『シムシティ』といえば20年ほど前に世界中で大人気となった都市経営シミュレーション。パソコンでリリースされていたのだが、ヒットの切っ掛けは任天堂が発売したスーパーファミコン版の『シムシティ』。パソコン版をよりライトに仕上げチュートリアルなども付け加えてリリース。
世界中で大ヒットとなり今では数々の『シム』シリーズが発売している。それ以降は『シムシティ』の亜流ゲームも数多く出てきているが、やはり都市経営シミュレーションと言えば『シムシティ』だろう。今回はそんな『シムシティ』発売直前にベータに当選したので、ベータを遊んだ体験談を紹介したい。今回のベータ版は24時間限定でしか遊ぶことができない。
●まずはチュートリアル
最初に起動するとチュートリアルが開始される。市長宅前では多くの市民によるデモ抗議が行われている。なにやら不満がある市民が市長のところに来たようだ。しかしプレイヤーは何をやって良いのかわからないはず。そんなときに手助けとなるパートナーが「エヴァ」である。チュートリアルでは道路の作り方、家の建て方から、下水の引き方、消防署の建て方まで教えてくれる。チュートリアルの指示に従うと自然と市民の不満も解消されていく。課程で隣町にものぞきに行くことができる。隣町はカジノもあり観光町となっている。あきらかに我が町は田舎である。
●いざプレイ
チュートリアルが終わると実際に遊ぶことが可能。何もない土地を自分の待ちへと発展させていくのである。最初は「クリアウォーター」という海沿いの土地である。もちろんこの土地の名前も後々変更可能。最初にあるのは土地とそれに隣接している高速道路のジャンクションのみ。
そのジャンクションから道路をひっぱてきて区画整理を行うことにする。今作では道路は7種類存在し、それぞれ用途によって使い分ければ良い。簡単に説明すると安い道路は混みやすく場所も取らない。高い道路は設備費も掛かり場所(幅)もとってしまうが渋滞を緩和できる。
今作は道路沿いに建物が建つので、道路を上手く敷き詰めるかがコツとなる。ところで今作には地形エディタが見当たらないのだが、前作のように高低差をいじくる『ポピュラス』遊びはできないのだろうか。
●街の形に迷う
今までの『シムシティ』シリーズはまっすぐにしか道路や線路を引くことができなかったが、今作は円状、曲線状と自由な形に形成することが可能。その道路を敷いたら今度は今までにあった、住宅、商業、興業である。過去の作品で「RCI」と呼ばれていたもので、今作もその需要ステータスは存在する。
今作も同様に初期は住宅と工業のみで、中盤から工業を作って行けば比較的大きな街へと発展するようだ。でき上がった街は円上の街となった。こんな見た目のきれいな街も簡単に作れてしまうのである。
●ライフラインの準備
しばらくすると住民が住み始める。その直後に「電気がない」「水が欲しい」と文句を言い始める。ワガママな住民である……当然? そんなワガママな住民のためにライフラインを確保。水は「給水塔」、電力は「風力発電所」でまかなえる。もちろん初期段階の過疎った街ならでは。これがメガロポリスとなるととてもこれらの設備ではまかなうことができないので、火力発電所や原子力発電所を必要とする。
●施設を作ろう
住民の不満はある程度解消された。しかし重要なことを忘れていた。なんと我が市長が働く役所の建設を忘れていた。これは重要である。ちなみに役所を住宅の近くに建てると、近隣住民は喜ぶので住宅街に建てると良いだろう。同じような効果で公園も住民が喜ぶ。逆に公害となるものは住民のテンションを下げてしまうので注意。
役所ができたら、今度は警察に消防署、そして病院に学校が必要である。どれもそんなに安い物ではないので、建てるのは要求されてからでも良いだろう。
●施設を「編集」で増築
今回の『シムシティ』では建てたらおしまいではない。ほとんどの建物が建てた後に編集することより、増築、オプションなどが可能。警察署を例に挙げると、パトカーや拘置所を追加で作ることが可能。もちろん有料である。
シャトルバスでは街の至る所にバス停を設置することが可能。住民が多そうな場所を狙ってバス停を作ると良いだろう。
●住民全てが生きている
今作はズームして建物の詳細を見ることができ、歩いている人の名前を見ることもできる。「追跡」を押せば歩行者や車、バイクを追跡してどこへ向かうのか画面が自動的に追ってくれる。自宅に帰る人などを追跡してどの家に住んでいるのか眺めるのも楽しいだろう。
デモ運動を行っているプロ市民の名前を確認することも可能である。名前を確認したからといって、何かとできるわけではないが。できるとしたら家を潰すくらいだろうか。
●もちろん隣の街ともつながる
チュートリアルでも習うのだが、今作は隣の街と繋がり電力などを供給しあえるのである。『シムシティ4』でも隣あった街を作ることができたが、それの発展版である。隣が大都市であればそこから観光に来る人も多く、こちらの住民が向こうの街に働きに行くということもある。まさにソーシャル的な楽しみ方ができる。
基本的には過去の『シムシティ』の面白さままに、グラフィックの強化やより自由な街作りを可能とした今作『シムシティ2013』。まさに箱庭を造っている感覚に陥る今作。ジオラマのような街並みは見ているだけでも飽きることがない。
今回遊んだのは2月17日限りのβ版。製品版は更にできることが多くなっている。『EAストア』の『Origin』専用版であるデジタルデラックス版は、イギリス、フランス、ドイツの都市が付いておりヨーロッパ三昧なようである。日本や中国版も欲しかったところだ。もちろん製品版でもレビューを行いたいと思う。
開発者曰く「なんでもできる。やろうと思えば自分の住んでいる街そっくりにも作ることができる」とのことである。そんな夢のような『シムシティ』の新作が3月7日に発売となる。パソコン要求スペックは高めなので、動作スペックを確認して購入頂きたい。『アマゾン』で購入すると都市セット(フランス)のダウンロードコードとマウスパットが付いてくるぞ。
※この記事は、ゴールドラッシュの「ソル」が執筆しました。