前作『まだまだあぶない刑事』(05)以来10年ぶり、劇場映画第7弾となる『さらば あぶない刑事』は、伝説の刑事ドラマシリーズ「あぶデカ」の本当のラスト! 定年退職まであと5日となった"ふたり"に立ちはだかる敵は、横浜を牛耳ろうとする凶悪な中南米マフィア。シリーズ最強・最悪の敵を前に、タカとユージが命を賭けた壮絶な戦いに身を投じていく。もはや説明不要! 「あぶデカ」シリーズの主人公で、シリーズ成功最大の立役者である舘ひろしと柴田恭兵を直撃取材。「あぶデカ」への想いなどを改めて聞いてみた。
――今回、撮影の前に"会議"をしたそうですね。とても異例なことだとうかがっています。
舘:これまでの「あぶない刑事」は軽く仕上げようとしていて、つじつまが合わないこともジョークでごまかすというノリでした(笑)。だから会議なんて、初めてのことですよ。
柴田:ミサイルが飛んでくるとか、タンカーを両手で止めるとか(笑)。舘さんは、そういうことじゃない"あぶでか"にしたかったんです。
舘:ちゃんとしたハードボイルドにしようと。そういう想いがあったんです。原点に回帰しようという想いがありました。でも台本を読んだら、おかしいところもいっぱいあって(笑)。それで"会議"で始まった感じですね。
――なるほど確かに、久々にハードボイルドでした! タカとユージには、どの瞬間になるんですか?
舘:現場で会った時、会った途端に、「おはよう」と言った瞬間にタカとユージになります。もう、ドキドキもしない。柴田恭兵という俳優をいろいろなところで観ていて、その時には尊敬やあこがれがある。それはそれであるけれど、この現場に入ればタカとユージになる。そういうファンダメンタルな気持ちがあるから、なれると思いますけどね。
柴田:舘さんのコンサートなんかを観ていると、この年でお客さんに流し目みたいなことをしている。長谷川一夫さんみたいですよ(笑)。そんな人、いまいないですよね。色っぽい目線を投げているので、本当にいつもダンディー。そういうことをいろいろな場所で観ているので、次会う時にそういう感じを持っていて表に出てくるなって予想がつく。その舘さんの引き出しを最初に空けたのは、僕かもしれないです(笑)。
舘:僕、柴田恭兵のおもちゃなんですよ(笑)。
――おふたりは、撮影以外でも会うんですね。
柴田:いえ、プラベートでは距離を置いていますよね。
舘:ゴルフはいろいろなコンペとかあったりするんで会うこともありますけど、プライベートでは距離を置いていますよね。
柴田:長く一緒にいると、染まっちゃうんですよ。危険すぎるので、あまり一緒にいないようにしていますね(笑)。
舘:ハチャメチャですよ(笑)。
柴田:"あぶでか"の最初の頃、まんまでしたよ(笑)。当時、ハチャメチャな大人だなと思って子どもたちは観ていたと思うけれど、まんまです。
――この"あぶでか"シリーズって、おふたりにとってどういう存在でしょうか?
舘:僕にとっては帰る場所っていうよりも、僕を前に進めてくれる、そういう作品な気がしますね。恭サマとの共演は、今の自分をもう一歩前に進めてくれるんです。
柴田:僕は、舘さんにウケたらいい、みたいなことしか考えていない。舘さんにウケれば、世界中どこでも通じると思いますよ(笑)。
舘:恭サマとの共演はいつも新しいことが多くて、吸収することがたくさんあるんです。だから恭サマも教えることがいっぱいあっていいよね???
柴田:アドリブにしても、僕はAとBを両方試してみたいタイプで、そうするとCが出てくることもある。僕一人で考えているわけじゃなくて、現場で相談しながら膨らませていく。だから僕にとっては、元気になる作品ですかね。大河で時代劇をやったり、集中して舞台を一生懸命やりますが、"あぶでか"は、そういうことと全然違う。現場に行けば若返るというか、元気になれる。注射打ってもらえるみたいな感覚ですね。
――それにしても、今回で本当に終わりなんでしょうか???
舘:終わりですよ。
柴田:最後ですね。
舘:悔いはないかというと、人生丸ごと悔いなんで、悔いは残っていないですよ(笑)。
柴田:寂しさとか、そういうことはないですね。今まで応援していただいたファンの方に向かって、「本当に終わりですよ」というプレゼントができた作品になったので、安心しています。
本当は舘さんが元気だったら、70歳過ぎてからやりたかった。すると、体力的に大変とか、いいわけができるじゃないですか。でも今回も大変だけれど、そこで一生懸命やらせてもらって、それもカッコいいかなって。
舘:70過ぎてもたぶん、できちゃうと思うけどね。でも、今回で終わりです(笑)。
映画『さらば あぶない刑事』は大ヒット公開中
■参照リンク
『さらば あぶない刑事』公式サイト
www.abu-deka.com
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