「イギリス本土にソ連の核ミサイルが落とされた」という設定で、疑似ドキュメンタリーの手法を用いて制作された衝撃作『The War Game』(65年)で、フィクションにもかかわらず何故かアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞してしまった、BC出身のイギリスの映像作家ピーター・ワトキンス。
そんな彼の超問題作が、40年以上の時を経て遂に日本初上陸!強烈なインパクトを放ち、決して気分の良くなるエンタテインメント作品ではない、超"危険すぎる"映画が国内初パッケージ化される。
ベトナム反戦運動激化のさなか、権力の暴走を疑似ドキュメントで生々しく告発し、体制側の徹底的な圧力で闇に葬られた話題作『懲罰大陸★USA』。1970年、ベトナム反戦運動の激化を背景に、ニクソン大統領はマッカラン国内治安維持法を発令、アメリカ政府は反政府的・危険分子とみなした者たちを一方的に拘束、さらに一方的な裁判にかけ、カリフォルニアにある「ベアーマウンテン国立お仕置公園」にて人間狩りの標的にする・・・。
ワトキンス監督は70年のオハイオ州ケント大学での州兵によるベトナム反戦デモ学生射殺事件をきっかけに、『The War Game』同様のフェイクドキュメンタリーのスタイルで本作を製作、カリフォルニアのエルミラージュ・ドライレイクにてほぼ素人のキャストと最小限のクルーによって撮影された。
製作費は95,000ドル。内容はすべてフィクションであり、ワトキンス監督の目的は本作によって人々に問題意識や関心を持ってもらい、ポジティヴで活発な議論をしてもらうことだった(はず)。しかし作品は国家への批判と受け取られ、徹底的にネガティヴにとらえられた。カンヌ映画祭を経てニューヨークでの公開時、権力による暴力を告発する、そのあまりの衝撃的内容により米国メディアは即反応、総攻撃を浴び、劇場は4日間で公開を打切った。
本作のテレビ放送を一度検討したハリウッドのテレビプロデューサーは「本作を放送すれば5分で国家権力が乗り込んでくる」と発言、またPBS主催のセミナーに参加した全米のテレビ局の面々は「どんなことがあっても本作をアメリカのテレビで放送出来ることはない。永遠に放送しない」とコメント。その言葉通りいままで一度も放送されていない。
しかし、Rolling Stone magazineは「アメリカへの異議を唱えた映画の最高峰」、BBC Onlineは「鮮やかに遂行された、政治的挑発。骨まで凍える恐ろしさ」と本作を称えている。
https://youtu.be/MKUcsk5f0Wo
『懲罰大陸★UAS』2/17発売
発売・販売元:キングレコード
Blu-ray:¥4,800+税/DVD:¥3,800+税
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