2020年東京オリンピック・パラリンピック開催まで残り半年。開催を目前に、東京の至る所で都市の再開発が行われています。中でも注目されているのが、品川駅から田町駅に至る広大なエリア、いわゆる「アジアヘッドクォーター特区」に新設される「高輪ゲートウェイ駅」の開発です。
山手線に新たに駅ができるのは1971年の西日暮里駅以来、実に約50年振り。
東京オリンピック開催と同年2020年3月14日の開業を目指し、2017年2月から着工が開始されています。山手線、京浜東北線を通る駅として既に多くの利用者が見込まれています。
新駅誕生を前に、改めて「高輪ゲートウェイ駅」が位置する「アジアヘッドクォーター特区」とは一体どんな街なのかご紹介したいと思います。
新築マンションポータルサイト『MAJOR7』の「住んでみたい街アンケート」(2019年9月26日発表)によると、1位「恵比寿」、2位「品川」、3位「目黒」。昨年に引き続き品川は2位にランクインしました。この結果から、いかに今品川が注目されているかが伺えます。
人気な街の理由として挙げられるのが、生活の利便性。 交通アクセスは言うまでもありませんが、生活に欠かせない商業施設の充実さが品川の大きな特徴とも言えるでしょう。
元々東海道の宿場町「品川宿」があったこのエリアは、物流の拠点として数多くの歴史があり、それを受け継ぎながら現在は東海道・山陽新幹線の発着駅となっています。
品川駅には「ルミネ ザ・キッチン品川」「アトレ品川」などの駅ビルがあり、2005年にはエキナカの「エキュート品川」も相次いで開業。また、2003年には駅前にショッピングセンター「ウィング高輪WEST」と「ウィング高輪EAST」が開業、品川駅は商業施設の街として急速に発展していきました。
一方、2003年の東海道新幹線の品川駅開業により、改札の港南口が誕生したことで港南エリアも急速に姿を変えていきます。
三菱重工やソニー本社など、企業の高層ビジネスビルが数多く建設され、港南エリアは「ビジネスタウン」として変貌を遂げることになりました。現在、数多くのタワーマンションも建設されており、港南エリアの人口は今もなお増加しています。
【新駅「高輪ゲートウェイ」】
「高輪ゲートウェイ駅」は「グローバルゲートウェイ品川」をコンセプトに、 2024年頃のまちびらきを予定している新しい街の核として、東京と世界をつなぐ玄関口となることを目指し、命名されました。
JR東日本は、品川駅から品川新駅、田町駅に至る開発エリアを「グローバルゲートウェイ品川」と名付けており、やがてこの地域が「首都圏と世界、国内の各都市をつなぐ広域交通結節点としての役割」を果たすと考えているそうです。新駅の誕生年でもある2027年には、名古屋までの間で開業するリニア中央新幹線の始発駅となることも決まっているため、首都圏の玄関口としての役割を担っていきそうです。
さらに品川駅からは、京浜急行で羽田空港国際線ターミナル駅までわずか12分。また2020年に向け、国土交通省が羽田空港の国際線増便への取り組みを行っており、今後さらなる需要増加が期待できると言われています。
新駅の設計は、新国立競技場の設計も手掛ける世界的に有名な建築家、隈研吾(くまけんご)氏。全体的に「和」を基調としたイメージで現在もなお建設が行われています。
その新駅が建設される広大な敷地は一体どこなのかご存じでしょうか?
建設スペースは、元々車両基地として利用されていた広大な場所です。2015年のJR上野東京ラインの開通に伴い、基地機能の一部を他の車両基地に移転。さらに車両基地を120メートル東側に新設したことから元々の旧車両基地にスペースができ、その場所に現在新駅の建設を行っています。田町駅~品川駅間はJR山手線の駅間で最も長い区間で、さらなる利便性の向上が見込まれます。
【新駅周辺】
新駅の建設と同じく注目されているのが、新駅周辺や駅前の開発です。新駅周辺で開発される予定のエリアは、駅を合わせて約13ヘクタールほど。これは東京ドーム約3個分の大きさに相当します。六本木ヒルズの開発区域が約11ヘクタールなので、これまでにない大規模な再開発となる模様。
この広大な土地に、オフィス用ビルやホテル、商業施設など高層ビル7棟の建設が予定されているほか、都市再生機構が基盤整備を担当。また、2020年のオリンピックに向けて、パブリックビューイングスペースを設けるなど、多くの人を招き入れる広大なスペースとして検討されているよう。
そのほかにも建設中の品川新駅から徒歩数分のところには、都営地下鉄浅草線の「泉岳寺駅」があります。再開発で建設されるビルの地下を利用し、ホームが拡張される計画となっているため、泉岳寺駅も新駅同様、これまでに比べ利便性の向上が見込まれます。浅草線は京浜急行、京成電鉄の2線の乗り入れをしております。また、あまり知られてはいませんが、羽田空港と成田空港を直結する唯一の鉄道路線でもあります。2つの国際空港を結ぶ鉄道が通り、地方への鉄道アクセスとも連携しやすいこのエリアは、今後首都圏と世界、国内の各都市を結ぶ「グローバルステーション」となりそうです。
品川新駅周辺の再開発は2024年に全貌が完成するとされています。時間をかけて新しい駅と街づくりが予定されています。今から完成が非常に待ち遠しいですね。
【再開発効果】
東京の山手線沿線上で新駅ができる事に立ち会えるのは非常に貴重な瞬間ですよね。
新幹線で東京から名古屋間の時間短縮や将来的な東京から大阪間の時間が短縮できれば、ビジネスマンだけでなく単身赴任者や旅行の際も移動時間を大幅に削減でき、時間の有効活用につなげることが可能です。
【地価】
品川駅の現在の地価は、公示地価の平均が350万4,714円/㎡(2019年[平成31年])、坪単価は1158万5,832円/坪であり、前年比は+8.23%の上昇です。
基準地価の平均が191万円㎡(2019年[令和元年])、坪単価は631万4,049円/坪であり、前年比は+7.78%の上昇です。
地下総平均は302万6,300円/㎡(2019年[令和元年])、坪単価は1,000万4,297円/坪であり、前年比は+8.13%の上昇です。
参照:土地代データ
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