進路か…。

家でお姉ちゃんたちが話し合っていたのを思い出しながら、
俺は将来どうなるんだろうと考えを巡らせていた。

この英語の授業で、今回の中間テストはすべて返ってきた。
結果はお察しなので、俺は潔く"目を背ける"ことにした。
今は成績がどうこうよりも、彼女ができるかどうかの方が重要なんだ。

休み時間に入るチャイムが鳴り終わってすぐ、のぼりが声をかけてきた。

「どうしたの~?浮かない顔して。そんなに点悪かったの?
 まぁ元々良くなかったけど、さすがに3年になってヤバくなってきたって感じ?」
「あのなぁ…」
何をペラペラと喋ってるんだ。誰のせいで浮かない顔してると思ってる…。

「でもまだまだ巻き返せるって!切り替えていこーっ!!」
俺の背中を強めに叩き、のぼりは教室を出て行った。

ついこの間まで、今年こそはと意気込んでいたのがウソのように落ち込んでいる自分に気づいて、
余計にため息が出てきた。

あの武志がのぼりと付き合えるなら、俺にだって十分可能性はあったはずだ。
成績だってそんなに変わらないし、顔のつくりに絶望的な差があるわけでもないし。
モテるために動画を見て勉強して、多少なりとも実践してきた俺の選択は間違ってたんだろうか。


考えを整理できないまま、それでも俺はモテテクを求めて動画を検索し、
サイトの"この動画もオススメ♪"に流されるまま、休み時間が来るたびに動画を見まくっていた。