、みたいな流れがあってもおかしくないんですけど、この業界って独立気風が強いのか、その手の話は聞いても救済の時ばかりで、新日鉄と住金が合併して世界一目指すぜみたいな話はトンと聞きませんね。何か気が付くとアトラスが悪魔合体ばかりしてる気がする。

・ DeNAとGREEの焼畑農業は絶対持たねぇというのはだれしも思っていたでしょうけど、わりと燃料切れるの早かったですね。とはいえ、報酬型搾取ビジネスの先輩とも言えるパチンコ・スロットが未だに高利益率上げているのを見ると、なんだかんだで長く生き延びる気はします。

・ PS4が発売されてこれから楽しんでいきたいところ、まさかXboxOneの日本発売がこんなに早いとは思いませんでした。人は、生きれば生きるほどゲーム機の本体が増え続けていくというカルマを背負っているのですけれど、いったい皆はどうやって対処してるのでしょう。正直テレビの周りもう置くとこないんですが。

・ CFの話はそういう分類方法もあるよくらいの豆知識で捉えておくと良いのではないかと思います。こんなの覚えてるよりマリカーのショートカットの場所の一つでも覚えといたほうが得やで。

・ たぶん1万3千字くらいでした。今回もまとめの名を借りたうんこみたいな雑文にお付き合いいただきありがとうございました。

余談ですが、こんなこともう7年も続けてんですね。最初は、何も知らない私がゲーム会社の数字に興味持ってネットで検索したところ、当時は誰も決算に興味なかったのか、市場規模くらいのデータくらいしかなくて仕方なく自分で情報整理したのがきっかけだったんですが、ルーチンで動いている脳死人間なもので、気がついたらこんな時間になってしまいました。今では誰かが勝手にやってくれてニュースサイトにも自動でデータが流れてくる時代ですので、はじめの動機はとうに失われてしまっていたわけです。日が暮れたらお家に帰らねばなりません。

そんなわけで、数字並べ的な決算まとめはあと2回。次の秋の中間と、切り良く次の春の本決算で終わりにしようかと思います。その後は、怒首領蜂遊んでいる間に面白げなデータ加工の方法の一つでもパッと思いついたら適当に書くことにします。今さらこんなこと言うのもなんですが、好きなゲームにまつわる生々しいお金の話ってあんまり好きじゃないんですよね。やっぱこれからは生々しくないゲーム内経済ですよ、ゲーム内経済。よくよく考えてみれば現実なんてどうでもいいじゃないですか。

執筆:この記事はりくぜんさんのブログ『当たり判定ゼロ』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年05月29日時点のものです。

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