妊娠中の女性が感染した場合、小頭症の症状を持つ新生児が生まれる可能性があるとして、ジカ熱に対する関心が高まっています。
ジカ熱とは、1940年代にアカゲザルから単離されたウイルスの一種。一昨年、日本でも騒ぎになったデング熱ウイルスと同類のウイルスです。
感染しても、相当数の方が不顕性感染(症状が出ない状態)を示しますが、発熱、関節痛、発疹などの症状が出ることが知られています。
今年はリオデジャネイロオリンピックが開催されることもあって、妊娠中の女性の観戦は控えるようにという意見も多いようです。
ジカ熱は蚊によって媒介されるため、屋外でオリンピック競技を観戦する場合、罹患する可能性が高いというわけでしょうね。
ここにきて、ブラジルのサンパウロ連邦大学が、ジカ熱に感染した小頭症の患者の網膜がジカ熱を引き起こすウイルスによって変性を起こしていることがわかり、米国の医学雑誌に発表しています。
アメリカ・ノースウエスタン大学のリー・ジャンポル氏によると、ジカ熱に感染して小頭症を引き起こした新生児の網膜の35%以上に、ジカ熱ウイルスによって起きた変性が確認できることを指摘しています。
また、検査によっては、目で見たものを脳に信号として送る視神経にも影響が起きていることがわかる例があり、ノースウエスタン大学のリー・ジャンポル教授は、小頭症を引き起こしていない新生児も、母親がジカ熱ウイルスに感染している場合は、新生児を、眼科専門医の検査を受けさせるべきだと主張しています。
しかしながら、ジカ熱が流行している地域は、眼科専門医の数はもちろん、できる検査が限られています。
流行を食い止めるには、蚊が増えないように、消毒などの措置を徹底することが重要です。
しかしながら、感染流行地域が広がっていることをみると、一国ではなくWHOをはじめとした国際機関による複数カ国の封じ込めが重要だと思われます。
※写真はイメージ PHOTO AC http://www.photo-ac.com/main/detail/16833?title=%E8%9A%8A%EF%BC%94 より
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(執筆者: 松沢直樹) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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