前田 吟、山本 學という日本映画界の名優がメインビジュアルを飾り、激シブすぎる硬派な日本映画として映画ファンの熱視線を浴びている、映画『フローレンスは眠る』。同族経営の中堅化学工業会社の次期社長の誘拐事件、犯人が要求する幻のダイヤモンド=フローレンスの涙をめぐるドラマは、上映時間の121分、緊張の糸が切れることがない。思わぬことから誘拐事件に加担してしまうヒロインを演じた桜井ユキに、さまざまな話を聞いた。
――激シブな世界観ですが、撮影現場も昭和の男たち、みたいな雰囲気でしたか?
本当に渋いですよね(笑)。監督をはじめ、みなさん昭和の世界観がほしいとおっしゃっていました。演じる上では昭和なイメージを意識する必要はなかったのですが、画作りやセット、建物の映像に重厚感を追求されていましたね。ただ、セリフの言葉のチョイスが現代に比べて少し丁寧だったと思うので、そこは昭和感があったかもしれないです。
――ストーリーの第一印象はいかがでしたか?
藤本涼さん演じる剛の心情がメインで描かれますが、何度か読み進めていくうちに山本學さん演じるお父さんの心情など、周囲の人物それぞれに個々のストーリーがあるので、まるで群像劇のような印象でした。剛の心情に目が行くと思いますが、観方によっては他の人物の物語も気になってくる。受け取り方がさまざまな物語だなと思いましたね。
――桜井さんは、ご自身が演じている恵に感情移入しましたか?
そうですね。同性という理由もありますが、彼女のどうしようもない側面や、女性のずる賢い一面などは感情移入することは多かったかもしれないです。でも、観ている方には恵を愛してほしい(笑)。最終的に剛に影響されて、自分の心を丸裸にしていくキャラクターではあるので、愛すべき点も持ち合わせている女性だと思います。
――恵は前半と後半で演じ分けが要るほど、確かに表現力が必要でしたよね?
前半の彼女は観る人の中にはイライラするような側面が強いですが、中盤以降は「わかる、わかる!」と共感を呼びそうな人物像になっていると思います。入口は「何だ!? この女」でよくて(笑)、女性の独特の面倒臭い感じが序盤で描かれていますが、後半は変わるので見比べてみてほしいです(笑)。
――ところで園子温監督、三池崇史監督、そして最近では月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」などにもご出演されて活躍中かと思いますが、デビューの頃に比べて変わりましたか?
濃い方々ですよね(笑)。初期の頃にご一緒にさせていただいたおかげで、自分自身に瞬発力がついたと思います。特に園監督は何をリクエストするかまったく読めない演出法なので、役者として本当に鍛えられました。ただ、この仕事は自分で準備・用意しても、バッサリ使えない、通用しないということがあるので、本当に毎回、毎回勉強なんです。
――日々充実している一方で、大変だなと思うことはないですか?
ないです。撮影が大変だったとしても、それを苦には思わないです。今は、アクションに興味があります。園監督の『リアル鬼ごっこ』(15)の時にアクションに少し挑戦したのですが、今度はしっかりとやってみたくて。『キック・アス』(10)みたいなアクション混じりのテンポがいい作品に出たいですね。
――今日はありがとうございました! AOLニュースの読者の方々は会社勤めの方が多く、この『フローレンスは眠る』がピッタリです。なので、何か言ってあげてください!
男の人にはしぶとく、強くあってほしいですね。女性って、気づいたら、惹かれていますよ(笑)。恵も結局、剛に惹かれていましたが、そういう願いを込めて、ですね。
映画『フローレンスは眠る』は、2016年4月16日(土)より、シネマート新宿ほか全国順次公開!
■参照リンク
映画『フローレンスは眠る』公式サイト
junglewalk.co.jp/florence/
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