【レオパレス、8月の入居率80.21% 13カ月連続低下】
レオパレス21が6日発表した8月の入居率は80.21%で、前月から0.46ポイント下がりました。昨年春に施工不良問題が表面化してから、前年実績を下回るのは13カ月連続となるそうです。改修工事が遅れている影響も受け、8月の入居率は計画値を4ポイントほど下回り、入居率の回復が遅れれば業績への影響が出かねない状況になっているそうです。
レオパレスはアパートを一括で借り上げる「サブリース」を手がけています。物件オーナー様には一定の賃料の支払い保証がされており、入居者から得る賃料との差額が同社の収益となります。
入居率が80%を下回れば、支払いが収入を上回る「逆ざや」に陥ります。入居率の低迷がこれ以上続けばレオパレスの経営に打撃となりうるので気になります。入居率の回復には不備が見つかった物件の改修を速やかに実施する必要があります。レオパレスは施工した3万9085棟の物件で不備を調べ、8月末までに何らかの不備が2万3483棟で見つかったそうです。一方、工事が完了した物件数は875棟(8月末時点)にとどまり、工事完了の時期は2020年6月以降になる見通しです。
【レオパレス業績悪化は必至 入居率低下避けられず】
施工不良物件の改修完了の時期が見通せないレオパレス21。未完了が長期化し改修費用が拡大することから、同社の経営環境は極めて厳しいものとなっているそうです。経営陣が問題解決に誠実に取り組む姿勢を見せずブランドイメージが低下し、入居者の減少は避けられそうもなく、危機的な状況に陥りかねません。
同社は、地主からアパート建設を受注し、完成した後に一括して借り上げ、さらに転貸する「サブリース」が基本的な事業形態です。
昨年半ばまで90%前後だった入居率は、施工不良問題が大きく取り上げられたことで、今年6月には81・4%まで下落しました。
同社は令和2(2020)年3月期の売上高を前期比0・6%減の5022億円、最終損益は1億円の黒字(前期は686億円の赤字)を見込んでいます。ですが、この予想は今年10月までに改修工事を完了させ、施工不良物件で自粛している入居者募集を再開し、通期の入居率を85%に回復させることを前提にしている数値設定になります。改修完了時期のめどが立たないことや、ブランドイメージが傷ついたことで、入居率の低下は避けられません。入居率は80%を割り込むとみられ、業績の下方修正は必至の情勢だ。
さらに3月末時点の現預金は845億円と、この1年間で220億円減少しています。今後も改修物件が続々と増えるため、平成31年3月期に507億円引き当てた改修工事費を、さらに積み増す必要に迫られそうです。財務体質の急激な悪化が懸念されます。
【企業風土改善できず】
賃貸アパート大手レオパレス21の深山英世社長は29日、東京都内の本社で記者会見し、「企業風土を改善できなかったことは残念で仕方がない」と反省の弁を口にした。既に社長辞任を表明していたが、6月27日付で取締役も退任。経営陣を刷新することも明らかにした。
レオパレスは施工不良物件の補修費用などが膨らみ、2019年3月期の連結純損益が686億円の巨額赤字に転落。問題発覚以降、入居率の低迷も続き改善が急務になっています。深山氏は後継の宮尾文也新社長を除く社内取締役6人とともに退き、相談役に就任する予定だそうです。同じく創業家一族の深山忠広副社長は特別顧問に就任します。
新体制は社内取締役を現在の8人から5人に減らす一方、社外取締役は3人から5人に増やし企業風土を変えていこうとしています。宮尾氏は会見で「企業風土の改革には経営体制の刷新が重要だ」と、人事の狙いを説明しました。
【業績拡大と地固めは両輪】
企業として業績拡大は株主や社員への利益を還元するためにも必要であり、会社の将来性を確保するためにも毎年前年度を上回る事が求められます。この期待に応える事と安全性や安心を確保する事は必要不可欠であり、会社だけが潤っていければ良いという事が通用しないため経営陣の責任は大きくなっていると感じます。
弊社も不動産を取り扱う会社として、対岸の火事ではないため顧客様や賃貸人に安心安全なマンションを建てて社会に貢献していくために尽力いたします。