レトロゲーム愛好者の間で、今年に入ってから顕在化して来たある異変が話題になっています。その異変とは、ファミコンやPCエンジンなどのレトロゲームを扱う専門店で海外のコレクターやバイヤーによる買い占めが原因で在庫が急速に枯渇しているというもので、中にはこの動きを「このままでは日本のレトロゲームもかつての浮世絵のように海外へ流出して国内から失われてしまうのではないか」と“文化の危機”と受け止める声も出ていますが、一方で「どの国でも大事にしてくれる人の手許に行くなら良いのでは」と静観する意見もあります。
レトロゲームを求めて来日するバイヤーは中国、米国、ヨーロッパ、オーストラリアなど地域や国籍を問わず多岐にわたっており、その多くは日本で仕入れたゲームソフトをeBayなどのネットオークションでコレクター向けに販売したり、自国の海外ゲーム専門店に卸したりしているとみられます。また、東ヨーロッパや中南米では日本で1980年代に発売されたハードの根強い愛好者が多く、また発売当時は海外で不振だったPCエンジン(Turbo Graphix16)もHuCARD用ソフトに良質なアクションやシューティングゲームが多いとしてヨーロッパのコレクター間で再評価の機運が高まっていることも買い占めの背景にあるようです。
ショップにしてみれば利益が上がるので悪くないことのように見えますが、逆に売るための商材の仕入れ(買い取り)は低調なためサイクルを維持できなくなっており、中には開店休業に近い状態の店も出ていると言う報告も『Twitter』などで見られます。最近では郊外のハードオフや発売当時に仕入れたものが売れ残って不良在庫化していた個人経営のおもちゃ屋などにもレトロゲームを求めて海外のバイヤーが来店する姿が見られるようになっており、日本のレトロゲーム争奪の動きはまだまだヒートアップが続きそうです。
参考:レトロゲームの海外流出を巡る現場の声(Togetterまとめ)
http://togetter.com/li/735579
画像:eBayに出品される日本のファミコンソフト(検索結果画面)
※この記事はガジェ通ウェブライターの「84oca」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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