5月5日、ブログ『ゲームレガシー』に「発売元の社長が明かす、アメリカで異例の成功を収めた日本産PCゲーム「テグザー」海外進出のいきさつ」というエントリーが公開されました。
発売元の社長が明かす、アメリカで異例の成功を収めた日本産PCゲーム「テグザー」海外進出のいきさつ(ゲームレガシー)
http://blog.livedoor.jp/trakt/archives/1855338.html
『テグザー(THEXDER)』といえば、1985年にゲームアーツがPC-8801mkIISR用ゲームとして発売、当時は珍しかった滑らかなアニメーションと8方向スクロール、FM音源による美しいBGMが話題を呼んだ名作PCゲーム。MSXやファミコンなど幅広い機種に展開し、2009年にはスクウェア・エニックスからPSP版とPS3版の『テグザー ネオ』が発売されています。
ブログのエントリーは、『Mystery House』や『King’s Quest』シリーズなどで知られる米国のPCゲームメーカー・シエラ社の創業社長が、1986年に自社製品の売り込みで日本を訪れたところ、『テグザー』に夢中になって逆に米国に持ち帰り、その後米国でも発売してヒットしたというエピソードを振り返る内容。
「いい話!」とエントリーを編集部で共有したその数日後。ガジェット通信の母体である未来検索ブラジルのコンテンツ制作部棟梁・上坂哲氏が「これ、こないだのやつ」と、筆者にあるものを手渡しました。
こ、これは……! 1987年に米国でPC/AT互換機向けに発売されたシエラ版『テグザー』の実物のパッケージじゃないですか! そう、上坂氏は『テグザー』『シルフィード』を生み出したゲームデザイナーなのです。「日本には10本も残ってないんじゃないかなあ?」と上坂氏。ブログの話題から、貴重なお宝発掘につながってしまいました。
「THEXDER」タイトル下にある「日本で最も売れたアクションゲーム」の説明に加えて、パッケージ右下には「50万本以上売れた!」の煽り。
対応機種はPC/AT互換機。「MS-DOS」の名称が懐かしいです。
パッケージ裏面の説明画像には、「シールドなしで面クリすればボーナスだぞ」「ロボット~戦闘機の変身は8ブロック必要!」という日本語がそのまま印刷されていて、なんとも味わい深い。
作者として上坂氏の若き日の姿も。当時22歳だったそうです。この若さで自作ゲームで全米進出……カッコよすぎます。
パッケージの中身は、3.5インチのフロッピーディスク1枚と5インチフロッピー2枚、マニュアル、シエラ社のカタログと保証書。なぜフロッピーが2種類? と思ったのですが、上坂氏によるとパッケージを分けて販売するより一緒にしてしまう方がよいので、当時はこういう形態のパッケージがあったのだとか。
マニュアルは操作ガイドと、裏1面がフルカラーの攻略マップ&キャラクター紹介! 30年近く(!)前の物がこれだけ保存状態がよいのは、かなり稀なのではないでしょうか。
ところでこのフロッピー、実際に使えるのでしょうか? 「MS-DOSのエミュレータ使えば動きそうだけど、フロッピードライブがないよね」と上坂氏。5インチはともかく、3.5インチのフロッピードライブを持っている人間はいないものか……。
いました。『Twitter』で100万人規模のユーザーをブロックし、“おふがおチャレンジ”なる祭りでトレンド入りを果たした男、おふがお氏(@OffGao)です。
参考記事:
Twitterで240万人をブロックする男『おふがお』氏 インタビュー
http://getnews.jp/archives/1452871[リンク]
さすがレトロゲーム&レトロPCに造詣が深いおふがお氏。『thinkpad X200S』でWindows 98をブートし、3.5インチフロッピードライブからディスクを読み込むと……。
タイトル画面が出た! Windows PCで1987年の、しかもフロッピーに入ったゲームが起動できたのです。
もちろん、キーボードを使って実際にプレイ可能。
クレジットには「Sierra On-Line」という当時の社名と、ゲームデザインとして「H. Godai – S. Uesaka」の名前が。期せずして、日米のゲーム史に残る金字塔とも言える作品を体感することができてしまいました。
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