「うわー、リン・シェイ!! こんなん絶対プレイするでしょ!」

『インシディアス』シリーズの霊媒師エリーズ役ほか、新旧数々の作品に出演してきた“出てると嬉しい”ホラー映画のクイーン、リン・シェイのご尊顔が堂々と配されたキービジュアルだけでテンションがブチ上がってしまった。各プラットフォームで現在発売中のゲーム『クアリー ~悪夢のサマーキャンプ』である。

ゲーム好きだけでなく、「ホラー映画ファンにも楽しんでもらおう!」という心意気をヒシヒシと感じるこのゲーム。ひとりでじっくり、または複数人でのプレイも可能で、否が応でもホラー気分が高まるハロウィンシーズンにぴったりの一作。ハロウィン向けの新DLCも発表されたばかりだ。※詳細は記事末

リン・シェイのほかにも、サム・ライミ作品の愛すべき常連俳優であるテッド・ライミ、『スクリーム』シリーズや、最近だと『スプリー』にも出ていたデヴィッド・アークエット、『殺人魚フライングキラー』『エイリアン』シリーズのランス・ヘンリクセン、『ツイン・ピークス』シリーズのグレイス・ザブリスキーが出演するという、めちゃくちゃ粋なキャスティング。カメオではなくがっつり登場し、映画的な世界観を盛り上げてくれる。

ホラー映画定番の世界観で遊ぼう!

はてさて、プレイヤーがコントロールするのは上記俳優陣が演じる“大人たち”ではなく、いかにもホラー映画で犠牲になりそうな9人の“若者たち”だ。

舞台は採石場でのサマーキャンプ。最終日にとある事情でキャンプ場に取り残されたキャンプ指導員の若者たちが、想像だにしない恐怖の一夜を過ごす……。このベタな設定が逆に嬉しい。

恐るべき運命が待ち受けているとはいざ知らず、ひと夏の恋にかまけたりしているカワイイ若者たち。ふふふ、呑気ね……。

ゲームは映画仕立てのムービーで進んでいき、プレイヤーはストーリーの中でそれぞれのキャラクターの言動や行動を選択していく。その選択によって彼らのたどる道は無数に分岐。彼らがどんな形で生き残り、あるいは死ぬのか、そして物語がどんな結末を迎えるのか、すべてはプレイヤーの手にかかっているのだ。

さらに突如発生するQTE(クイックタイムイベント)に如何に対応したかによって、運命が大きく変わってしまうことも。脅威から逃げている最中に転ぶのはホラー映画の定番の展開だが、本作では“転ぶかどうか”もプレイヤーの手にかかっている。絶対に転ぶタイプの女子を颯爽と逃げ切らせる爽快感たるや……!

想像を掻き立てる不穏な伏線

では、この物語における“脅威”とはなんなのか? 本作ではそれを前もって明示せず、ストーリーを進める中で明らかにしていく作りになっている。

「サマーキャンプが舞台だから『13日の金曜日』『バーニング』的な殺人鬼モノっしょ?」と安直に予想しているプレイヤーを愚弄するように、物語が進むごとにどんなサブジャンルにも転んでいきそうな不穏な伏線が続々と登場。心霊現象のような何か、不気味な警官、採石場にまつわる怪談、怪しい地下室、事情ありげなキャンプ長……。

この“想像は掻き立てるがこれ見よがしなヒントは与えない”塩梅がなんとも絶妙で、新たな何かに遭遇するたび「もしかして『ブレア・ウィッチ』系!?」「まさか『恐怖のいけにえ』か!?」というように、色んなホラー映画のタイトルが浮かんでワクワクしてしまう。

真実につながる“手がかり”の捜索も重要な作業のひとつ。周囲を自由に歩き回れるタイミングでは、くまなく歩いて証拠品を探すのが楽しい。自分の手でも伏線を見つけていく感覚だ。時には生存に有利なアイテムを手に入れられることも……。

「私ならこうするね」を実践できる面白さ

ホラー映画を観ていて登場人物の行動にやきもきした経験があるなら、映画的な世界観の中でキャラクターをコントロールできる楽しさをより味わえるはず。「私ならこうするね」と思う行動を実践でき、そしてそれを踏まえた結果を見ることができるわけである。でも、果たしてそれは望んだ結果をもたらすだろうか……?

筆者は、初見プレイでは「若者全員を生き残らせよう」という聖人のような心構えで頑張ってみたのだが、単純な選択ミスとQTEでのミスが響いて、最終的には結構な数の死体が積み上がった上に何も解決しないというなかなかの胸糞エンドを迎えてしまった。ごめん、ごめんよう……。

しかし、こういった想定外の展開になるからこそ面白いのだ。正しい選択をすることの難しさを知れば、『ミスト』のお父さんへの同情も更に深まるというものである。経験を踏まえての再プレイもまた楽しく、筆者は2回目のプレイでは「全員殺す」の意気込みで臨んだりもした。それはそれで難易度が高いのだが……。

ホラー映画愛を感じるディテール

往年のホラー映画への愛を込めたディテールも楽しいポイント。

オープニングムービーが『死霊のはらわた』の“死霊目線”を模したカメラワークだったのにはばっちりハートを掴まれてしまったし、物語の分岐点が記録される画面では、それぞれの分岐点がホラー映画風のVHSジャケットを模したレトロなグラフィックで表現されていたりする(めちゃくちゃカッコイイ!)。プレイしながら、こういったシャレた小ネタを探すのも楽しい。

ビビリでも楽しめて、やり込みたくなる

自分で操作するホラーゲームには、ときにホラー映画以上の怖さがあるもの。しかし、別のホラーゲームで具合が悪くなるほど怯えて途中断念したほどビビリの筆者でも、本作は時折絶叫しつつも最後まで楽しんでプレイすることができた。事の真相が気になってグイグイ進めてしまう感じだ。

また、プレイ中に分岐が発生するとそれが画面に明示されるので、別の展開が気になって再プレイ欲も湧いてくる。最初からやり直さずとも過去の分岐点からやり直せるようになっており、やり込みしやすいのも嬉しい。

一人でプレイするのはどうしても怖いという方は、複数人でプレイするモードがオススメ。オフラインの協力プレイモードでは、どのキャラクターを誰が担当するか決めてプレイできるし、オンラインマルチプレイでは、ホストが最大7人のプレイヤーを招待して、重要な選択を多数決で決めるという遊び方ができる。

全11点の画像が表示されない方はこちら

ハロウィンDLCは50年代風コスチューム

ハロウィンに向けた新DLCとして、キャラクターたちを50年代風のファッションに着替えさせられるコスチュームが無料配信中(無料期間後は有料購入可能)。これに合わせ、クラシックなホラー映画をイメージした新トレーラーがYouTubeで公開されている。本編のネタバレがあるので、ネタバレに触れたくない方は30秒手前あたりで止めておくといいだろう。

新トレーラー:https://www.youtube.com/watch?v=wc8vZPt0wyc[リンク]

ハロウィンシーズンに、秋の夜長に、本作を是非お楽しみあれ!

『クアリー ~悪夢のサマーキャンプ』 発売中
プラットフォーム:PlayStation5、PlayStation4(パッケージ版、デジタル版)、Xbox Series X|S、Xbox One(デジタル版)、Windows PC(Steamで販売)
レーティング:CERO Z
https://quarrygame.2k.com/ja-JP/[リンク]

DLC「50年代風キャラクターコスチューム」
PlayStation®5(PS5™)、PlayStation®4(PS4™)、Xbox Series X|S、Xbox One、Windows PC(Steam)で配信中
※日本時間2022年11月2日午前2時まで無料。期限終了後は550円(税込)で別途購入可能

RSS情報:https://getnews.jp/archives/3353067