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コートジボワールの“急所”を突け

2014/06/04 21:00 投稿

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コートジボワールの“急所”、守備を突け――。5月31日にボスニア・ヘルツェゴビナとのテストマッチに臨んだ「レ・エレファンツ」(愛称)は、いずれも軽率な守備から2点を献上し、1-2で敗戦。これで直近の10試合で15失点と“守乱”に歯止めがかからない。ボスニア戦は、GKや両サイドバックは主力でなかったものの、センターバックを務めたバンバとゾコラは重要な試合で起用されており、ゾコラはW杯でも先発が濃厚な中核。その両CBにミスが相次ぎ、脆弱さを露呈した。最終ラインからのビルドアップ時のパスミス、自陣でプレスをかけられた際のボールロストなども目立ち、高い位置から追い込んでカットを狙う日本にとっては絶好の“獲物”だ。象狩りの勝算は、その足元にある。

○アンバランスで脆弱な最終ライン

ドログバやヤヤ・トゥーレ、ジェルビーニョ、ボニーといった強力な“牙”を持つエレファンツだが、足元は揺らいでいる。直近の10試合で無失点は2度だけ。共に格下のガンビア(5月8日時点でFIFAランク134位、コートジボワールは21位)では喜べない。テストマッチとはいえ、メキシコには主力を揃えながら1-4で大敗している。この杜撰(ずさん)な守備は、W杯を間近に控えたボスニア戦でも変わらなかった。

列強と同様に最終ラインを高く保ち、前から積極的に奪いに行くが、個々がバラバラに動く上、ボールホルダーに食い付き過ぎるため、交わされると簡単に危険地帯へ侵入される。特にCBのチャレンジ&カバーの役割分担は不明瞭で、1人が飛び出した裏にはぽっかりと穴が空いた。また、テクニックへの過信か、自陣の深い位置でもドリブルをしたり、敵が近くにいてもショートパスを繋いだりとリスキーな選択が多く、そこから何度となく窮地に陥った。

2つの失点も自滅だ。17分は、右SBのアクパがロングボールを胸でGKにバックパスし、それを奪われてペナルティエリア内に侵入されると、GKが1度は止めたが、こぼれ球をジェコに豪快に蹴り込まれた。

53分は、さらに酷(ひど)かった。ペナルティアークでパスを受けたジェコに対するCBゾコラの寄せが甘いだけでなく、シュートに背中を向けて避ける体たらく。ゴールのほぼ正面、ストライカーにとって絶好の位置でのCBのプレーとは思えない醜態だった。ジェコにパスを出したピャニッチへのプレスも緩慢で、CBのバンバを含めて2人が圧力をかけたが、そのスピードは遅く、あっさりと交わされた。

失点には至らなかったものの、45分にもCBゾコラがクロスをトラップしようとしてミス。ジェコに拾われ、致命的なピンチを“演出”した。シュートは外れたが、前半で2点差にされてもおかしくなかった。

さらに、CBと両SBはパスの精度が低く、何度となく引っ掛けられてカウンターを浴びた。ボスニアの決定力が高ければ、少なくとも2点は追加されていただろう。

○単調な攻撃を一変させたドログバ

一方、攻撃も単調だった。個々の技術や身体能力はハイレベルで、両サイドMFのスピードは脅威を与えたが、パスが合わない。1トップを張ったトラオレも不発。オフ・ザ・ボールの質と量が足りず、前線に起点をつくれなかった。チャンスらしいチャンスは、トップ下のグラデルのドリブルからか、左サイドバックのジャクパや右サイドMFのシオ、グラデルといった優秀なキッカーを揃えるセットプレーくらい。迫力や怖さを欠いた。ドログバが登場するまでは――。

36歳の“英雄”は圧巻だった。段違いの馬力でボールを収め、味方を上手く生かして前進。滑らかかつ鋭いターンはDFを手玉に取った。すでにピークは越えており、往時の爆発力はないが、豊富な経験に裏打ちされた予測や判断、駆け引きで対峙者を翻弄。巧緻で老獪なプレーは、停滞していた攻撃を一変させた。91分にはFKを直接叩き込み、1点差に追い上げる。英プレミアリーグで屈指のシュートストッパーであるGKベゴビッチが、真上に来たにもかかわらず触れない、驚異的な弾道だった。

エレファンツの攻撃陣には、ヤヤ・トゥーレやジェルビーニョ、ボニー、ヤ・コナン、カルーらもいる。ヤヤ・トゥーレは、英プレミアリーグで2013-14シーズンに20得点を挙げた攻守に隙がない至高のオールラウンダー。総合能力ではメッシやクリスティアーノ・ロナウドを上回ると言っても過言ではない。ジェルビーニョは突破力と得点力を備えるアタッカーで(伊セリエAで9得点)、ボニーは抜群の身体能力と決定力を持つストライカー(英プレミアリーグで17得点)。ヤ・コナンは前線であればどこでもプレーできる多能なFWで、カルーは仏リーグ・アンで2季連続2桁得点を記録している。

ドログバも含めて全員がスピードとパワーに優れ、身体的な資質で劣る日本には相性が悪い。ただ、アフリカ諸国は身体的な資質の高さゆえに、環境への適応を軽視しがちだ。ブラジルの風土に馴染めず、初戦はコンディションが上がり切っていない可能性がある。いわゆる“気ムラ”で、エンジンのかかりが遅いという悪癖も抱えている。攻撃陣が“眠っている”うちに、鈍重でアンバランスな守備陣を斬り崩せれば、勝利は近付く。南アフリカでは「不屈のライオン」(カメルーン代表の愛称)を倒して勢いに乗った。ブラジルでは象に撃ち勝ち、グループリーグ突破へ弾みを付ける。



<編集後記>

マッチレポート形式のブロマガは、初めてではないでしょうか。偉そうに長々と書きましたが、試合の捉え方は十人十色ですし、私の見立ても一例に過ぎません。そもそも、プロであろうとアマであろうと、マッチレポートや分析などは「読書感想文」と同じです。あくまで筆者が主観を披露しているだけ。戦略や戦術の“正解”は、試合を織り成す2人の監督を除いて誰も知り得ません。そこは見誤ってはならないと思います。

さて、コートジボワールにとってボスニア戦は、戦力の底上げと23人の選抜が目的だったのでしょう。先発は、出場数の少ない選手が多くを占めました。主力級と言えるのは、ゾコラ、バンバ、ジャクパ、ティオテ、シオ、グラデルの6人です。ゾコラとティオテ、途中出場のボカはフルメンバーにも名を連ねる中軸で、バンバやジャクパ、シオ、グラデルは定期的に使われている“次点”。この次点には、後半に投入されたセレイ・ディエやボニーも該当します。

主力級でパフォーマンスが良かったのは、シオとグラデル。シオは精度の高いキックが、グラデルはボールタッチとシュートの上手さが目を惹きました。サンテティエンヌに所属するグラデルは、3月のベルギー戦で途中出場してアディショナルタイムに同点弾をゲットしており、“持っている”かもしれません。一方、23人の枠にとどまれるかギリギリだったトラオレやドゥンビアはノーインパクトで、落選も頷けます。

その23人は、以下のウェブサイトで確認できます。

http://int.soccerway.com/teams/cote-divoire/cote-divoire/598/

5日にエルサルバドル戦を残していますが、全員が万全であれば日本戦の布陣は4-2-3-1で、GKがバリー、DFが右からオーリエ、コロ・トゥーレ、ゾコラ、ボカ、MFはセレイ・ディエ(ディオマンド)とティオテが3列目、2列目に右からジェルビーニョ(シオ)、ヤヤ・トゥーレ、カルー、FWにドログバが入るのかなと。


日本とコートジボワールの予想布陣

前線は強烈ですが、GKとSB、中盤の底は日本よりもクオリティが低いと思いますし、本職は中盤の底のゾコラもCBでは怪しい。点は取れるはずです。あとは後ろが支えられるか。川島が鬼神のようにスーパーセーブを連発し、吉田と今野(森重)のセンターバックは身体を投げ打って耐え抜く。コートジボワールはジェルビーニョやカルー、シオらサイドアタッカーが強烈で、ボカやオーリエといったSBもかなり高い位置に出てきますから、サイドの攻防も負けられません。トップ下に入るであろうヤヤ・トゥーレには極限レベルでの警戒が必要です。こうした奮闘の末に勝ち点3が待っています。

日本はコスタリカ戦で押し込みながら先制を許し、自ら首を締めました。幸い、地力で勝るため逆転できましたが、コートジボワールやギリシャ、コロンビアはコスタリカよりも格上。追い上げる展開は避けるべきです。最後のテストマッチとなるザンビア戦では隙を見せずに完封し、コートジボワール戦への自信を掴んでくれると願って止みません。



<おまけ>

コスタリカ戦に出場した日本代表を、個人的に採点してみました。異論は多々あるでしょうし、あくまで主観です。



私は、内田と岡崎で組む右サイドが好きです。左の長友&香川のような爆発力はなくても、円熟のコンビネーションからは「するめ」のように味わい深く、フットボールIQの高さも感じられます。ここに長谷部を加えたトライアングルを、本番で見たい。そう思っています。

もちろん、日本代表を構成する全ての選手を応援していますよ。

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