※リーテックとはReal Estate Technologyの略で、直訳すると「不動産テクノロジー」です。 不動産事業にIT技術を活用することを意味しています。
今週も先週に引き続きリーテックの雄、WeWork社のニュースをご紹介させて頂きます。
【WeWorkいよいよ上場へ】
世界最大のシェアオフィス運営会社、米WeWorkは新規株式公開(IPO)の申請で米証券取引委員会に書類を非公開で提出したことが明らかになりました。発表によると、IPO申請で昨年12月に最初の届け出を行ったが、ここ最近に書類を更新して再提出したとのこと。IPOが実現すれば、米国ではあのウーバー・テクノロジーズに次いで今年2番目に大きなIPOになります。
【ソフトバンクの本社をWeWorkが手掛ける?】
ソフトバンクグループとソフトバンクは2020年度中に、本社を東京都港区の竹芝地区に移転するそうです。移転先は東急不動産が開発しているオフィスビルで、新オフィスのデザインはシェアオフィスを世界展開しているWeWorkが行うとのこと。同ビルの施工は鹿島建設が行い、竣工予定は20年5月に予定しているそうです。WeWorkの拠点もそちらに開設される予定で、ソフトバンクG広報室の湯浅謙一氏によると、ビルの30フロアを賃借し、ソフトバンクGとソフトバンクの1万人の社員が現本社から移るとのことです。
【ウーバーの高橋社長がWeWorkに】
米配車サービス最大手、ウーバー・テクノロジー日本法人の高橋正巳社長が同社を退社し、米シェアオフィスのWeWorkに移籍するそうです。高橋氏は来年2月に予定している日本での新たな3つの事業所の開設準備を整えるため入社するとのことです。米サンフランシスコが本拠地のウーバーは2013年の日本上陸以来、規制に守られたタクシー業界と戦ってきたが、事業を軌道に乗せることに苦慮しています。現在はハイヤーの配車サービスと外食宅配サービスを提供している。※日本でも最近人気のウーバーイーツなど、ウィーワーク・ジャパンは、東京都心に10-20カ所のオフィスを構えるなどグローバル展開を積極化しています。高橋氏はシカゴ大学と欧州経営大学院を卒業、14年にウーバーに入社し、日本でのビジネスの改革を推し進め著名になりました。まず福岡市で試験的にカーシェリング事業を開始したが、運輸省からの命令で閉鎖されました。京都・丹後町ではバスやタクシー運営会社の撤退後、交通手段を探していた高齢者向けのサービスを展開したことでも知られています。
【WeWork上場後さらに資金調達を加速させる】
シェアオフィス事業を展開するWeWorkが数週間後に目指すIPO成功を条件に、60億ドル(約6400億円)を新たに調達する準備を進めているという事が、事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたそうです。9月にIPOが見込まれる同社は二つの方法で借り入れを目指しているそうで、信用状を通じた与信枠20億ドルと、複数回にわたって引き出しが可能なタイプのタームローン40億ドル、この二つで資金調達を行うようです。これらで金融機関が履行を迫られるのは、IPOで少なくとも30億ドルの資金が集まった場合という条件付き、またタームローン利用は9月から可能で、その後の引き出し時期は2020年8月と21年3月に設定されるが、これも一定のパフォーマンス上の目標達成が条件になると関係者の1人は語ったようです。
【今週の筆者まとめ】
つい先日今年上期で相当額の赤字が計上されたと報道があったWeWork社ですが、間近に控えたIPO後もさらに資金調達を加速させるようですね。まさにアクセル全開といった様子です。ソフトバンクといいWeWorkといいできる限り借り入れをし、レバレッジをかけ事業を拡大していく経営方針は危ない橋を渡っているように見えますが、逆に成功した場合は相当大きなリターンを得ることができると思います。WeWorkの動向からますます目が離せませんね。