このたび、プロジェクトの立ち上げからゲームディレクターとして本作に従事するマシュー・コート氏が来日。直接お話を聞くことが出来た。ゲームのダークな雰囲気とは裏腹に、陽気な彼が笑顔で語る本作の魅力、そして初心者へのアドバイスとは?
『Dead by Daylight』開発者 マシュー・コート氏 インタビュー
[画像:終始ニコニコ顔のマシュー氏]
本作は、1名のキラーと4名のサバイバーでプレイする非対称型のオンラインゲームだ。プレイヤーはキャラクターを選びゲームをスタートすると、自動で他の4名がマッチングされる。
マシュー・コート「このゲームは古典的な80年代のホラー映画やスラッシャー映画にインスピレーションを受けて作ったものです。プレイヤーは殺す側(キラー)か生き残ろうとする側(サバイバー)のどちらかを選んでプレイし、まるでホラー映画の中に飛び込んだかのような気分を味わえるんです。
ゲーム自体はすごくシンプル。4人のサバイバーは悪夢の世界に捕まっていて、その世界から逃げ出すために、出口を見つけ出そうとします。そして、1人のキラーがそれを阻止するために、彼らを探し、ぶちのめし、フックに吊るして、“エンティティ”と呼ばれる邪悪な存在に生贄として捧げるんです! そしてそれが終わればまた最初から始まって、繰り返し……また繰り返し……“エンティティ”が創り出す、終わりのない悪夢です(ニッコリ)」
[画像:4名のサバイバー。洋服も好きなものに着せ替えられる]
伝説的ホラー映画とのコラボレーション
新しいマップと新しいキャラクターが遊べるようになる“チャプター”が定期的に追加され、発表のたびに話題を集めている。ホラー映画ファンならホラー映画とのコラボチャプターは見逃せない。ホラー映画の舞台をそのまま再現したマップや、ホラー映画の伝説的なキャラクターがキラーやサバイバーとして登場してきた。
マシュー「ゲームがスタートして4年、現在13チャプターまで来ました。ホラー映画との初めてのコラボは2年前、『ハロウィン』のマイケル・マイヤーズとローリー・ストロードです。(記者の着ていた『ハロウィン』Tシャツを見て)……君はもう知ってるね(笑)」
[画像:ゲーム内のマイケル・マイヤーズ。キラー名は“シェイプ”]
マシュー「それから『エルム街の悪夢』のフレディ・クルーガーとクエンティン・スミス。『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスに、『スクリーム』のゴーストフェイス、『死霊のはらわた』のアッシュなどですね。ホラー映画とのコラボに関しては、最重要ホラーレジェンドのリストを作っていて、それをどんどん叶えていった形です。リストはそんなに長くないので、まだわずかに実現していないものもあるけれど、ほとんどは実現できました」
興味深いのは、『Dead by Daylight』からホラー映画のファンになる層も少なくないということ。伝説的ホラー映画『ハロウィン』(1978)の同名続編が日本で2019年4月に公開されたが、オリジナル版を知らない若い層も本作でマイケルやローリーのファンになり、劇場に詰め駆けた。
マシュー「“キャラクターは知ってるけど映画は観たことがない”という層も、ゲームでキャラクターをプレイしてみて、興味を持って映画を観てみたということはよくあるみたいですね。『Dead by Daylight』は若いプレイヤーが多いんです。僕なんかはもちろん世代だけれど、オリジナルの映画がリリースされた頃には生まれてなかったという世代も沢山いるわけで。それで、自分の好きなキャラクターがどういうふうに映画に出ているのか知りたいと思って映画を観る場合が多いみたい」
[画像:映画『スクリーム』とのコラボキラー“ゴーストフェイス”]
「日本のホラーはすごくユニーク」
ホラー映画とのコラボ以外の、オリジナルのストーリーやキャラクターも非常に魅力的だ。中には日本のホラー映画からインスピレーションを受けたものもあるという。
マシュー「2018年に実装したチャプター『断絶した血脈』に登場するキラーの“スピリット”は、『リング』の貞子がインスピレーションになっています。貞子そのものではないんだけどね。すごく気味の悪い、霊的なキラーです。
日本のホラーはすごくユニークですね。独特の雰囲気や見せ方をもっていて、日本独自の恐怖の作り方をしていると感じます。それが我々のゲームの世界観にもマッチしました。既視感のなかにひねりを加えていて、どこか居心地良くない感じを作り出している。恐怖のテンションも独特だし、バイオレンスを直接的に見せずに、観客に予測させるような作り方をしているのも面白いですよね」
『ストレンジャー・シングス』の世界を体験
新たに配信がスタートした、Netflixのオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』とのコラボチャプターも大きな話題を集めている。マップには、ドラマに登場したホーキンス国立研究所が追加され、キラーとしてクリーチャーのデモゴルゴン、サバイバーとしてナンシー・ウィーラーとスティーブ・ハリントンが追加された。
マシュー「『ストレンジャー・シングス』とのコラボはこちらからオファーしました。Netflix側もゲームのことを知ってくれていて、オファーにすぐ乗り気になってくれましたね。説得する必要すらなかったんです。スムーズに話が進んで、これまでのコラボの中でももっとも楽しく出来ました。
今回のコラボでは、『ストレンジャー・シングス』の世界に飛び込んだかのような感覚でゲームをプレイできます。特にキラーのデモゴルゴンをプレイするとその感覚が強く味わえると思いますね! マップもホーキンスのラボをそのまま再現しているので、マップの中を移動していると“ここであのエピソードのあの事件が起こったんだ”というようなことにも気付くと思います。それに加えて、このゲームではホーキンスを舞台に『ハロウィン』のローリーと逃げたり、『エルム街の悪夢』のフレディに追いかけられたりといった、普通ではありえないクロスオーバーが楽しめるのも面白いところだと思いますね!」
ホラーファンが集まった開発メンバー
ゲームの様々なところにホラー映画からのインスピレーションが感じられるのが楽しい本作。ホラー映画ファンならば、「これの元ネタはあの映画かな?」と予想するのも楽しいだろう。開発メンバーにはホラー映画ファンが揃っているという。
マシュー「僕の好きなホラー映画は『キャビン』、そしてスティーブン・キングが好きなので『IT/イット』。あとはチャッキー(『チャイルド・プレイ』)も大好きです! ゲームの開発にあたって、ホラー映画を観ることは義務ではないんだけども(笑)、開発メンバーはみんなすでにホラージャンルの大ファンなんですね。なので、例えば“『ストレンジャー・シングス』とのコラボをやるよ!”といえば、みんなやる気マンマンで作品をチェックして、リサーチを進めてくれる。『ストレンジャー・シングス』は非常に面白いドラマなので、そういった作業も楽しかったですね。
まあ、このゲームに携わっていると年がら年中コワイものに接することになるので、1、2年経つと「あぁ、お花やチョウチョが恋しい…」と言ってチームを異動してしまうメンバーもたまにはいますよ(笑)。社内では色んなゲームを扱っていますからそれでも問題はありません。でもほとんどのメンバーはみんなすごく楽しんでやっていますよ!」
[画像:映画『SAW』とのコラボキラー“The Pig”。映画でおなじみのビリー人形も登場する]
これからゲームを始める人へのアドバイス
[画像:「真面目な表情はこれしかできません」と言うマシュー氏]
Nintendo Switch版も発売され、モバイル版のリリースも控えているという本作。「あらゆるユーザーにこのゲームを届けたい」と野望を語るマシュー氏に、本作をこれからプレイする人に向けて、アドバイスをいただいた。
マシュー「最初はすごく難しくて何度も死ぬだろうし、大いに痛みを伴いますが、でもそれでいいんです。ホラー映画の世界を体験してるんですから。ホラー映画の世界ではたくさんの人が死ぬでしょ? でもどんどんスマートな立ち回りを覚えて、勝てるようになっていく。そうすると、すっごく楽しくなってくると思います!
僕は怖いのは嫌なのでいつもキラー側でプレイしますよ(笑)。キラーは怖いことは何もありませんから! 僕がいちばん好きなキラーは、初期のキャラクターの“ハグ”です。ジャンプスケアにぴったりのキラーなんですよね。サバイバーがハグのトラップに引っかかって悲鳴をあげてくれると、僕はとってもハッピーです! 怖いのが苦手ならぜひキラーでプレイしてみてください!」
[画像:マシュー氏お気に入りのキラー“ハグ”]
【ゲーム概要】
『Dead by Daylight 公式日本版』
ジャンル:ホラー・アクション
プレイ人数:2 人~5 人(オンライン専用)
対応機種:Nintendo Switch™/PlayStation®4
発売元:株式会社 3goo / Behaviour Interactive,Inc. CERO :Z(18 歳以上対象)
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―― やわらかニュースサイト 『ガジェット通信(GetNews)』
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