2016年2月17日午後5時、延期されていた我が国の最新鋭X線天文衛星『ASTRO-H』を載せたH-ⅡAロケットが種子島から打ち上げられました。このロケットでの打ち上げは30回目となり、信頼性の高さを伺わせる素晴らしい打ち上げとなりました。
時を同じくして東京・品川。このロケットの主幹開発企業である三菱重工の本社ビルでは、2階の同社ショールームで同時中継パブリックビューイングを開催。JAXAでのロケット打ち上げパブリックビューイングはなんとなく有名ですが、企業でのパブリックビューイングはどのようなものだろうと興味があったので、行って参りました。
M’s Squareに行ってみる!
品川駅からウッドデッキを歩いて徒歩5分ほどにある三菱重工ビル。その2階部分に三菱重工ショールーム『M’s Square』はあります。営業時間は午前9時30分~午後6時。入場料はもちろんタダ。隣にはカフェスペースを備えたファミマもあって周辺環境良好です。
三菱重工ショールーム「M’s Square」ホームページ
http://www.mhi.co.jp/discover/mssquare/
入り口付近にはH-IIA/Bロケットに搭載されている高性能エンジンLE-7Aの実物が鎮座しております。ここに至るまでには涙ぐましいストーリーがあるのですが、それはまた別の機会に。脇にはH-IIAの模型などもあります。
中に入ってみると、三菱重工の主力製品や模型がズラリ。船や航空機、電車といった華やかなものからエンジンやプラントまで、なんでもござれ状態(詳しい展示物の紹介については、公式サイトを確認して下さい)。
三菱重工の雄となるか、三菱リージョナルジェット(MRJ)もあります
極めつけは天井からぶら下がったISS(国際宇宙ステーション)の模型。日本の「きぼう」や「こうのとり」が確認できます。
ライブパブリックビューイング
さて、打ち上げ予定時刻5時45分に対し、開場は5時から。筆者が到着した4時50分には既に15人程の行列が出来ていました。サラリーマン風の人から子供連れのお母さんまで、多種多様な人々が集まっていました。
開場して席につき、しばらくすると今回打ち上げられる人工衛星の紹介ビデオが始まります。その映像が終わる頃に後ろを振り返ってみると、開場から溢れんばかりの人々が! 50人以上は来ていたでしょうか。ベビーカーで駆けつけていたお母さん達も数多くいらっしゃったのが印象的でした。中には外国人の方もいて、かなり関心度は高いのだなあと感じます。
刻一刻と打ち上げ時刻は近づき、いよいよ10秒前になると子どもたちが一斉にカウンタの大合唱。
「さん、にー、いち!!」の声と共にロケットの大轟音。会場内から湧き上がる大きな拍手と共にどんどんロケットは空に吸い込まれていきます。雲に隠れることなく、青い空に登っていくロケットをマジマジと大人も子供も見守ります。
SRB分離、1段目分離の度に湧き上がる歓声。そして衛星のASTRO-H分離では再び一際大きな拍手が起こります。三菱重工の広報の方もホッとした様子。
特に三菱重工の方から詳しい解説などはありませんでしたが、ノベルティグッズもいただき、なんともアットホームで日本らしいパブリックビューイングだったと思います。
次世代ロケットH3の絵が書かれたクリアファイルに三菱重工印のカレンダー。日本のロケットも次のステージにいよいよ進みます。
規模が違うので安易に比較は出来ませんが、筆者の経験だと例えばアメリカでは野外の原っぱの上にレジャーシートを敷いてビールを飲みながらロックバンドやカントリー歌手の前座などを織り交ぜつつ、USAコールでロケットを見送ったりするスタイルがあります。
東京だと場所の確保などが難しいかも知れませんが、これはこれで会社帰りにも見れて良いなあ、としみじみ思いながら品川を後にしました。今後もこのような機会が増え、多くの人、特に子供達が宇宙開発に興味を持ってくれると良いですね。
H-IIAロケット30号機打上げのパブリックビューイング開催のお知らせ
https://www.mhi.co.jp/news/story/1602155726.html
※写真は筆者撮影。モニタの映像は宇宙航空研究開発機構(JAXA)提供。
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