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監督・河瀬直美が初めて他人の原作を手がけた映画『あん』 「千年先にも遺る作品になれれば」

2016/03/16 21:30 投稿

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ドリアン助川の同名小説を、邦画界を代表する名女優・樹木希林を主演迎え、世界を舞台に創作活動をする河瀨直美が映画化した『あん』。どら焼き屋"どら春"の雇われ店長として平凡に暮らす千太郎(永瀬正敏)と、"どら春"で働きたいとやってきた老女、徳江(樹木)の物語は、国内外で多くの感動を誘った。3月16日(水)のBD&DVDリリースを受け、河瀨監督のインタビューが到着。初めて他人の原作を手がけた監督の本作への想いとは―。


――映画化するにあたって、最初に原作に感じた魅力は何ですか?

見えないものがこの世にいかに存在するか、現代人が忘れかけているものが、ここにはたくさん詰まっている。それを映画という表現で残していきたいと思いました。

――樹木希林さんの演技が素晴らしかったですが、撮影時のエピソードについてお願いします。

少し話しただけで、すべてを理解する方でした。台詞にもう少し抑揚が欲しいなと思ったシーンで、「今日が最後のどら春での時間だとしたら、どうしますか?を入れて、もう一回お願いします」というと、少し考えた末に、時間をかけて、エプロンを脱ぎ、綺麗にたたんでかばんにしまう、という表現をしてくれました。感動的な時間でした。
徳江の衣装は希林さんの手作りで、劇中の手紙も全て希林さんが手書きしてくれました。そのような行為もまた、河瀬組を理解してのことだったとその感覚の鋭さに脱帽です。


――その徳江と同じ時間を過ごす、千太郎役の永瀬正敏さんの佇まいも自然でした。

どら焼き作りを一つ一つ丁寧に練習し、現場ではどこから見ても、どら焼き屋の店長である佇まいであったのは流石でした。徳江との別れは千太郎・永瀬君にとって身を引き裂かれる想いでした。それは撮影が終わっても彼の中に刻み込まれ、永瀬君は今でも徳江の手紙を大切に持っています。永瀬君から『映画に魂をおいてきてしまいました』という一言があって。それは、確かに映画に千太郎が存在した証だったのだと感じています。

――また、内田伽羅さんの表現力も、この作品になくてはならないものでした。

我慢強く、周りをよく見て、中学生とは思えない落ち着きがありました。団地にひとり暮らし、マービーの世話をすること。自転車で町を走ったり、図書館に行ったり、一生懸命演じる前の準備をして、ワカナになってゆきました。普通の14歳にはなかなかできない修行のようなものだったのではないでしょうか? そのおかげ(?)でリアルな成長がフィルムには焼き付けられたと思っています。


――今回、初めて作品をBD&DVDで観る人へのメッセージをお願いします。

公開から10か月の時を経て、ようやく皆様のお手元にお届けできる運びとなりました。
千年先にも遺る作品になれればと願っています。
皆様のお手元で、末永くかわいがっていただけると幸いです。






『あん』
2016年3月16日(水) ブルーレイ&DVDリリース! ※レンタル同時
Blu-ray価格:スペシャル・エディション ¥5,800(本体)+税
DVD価格:スペシャル・エディション ¥4,800(本体)+税
DVD価格:スタンダードエディション ¥3,800(本体)+税

発売元・販売元:ポニーキャニオン

(C) 2015映画「あん」製作委員会

映画『あん』公式サイト:http://an-movie.com/

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