和歌山県、大阪府、奈良県、京都府、滋賀県、兵庫県、岐阜県の関西7府県の観音霊場33寺院から構成する西国三十三所札所会は1月26日、記者発表会を開催。日本最古の巡礼所である西国三十三所が始まって1300年を迎えることを記念した“西国三十三所草創1300年記念事業”を発表しました。
西国三十三所は西暦718年(養老2年)、奈良県の長谷寺を開いた徳道上人が閻魔大王に会い、巡礼で人々を救うよう宣託を受けると同時に33の法印を授かり、これにより33か所の観音霊場の巡礼が始まったことに由来するとのこと。2018年にはこの草創から1300年を迎えることから、2016年から2020年までの5年間、記念事業として各種の行事を展開していきます。
発表の会場となったのは東京・浅草の浅草寺にある五重塔。西国三十三所と同じく観音菩薩をまつる東国最大の観音霊場であることからこの事業の趣旨に賛同、東京での発表の場を提供したそうです。
観音菩薩が鎮座した会場の講堂では、33寺院から集まった僧侶による読経が行われるという、厳かな雰囲気で発表会が始まります。
浅草寺“西国三十三所草創1300年記念事業”発表会での読経 (YouTube)
https://youtu.be/RKUhHJEVnJU
記念事業の幕開けとして、滋賀県・石山寺で3月25日に“開白法要”が開催されます。石山寺座主の鷲尾遍隆氏によると、この日は33年に1度の観音供養の日にあたるとのこと。当日は本尊である如意輪観世音菩薩の特別拝観、重要文化財の“お姿なきご本尊と守られた胎内沸像”の特別公開が予定されています。これを皮切りに、西国三十三所では2020年までの5年間、通常は非公開となっている建物や秘仏の特別拝観を実施することが発表されました。
発表された記念事業のロゴマークには、観音菩薩が西国三十三所の巡礼ルートを身にまとうデザインを採用。毎月、指定された日時にこのロゴマークをあしらった特別な朱印を発行する“月参り巡礼”の行事も予定されています。
1300年前の巡礼を再現するために、全長1000kmにもなる巡礼ルートを3年かけて徒歩で回る“西国札所 古道 徒歩巡礼”も5月から開始。会場では巡礼者が、当時と変わらない白装束の衣装を披露しました。徒歩巡礼は距離やルートに関係なく、一般も参加できるそうなので、興味を持った人は事務局に問い合わせてみては。
西国三十三所札所会事務局
TEL:077-548-8621
ユニークな行事として、女性や家族連れが気軽に参加できる“スイーツ巡礼”も提案しています。巡礼者に栄養と気力を与えるために、西国三十三所の各札所や茶店で提供されてきたお菓子。今回、三十三所から100種類以上のスイーツがエントリーされ、ロゴマークのシールを貼って販売されるそうです。せんべいやまんじゅうといった伝統的なお菓子だけでなく、プリンやロールケーキなど、確かに「スイーツ」と呼べるものもチラホラ。気になるスイーツを事前にチェックして、スイーツの食べ歩きで巡礼に参加してみるのも楽しそうです。
西国三十三所 巡礼の旅
http://www.saikoku33.gr.jp/
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