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こんにちは、マガジンハウスです。今日は多くのメディアでご活躍中の加藤俊徳先生が、脳タイプを知ることができる最新刊を出されたと聞き、お越しいただきました! 加藤先生といえば、1万人以上の脳のMRI画像を鑑定してきた、脳のスペシャリスト。脳は場所ごとに担う機能が異なることから、その場所を“脳番地”と名付けたことでも有名ですね。たとえば、聞き上手な人の脳画像を見ると、聴覚系の脳番地が特に発達しているなど、脳番地の発達が、その人の個性として現れることを、これまでもわかりやすく解説されてきました。

加藤 「うん、だから未発達な脳番地を発達させると、新しい自分になれる。苦手なことも克服できるんですよ」

――――……と、さらっとおっしゃいますが、まずその「未発達の脳番地」がわかりません(笑)。

加藤 「正確にお知りになりたいなら、うちのクリニックでMRI脳画像診断を受けるのがいちばんですよ」

――――でも……お高いんでしょう~?

加藤 「(笑)なので、今回この本で、簡単に今の自分の“脳の使い方”を調べられる、<『脳タイプ』チェックシート>を作ったんです。8つの脳番地をさらに、「感情」「思考」「情報処理」の3つのエリアに分けて、それぞれがどれぐらい使えているのかをチェックするテストです。

――――そのチェックの結果から、自分の脳の使い方が判定されるわけですね! 

加藤 「はい、今回はその脳の使い方を8タイプに分類しました。簡単に説明すると……」

――――「自分」というものを強烈に持つ【マイペース脳】タイプ、感情よりも理論で考える【アカデミック脳】タイプ、自由をこよなく愛する【クリエイティブ脳】タイプ、縁の下の力持ちとして実力を発揮する【サブリーダー脳】タイプ、なんでもそつなくこなせる【バランス脳】タイプ、誰とでもうまくやっていける【サポーター脳】タイプ、ピカイチの行動力を持つ【ストレート脳】タイプ、ある分野に突出している【スペシャリスト脳】タイプ、の8つですね。それぞれのさらに詳しい説明は本書でご確認ください。

加藤 「そうですね、チェックシートで自分がどの脳タイプに属するのかがわかると、自分はどんな人間なのかがわかりますし、なりたい自分になるためには、それに近い脳タイプの、脳の使い方を真似すればいいんですよ」

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『加藤プラチナクリニック』院長、『脳の学校』代表の加藤先生。脳に興味を持ち医学部を目指したのは、14歳のときだったそう。

――――(数分後)チェックシート、やってみたんですが、かなり難しかったです。というのも、やりながら自分のことがわからなくなっちゃって。たとえば、「手先が器用で、家事やものづくりが得意」という項目。じっくり考えるほど、私ってどっちだったっけ? って悩んじゃいました。

加藤 「あのね、得手不得手で言うと、人間って苦手なことは苦手と思ってないんですよ」

――――えっ、どうして?

加藤 「苦手ということは、その部分の脳番地が発達していないからなので、自覚しにくいんです。そもそも“ない”部分なので、意識しづらい。だから人間は、いくら周囲から欠点だと言われても、なかなかそれを直すことができないんですね」

――――なるほど~。自分より、周りのほうがよく見えてるんですね。ところで先生ご自身は、どの脳タイプと判定されました?

加藤 「僕は、【アカデミック脳】でしたね」

――――ああ、思考と情報処理がとても発達している一方、感情エリアが働いていない(笑)。

加藤 「うん、全部できても1つ苦手なことがあるとコンプレックスになる(笑)。ちなみにこの本の編集をしてくれたマガジンハウスのKさんは、【サブリーダー脳】で、これはすごくよく当たるテストだなあと我ながら感心しました(笑)」

――――栗原はサブリーダーですか! あ、名前出しちゃった。

加藤 「ぴったりでしょう、僕みたいな著者と、うるさい上司の間に挟まれて、とても上手に色々処理してくれて」

――――これ、自分以外の人を勝手にテストしても面白いですね。

加藤 「そう、是非それもやってみてください。他人をテストしてみると、人とコミュニケーションがとりやすくなります。人を今以上にわかり、好きになれるんです。だから、働いている部署単位でやるといいですよ。会社は、8タイプさまざまな脳の人がいて、それを認められるのが理想ですよね。あと、わがまま上司には、テスト結果を見せて自分をわがままだとわからせたほうがいい(笑)」

――――性格や才能の違いだと思ってあきらめてた人間関係も、脳の個性だと知れば克服できそうです。

加藤 「今ってみんな、自分を振り返る能力が欠落していると思うんです。ネットとか言葉の情報に支配されていて、客観視できなくなっている。例えば、どんな人でもすべての悩みを克服はできないですよね、どんなに叩いても伸びないことはある。それを認められれば、脳タイプを変えられるんです」

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「このテスト、面白いねえ」と、自らの著書を楽しむ加藤先生。

――――先生ご自身も、理数系に比べて苦手だったという国語と英語がいつのまにか得意になられて、こうして著書もたくさん出してらして(笑)。

加藤 「そう、才能がないんだと諦めていた分野も、実はそれに必要な脳エリアが使いこなせてなかっただけなんですね。それを自覚して、鍛えていけば、何歳だって脳は成長します」

――――何歳でも?

加藤 「ええ、僕のところに来られた方で、80歳から81歳にかけて、小学生並みにめまぐるしく脳が成長したケースもあります。100歳だって脳は伸びますよ」

――――それは興味深いですね。苦手なもの、たとえば受験科目などを強化するというのは惹かれませんが、脳の使い方を変えるというのは、自分の可能性が広がりそうで夢があります。

加藤 「脳トレは、それまでの自分を変え、前進させますよ。僕のように、苦手科目が得意になるから、受験にもいい。ちょっとぐれてて勉強なんてやってられないよ、って子でも、脳が伸びるって聞くと、面白そうだからやろうって(笑)」

――――自分の脳タイプを知るのは、自分を伸ばすことにもつながるんですね。

加藤 「あと、自分と違う脳タイプを目指すのも脳トレ。鍛え方がわかれば、日によって、インザモーニング、ストレート脳でいってみよう、なんて、なりたい脳になれるのも楽しいと思うんだよね」

――――ルー語、いいですね! とってもポジティブな先生ですが、いま悩みっておありですか?

加藤 「僕? うーん……本の作りすぎで、マンネリにならないことばかり考えて悩んでるとか(笑)。あとは、歳のせいか髪が少なくなってきたとか」

――――毎日楽しそうでうらやましいです。私も、新しい自分に変わるために、脳トレがんばります!

DSC5320-1024x1540.jpg脳の鍛え方は本書でたくさん紹介していますが、加藤先生の脳トレ法は? 「僕の研究を、アインシュタインならどう思う? 御釈迦様なら? あいつが自分だったらどうする? と考える。違う脳タイプになりきって考えることで、苦手な脳番地が活発になります」(写真・中島慶子)

今週の推し本

『あなたの頭がもっと冴える! 8つの脳タイプ』 加藤俊徳 著
ページ数:224頁
ISBN:9784838728404
定価:1,404円 (税込)
発売:2016.04.14
ジャンル:自己啓発
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