毎年ラスベガスのホテルで行われている世界最大の格闘ゲーム大会 『Evolution』が、7月12日より3日間に渡り開催された。今年は会場を例年の『シーザーズ・パレス』から、『Westgate LasVegas Resort&Casino』に移して行われ、男女問わず子供から年配の方まで、世界中から多くの格闘ゲームファンが集結した。
『Evolution』では、『ウルトラストリートファイター4』『大乱闘スマッシュブラザーズDX』『アルティメット マーヴルvs.カプコン3』『ブレイブルー クロノファンタズマ』『インジャスティス:神々(ヒーロー)の激突』『Killer Instinct』『鉄拳タッグトーナメント2』『ザ・キング・オブ・ファイターズXIII』の計8種目が行われ、賞金総額は一千万円以上、配信サイト『Twitch』の最大同時視聴者数が約15万人、現地に設置された『ニコニコ生放送』ブースから行われた日本語実況解説放送は、最終日だけで来場者数25万人と、過去最大の盛り上がりを見せた。
『鉄拳タッグトーナメント2』での弦選手(13才)が準優勝したのを皮切りに、『ザ・キング・オブ・ファイターズXIII』でもプロゲーマーときど選手が準優勝と、日本のプレイヤーが大活躍。サブホールで行われた、サイドトーナメントと呼ばれる大会でも多くの種目で優勝した。
ゲームを制作したアークシステムワークスが多額の賞金を追加したことで話題となった『ブレイブルー クロノファンタズマ』の決勝戦は、賞金総額350万円を賭け、どぐら選手とガリレオ選手の日本勢同士で争われた。
『Evolution』では、ダブルイリミネーション制という敗者復活制度を設けており、1度負けてもルーザーズトーナメントで勝ち続ければ優勝することが可能となっている。決勝戦となるグランドファイナルは3試合先取で行われ、敗者復活プレイヤーは3試合を2度(1回多く)勝たなくてはならない。
ルーザーズから勝ち上がってきたガリレオ選手にとっては厳しい条件だったが、この逆境を見事跳ね返し勝利した。あと一発で敗北となるギリギリの状況からの逆転劇を何度も演じ、最後のラウンドを取った方が優勝となる熱い試合展開に、会場は大きな盛り上がりと感動に包まれた。格闘ゲームの持つエネルギーや、熱い思いが感じられる素晴らしい試合なので、普段格闘ゲームを観ない方々にも是非目を通して欲しい。
【ニコニコ動画】EVO2014 day3 BBCP GrandFinal ガリレオ vs どぐら part1
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24000070 [リンク]
●日本勢の3年振り王座奪還なるか ウルトラストリートファイター4
盛り上がりを締めくくる最後の種目となったのは『ウルトラストリートファイター4』。参加者が2000人、多数のプロプレイヤーが参加する注目タイトルなだけに、トーナメントは熾烈を極め、プロゲーマーのウメハラ選手、ときど選手、マゴ選手をはじめ、韓国のInfiltration選手、中国のXiaohai選手、前年覇者シンガポールのXian選手、優勝候補のかずのこ選手と、多くの有名選手が次々と敗退していく波乱の展開となった。
そんな厳しいトーナメントを勝ち抜き、決勝に駒を進めたのはボンちゃん選手、そしてルーザーズトーナメントからはLouffy選手が勝ち上がった。ボンちゃん選手が勝てば、3年ぶりに日本にタイトルを持ち帰ることになるだけに、『ニコニコ生放送』で行われた日本語応援配信も大いに盛り上がった。
ボンちゃん選手(日本)は『TOPANGAリーグ』での素晴らしい結果が記憶に新しいプレイヤー。Louffy選手(フランス)は多くの日本のプレイヤーを倒して勝ち上がってきた選手で、アーケードスティック型のコントローラーではなくパッド型のコントローラーでの参加となった。
ボンちゃん選手の操るサガットは、タイガーショットをメインに戦ういわゆる“砲台キャラ”、対してLouffy選手の使うローズは、ソウルリフレクトというマフラーを使った技で、タイガーショットを跳ね返したり吸い込んだりできるキャラクター。いかに弾を捌かせずに撃つかが試合の焦点となった。
試合は、Louffy選手が前述のソウルリフレクトを非常に上手く使いサガットの動きを止め、前ダッシュでの奇襲や、ウルトラコンボ“ソウルサテライト”で押し返す試合展開で、ギリギリの試合を何度も逆転し最初の3試合先取を3-1で勝利。
五分の条件となり最後の3試合先取。ボンちゃん選手も戦略を変え対応するが、Louffy選手もそれに対応。再度3-1で勝利し、見事『ウルトラストリートファイター4』初代チャンピオンに輝いた。
●ボンちゃん選手ミニインタビュー
―― 惜しくも準優勝となりましたが、とても素晴らしい結果だと思います。満足度はどれぐらいでしょうか?
ボンちゃん選手(以下ボンちゃん): 80%ぐらいですね。
―― 初めて最終日の壇上に昇った感想はいかがでしたか?
ボンちゃん: 嬉しかったですねー。最近は色々な大会で上位に入ったりしてたので、緊張は無いだろうなと思ってたんですが、緊張しちゃってたみたいです(笑)。
―― やはり普段の大会とは違いましたか?
ボンちゃん: そうですね、最初の動きが固かったのは緊張から来るものだったと思います。
―― アドバンテージがなくなった瞬間はどんな思いでしたか?
ボンちゃん: 最初の2試合は試してる部分が多かったので、追いつかれるのは想定内でした。なので焦りとかもなかったし、次は分がある試合ができると思ってました。
―― ローズ対策はしていましたか? 一番対策していたキャラクターは?
ボンちゃん: 今までローズに困った事が基本無かったんです。なので完璧に対策できてたかと聞かれると答えはNOになっちゃいますね。特に対策していたキャラ……強いてあげるならフェイロン戦はずっとやってました。
―― 惜しくも準優勝となったわけですが、次に向けて考えていることはありますか?
ボンちゃん: 今年は海外の大会で優勝したいという目標があるのでそれですかね。
―― 今後もサガットだけで参加される予定ですか?
ボンちゃん: サガットだけでいくかどうかはまだ分からないですが、これだけ長い期間使ってるので簡単には変えたくないですね。
―― カプコン公式の国内大会も控えてますし、海外遠征もされる予定ということで、カプコンカップへの出場権も獲得されると思います。最後に意気込みを聞かせていただけますか?
ボンちゃん: 事前に対戦相手が分かる大会なのでしっかり対策を積んで迎えたいですね。特に今回のEVOで負けたLouffy選手には負けられないと思ってます。
―― 本日はお忙しいところありがとうございました。今後のご活躍期待しています。
日本でも専門誌が創刊されるなど、大きな盛り上がりをみせる“eスポーツ”。その中でも“格闘ゲーム”は、日本のプレイヤーの活躍が目立つ。最近はメディアで取り上げられることも増え、注目度も高まっている、日本発の文化“格闘ゲーム”に注目していただきたい。
【ニコニコ動画】EVO2014 day3 ウル4 GrandFinal Luffy vs ボンちゃん part1
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24001834
ボンちゃん 『Twitter』 @katitagaribon
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