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川崎フロンターレ、9年連続の黒字

2014/07/23 22:30 投稿

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川崎フロンターレは、2013年度も黒字を確保した。Jリーグが7月22日に発表した「2013年度Jクラブ経営情報開示」によれば、営業収入は前年度比4.6%増の32億1400万円、営業利益は同35.3%減の4400万円、経常利益は同33.3%減の4600万円、当期純損益は同36.4%減の2100万円。Jクラブの決算が公開されるようになった05年度以降、これで9年連続の黒字となった。9年連続の黒字は、川崎と甲府のみ。収支のバランス感覚に長けた経営が続く。




2013年度は、増収減益。ホームスタジアムである等々力陸上競技場の改修工事が始まるなどで入場料収入は前年度から1800万円減り、選手の移籍に伴う違約金やファンクラブ収入などからなる「その他収入」も1億8000万円のマイナスだったが、広告料収入に3億3800万円を上乗せし、営業収入は1億4100万円増えた。ただ、大久保嘉人や中澤聡太らの獲得で人件費が1億2900万円増加するなど、営業費用は前年度を1億6500万円も上回り、営業利益、経常利益、当期純損益は全て減少した。また、資産の大幅な増加がひびき、自己資本比率は11ポイント悪化。62.1%から51.2%になった。

過去5年間の推移からは、“身の丈経営”の徹底が窺える。営業収入が2009年度の36億400万円をピークにマイナス基調へと転じる中、営業費用を圧縮して黒字を堅持している。とりわけ人件費は、5年間で3億9400万円も削減した。人件費の削減はチーム力の低下を招きやすいが、11年度(11位)と12年度(8位)こそ成績を落としたものの、13年度には3位と復調。勝ち点1あたりの人件費は年々改善されており、コストを下げながら成績を上げるという“経営の理想像”が描かれている。

もっとも、黒字体質は富士通グループのサポートが大きい。同グループの多くがスポンサーに名を連ねており、13年度の広告料収入の増加分にも多大な寄与がありそうだ。川崎の広告料収入の比率は12年度を除いて5割を超えており、営業収入が近いFC東京(営業収入35億4500万円、広告料収入の比率40.1%)やC大阪(同32億1300万円、同46.7%)、広島(同31億9800万円、同42.9%)、清水(同30億8400万円、同39.5%)などに比べて依存度が高い。“自力”で黒字を達成するためには、富士通グループ以外のスポンサーのさらなる開拓、入場料をはじめとする他の収入源の底上げが不可欠だ。

幸い、来年2月には等々力陸上競技場に新しいメインスタンドが完成する。席数は従前の約3000から約1万に増える予定で、入場料収入の伸長が見込める。現状では2割にも満たない入場料収入比率を、どれだけ高められるか―。より“筋肉質”な経営を目指す上で、試金石となる。

そしてその成否は、ピッチ上の結果によっても変わる。成績と入場者数はリンクしているからだ。実際、2013年度に優勝争いを繰り広げた横浜FMは、入場料収入を前年度から2億8600万円も伸ばした。川崎は、ピッチ外の追い風を生かすためにも、継続して好成績を残したい。

プロフットボールクラブの経営は、ピッチ上とピッチ外の“両輪”がスムーズに回転してこそ安定し、成長する。ピッチ外に伸び代があり、ピッチ内でも好調な川崎の前途は明るい。悲願のタイトルを手にした時には、ビッグクラブへの扉も開きそうだ。



<編集後記>

13年度の決算で、債務超過は横浜FM、鳥栖、大分(以上、J1)、札幌、栃木、群馬、岐阜、神戸、福岡、北九州、熊本(以上、J2)の11クラブでした。また、2年連続以上の赤字は神戸(9年連続)、群馬(草津時代と合わせて5年連続)、名古屋(4年連続)、栃木(3年連続)、福岡(2年連続)の5クラブにのぼりました。2012年度に導入された「クラブライセンス制度」では、14年度の決算で「債務超過」か「3年連続の赤字」のクラブはJリーグから除名すると定められていますから、12クラブが消滅の危機に瀕しているのです。

朝日新聞の報道によれば、福岡は15年度のライセンス交付の条件を満たせるか微妙で、存亡の瀬戸際に立っています。除く11クラブは増資やスポンサーの支援などで債務超過の解消や3年連続の赤字の回避に目途が立っているそうですが、楽観視はできません。横浜FMは日産自動車、名古屋はトヨタ自動車、神戸は三木谷浩史氏の支援を得れば、問題ないでしょう。しかし、その他は後ろ盾がありません。綱渡りの経営が続きます。

債務超過や3年連続の赤字に該当しなくても、四苦八苦しているクラブは沢山あります。そうした中で、最も評価されるべきは甲府です。J1とJ2を行き来しながら、多額の広告費を投下する親会社がいないにもかかわらず、常に黒字を維持しています。素晴らしきお手本です。

できれば、Jクラブの2013年度の決算の総論も書きたいのですが、忙しさに拍車がかかっており、現時点では未定です。

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