池袋マルイにてヴィレッジヴァンガードによる『百合展2016~放課後に、そっと咲いた一輪の花~』が開催されている。2月22日(月)~28日(日)。業界横断と銘打たれているように出版社やプロアマを越えた百合の名作作品が揃えられたこの展示会に行ってきました。百合が好きです。
参加クリエイターは以下の通り。
漫画家:雨隠ギド、伊藤ハチ、缶乃、岸虎次郎、高嶋ひろみ、YUI_7、吉富昭仁
写真家:長谷川圭佑、ゆりあ
プロジェクト:Lilygirl
(敬称略)
あっ、もう…ありがとうございますとしか言えないラインナップ!
個人的に『ひらり、』参加の橋本みつる先生がここに加わっていてもよかった! トートバッグや缶バッヂなどが揃えられていると聞いて足取りも軽く池袋駅からマルイへ向かいいざ4階へ。
会場の様子
あっ…もうこれだめだ。
筆者を軽く失望が襲う。夕方に到着した時点ではグッズの棚はガラガラでした。そうだよねいいことだ…百合が売れるのはいいことだ…!
内心焦りましたが、お目当ての品はぎりぎり在庫が残っていたので獲得できました。店員さんに尋ねたところ再びの入荷は週末ごろに入る予定とのこと。しかしこの手の展示会は本当に初日が勝負なのだと実感しました。懸念される方はまめに確認されることをおすすめします。
缶バッヂはどれも百合っぷるが大写しで愛らしい。
伊藤ハチ先生『小百合さんの妹は天使』のトートバッグは大人気でした。かわいいよね、ヤンでデレな妹が小百合さんを襲う素敵な漫画です。
会場の雰囲気はこんな感じ。百合の雰囲気をわかっていらっしゃる。そうだよね、白い布って百合なんだよな。
リアルと二次元のコラボ作品は缶乃先生のイラストを長谷川圭佑さんがリアルに具現化したというこの…おふう…もう…何…この…。
先生方のメッセージ
見所は何といっても作家先生方の生原稿や生イラストや生写真で撮影可能ですが、それは実際に会場でぜひご覧頂きたいところです。ここでは各先生方が描かれたヴィレヴァンのあの『POP』をちょこっとご紹介。ちなみにTOP画像は加瀬さんシリーズの高嶋先生のPOPです。上から雨隠ギド先生、伊藤ハチ先生、そして缶乃先生の額へのサインです。コミックス全部持ってます、す、す、すきです……。デビュー前から好きな先生もおり筋金入りの筆者的には垂涎でした。
加えて開催と同時に雨隠ギド先生からはこんな宣伝ツイートが。
そうなんです、ギド先生のグッズに描かれた百合っぷるは先生の百合を網羅している筆者にも覚えのないカップルだったので自分が漏らしている漫画があるのかと慌てましたがこのような補足があったので納得。ありがたき幸せ…! 気になる方は直接ギド先生の『Twitter』アカウントをチェックしてみましょう。
一般誌にBLに百合にと大忙しの先生ですが何年でも待つので創作同人でも商業でもいつかこの百合を…この百合を…具現化して頂きたい…。す、す、すきです…。
百合に関する一考察
『ひらり、』廃刊以降の百合ファンには百合のよりどころとなる全年齢向けのアンソロジーが消失してしまい、やはり百合とはまぼろしか…と意気消沈した時期もありましたが今回の展示会が業界横断と銘打たれているように百合は今もって存在している。いや、点在している、と言えばいいだろうか。
百合を支える百合ファンが世に一定数存在するのは明らかでコミケットでも『創作百合』のジャンルを打ち立てる声があがっているようだが、百合ファンはどちらかというと打ち立てられた作為的な百合現象よりも、隠れた百合を見出すことに喜びを覚える傾向がある。それがジャンルとして確立することをまた困難にしているのではなかろうか。
店員さんとお話したところ初日ということもあったためか『ひらり、』編集長が来店していたとのこと。「もう少し粘りたかったとおっしゃっていました…」とのこと。聞いたか。なんたる無念のお言葉。われわれにできることはせめて残された百合単行本の在庫を各出版社、特に新書館の倉庫からは一切合財洗い出されるくらいに駆逐し売り切れを続出させて復刊を促すことでは…!
しかし、出版は化け物である。むしろナガレモノの『百合』を具象化させて、『百合は、あるんだ…存在するんだ』ということころまで高めてくれたのが『ひらり、』の役割だったのではなかろうか。
個人的にはそれまでもかわいい女子を描いてくださっていた作家であるところの橋本みつる先生や桑田乃梨子先生による百合漫画を提供してくださった時点で『ひらり、』は偉大なのだ。『マリみて』以降の百合ファンを確実に受け止めてくれる役割をも果たしていたに相違ない。
実際業界横断で百合展が成立したのは多数の出版社で現在ジャンルとしての『百合』が確実に打ち立てられるようになった証拠でもある。汎用化された、といってもいいのかもしれない。
とにかく開催期間は一週間しかないので百合が好きなら行ってみよう。百合を、漫画で読んでみよう。生の原稿には神が宿っていましたよ。
名前だけでも覚えていって…ほんとイイから
そして展示会には登場しませんがこの記事で作者が連呼する橋本みつる先生に興味を覚えた方はリンクを貼っておくので買って読んで頂きたい。お金をもらって連呼しているわけではないんですよ。ガジェット通信リモートライターとしての立場も忘れてただの百合好きとして推しています。そんなことはどうでもいいから…もう百合がどうとかではなくて…百合なので…是非お願いします。
百合展2016
http://www.yuriten.com/ [リンク]
新書刊 ひらり、コミックス
http://www.shinshokan.com/hirari/comic.html [リンク]
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(執筆者: 小雨) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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