2016年3月5日(土)マウントレーニアホール渋谷にて、シンガーソングライターの林ももこ(以下 ももこさん)初のホールワンマンライブ『林ももこ Concert 2016-CLEAR-』が開催された。当日は会場いっぱいの観客が、ももこさんの歌声で鼓膜を揺らすために集結。そんなファンの気持ちを魅了する彼女の歌声にはいったいどのような思いが込められているのだろうか?
多くのファンに楽しいひと時をお届けするシンガー“林ももこ”とは何者なのだろうか? ももこさんは、テレビアニメ『フレッシュプリキュア!』EDテーマを担当し、作詞・作曲家として各作品に楽曲を提供しているシンガーソングライター。これまで、“中森明菜”や“奥田美和子”に作詞家として楽曲提供をしてきた。また、自身のライブでは“来てくれた人たちの居場所になる”をコンセプトにアーティスト活動を行っており、これまで東名阪ワンマンライブツアーを成功させている。
ライブ開演前の会場では、観客たちがコソコソと準備を進めていた。2階から当日のワンマンライブのタイトルが書かれた大弾幕をセットしたり、どの席から見ようか悩んでいたりする人など。そんな中、一人の女性が「始まるまえにこちらを読んでおいてください」と1枚の用紙をわたしている。それは、“ももこさんへみんなで作ったRAINBOWをプレゼント!!”というサプライズ告知だった。まさに、今回のライブテーマである『霧の向こう、挑戦した山の頂上から、最高の景色を!!!』にピッタリのプレゼントではないだろうか。もはや観客は、ライブを“楽しむ”のではなく、ももこさんを“驚かせる”ことを第一に考えているようだった。
ライブが開演し、バンドメンバーのPf.安保一平さん、Syn.西村奈央さん、Gt.渡邉幸啓さん、Bass.小倉愉史さん、Dr.五十嵐琢馬さんがステージに登場した。バンドメンバーの登場に観客は拍手でむかえ、そのまま主役のももこさんの登場を今か今かと待ち望んでいる。そして、お待ちかねの“林ももこ”が登場するやいなや、会場いっぱいの歓声と拍手がマウントレーニアホール渋谷に響きわたり、ワンマンライブがスタートするのであった。
スタートと同時に、オープニング曲『笑って笑って』をはじめ、『After the rainbow』、『落書き』など、計35曲を披露。観客も時おり立ち上がって応援したり、タオルを回したりするなど、天真爛漫な笑顔を向けるももこさんにマッチするようなハイテンションの盛り上がりを見せる。それに応えるかのように、ももこさんの思いを込めた歌声が会場中に響きわたった。
ももこさんは以前『Wonder-holic』というユニットを組んで活動していた。ユニット解散後は自身の“歌を歌いたい!”という思いを捨てきれず、ソロアーティストとして活動をはじめる。それもあってか、ももこさんのライブの見どころは、バンドメンバーとのアンサンブルだ。ももこさんの歌声に合わせて、伴奏とサイドボーカルが一体となって曲を演奏する。その様子は、まるでパフォーマンスを披露しているかのようだった。観客もライブを“聞きにくる”ではなく、“観にくる”といった雰囲気。初めて会場に足をはこんだ記者も、その光景に魅了されて、思わず涙腺を緩ませてしまうほどだった。何よりも、ももこさんやバンドメンバーが楽しくステージで披露しているのが、観客にとってはうれしい演出だったのかもしれない。
そして、終演前に今回のワンマンライブ注目のサプライズ企画が敢行された。アンコールのときに観客のメッセージカードがももこさんにプレゼントされる。そのとき、会場の照明が落ち10秒ほどの暗闇がおとずれた。すると次の瞬間、ふたたび照らし出された会場の光景にももこさんの目が点になってしまう。なんと、観客全員が7色のペーパーフラワーをかかげてマウントレーニアホール渋谷に虹を描いていたからだ! 突然のサプライズに、さすがのももこさんも我を忘れてア然としてしまう。彼女にとっては、山の頂上から、最高の景色をその目に焼きつけた気持ちだったのではないだろうか。まさに、林ももこホールワンマンライブを会場全員で作り上げた瞬間だった。
そんなももこさんからライブ後にコメントをいただきました。
――初のホールワンマンライブを終えてのご感想をお願いします。
ももこさん:ライブハウスで開催するワンマンライブとは一味も二味も違って、高揚感と音の波に埋もれました! 知らないこともたくさんあって、ライブ本番まで大忙しでしたが、チームのみんなとお客さんに支えられたホールワンマンライブを迎えられました。まだ、ライブが終わったという実感がないぐらい余韻にひたっています。
――それでは、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
ももこさん:助走の一年を越えてホールワンマンライブの虹を一緒にわたってくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。これからも虹の橋をわたって、今いるステージから次のステージへと一緒に歩いていけたらと思います。本当にありがとうございました!
自分のライブに来てくれる人たちの居場所を作り、多くの人たちに歌声を届けてきたももこさん。そんなももこさんは歌うことが大好きで、誰よりも聞いてくれる人たちや一緒に活動をしてくれる仲間のことを大切に思っている。今日まで“ももこさんのために何かをしたい!”“どうすればももこさんに喜んでもらえるのか?”といったお互いを支え合うギブアンドテイクの関係を築いてきた。それがももこさんのライブの魅力であり、観客を楽しませる要素なのかもしれない。そしてなにより、“林ももこ”というシンガーソングライターが、誰かの心に響く歌声を届けたいという気持ちが、ファンに伝わっているからだと思う。
※画像は公式提供写真より
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(執筆者: バラン野島) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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