全世界で大ヒットを記録した『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー監督が生み出す新たなバディムービー!1960年代の超人気TVシリーズ『0011ナポレオン・ソロ』を新たな視点で描くスパイ・サスペンス・エンターテイメント『コードネーム U.N.C.L.E.』がいよいよ11月14日(土)より全国にて公開される。
この度、専門の安全保障研究だけでなくインテリジェンス研究にも精通、「CIA 失敗の研究」の著者でもある政治学者・落合浩太郎氏を迎えたAOL独占・マル秘スパイ講座付きの試写会を実施した。落合先生が繰り出す"スパイあるある"や"スパイに会うときの三か条" に観客は興味津々!質問コーナーでも多くの手が挙がり、大盛り上がりのイベントとなった。
■2015年はスパイ映画が爆誕!映画と現実の違いは?
本作のみならず、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『キングスマン』とスパイ映画が続々と公開される2015年。12月には『007 スペクター』も控えている。このような"スパイ映画多発"現象について、落合先生は、「2001年の同時多発テロが起きてから、スパイを題材とする作品は多くなった気がします。実際のスパイ活動も頻繁になったし、なにより世間の関心も増えましたよね」と言及した。
そんな当たり年に公開されるスパイ映画『コードネーム U.N.C.L.E.』は、「CIAとKGBが力を合わせて世界を救う!」というストーリー展開だが、実際にアメリカとロシアが手を組む可能性に関して落合先生は「互いの情報や人材の奪い合いはあるかもしれないけど、普通はあり得ないでしょうね」と断言。
本作の中で一番リアルなのは、KGBのスパイ、イリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)だという。ロシアのプーチン大統領を引き合いにし、「彼(プーチン)は、元KGB。(クリヤキンとプーチンは)眼が笑っていない、殺気立っているところは、そっくりですね。」と語る一方、ナポレオン・ソロ(ヘンリー・カビル)のような"イケメン"スパイはいないだろうと述べ、「スパイは目立ってはいけないものなので、基本的に美男美女はNGという規定があるんです」と説明した。しかし、例外もあり、ゾルゲ事件で有名なリヒャルト・ゾルゲはバイクを乗り回すイケメン。奥さん、愛人、恋人を何人も抱えるプレイボーイだったという。
例外とはいえソロのようなイケメンスパイが実在したのなら、たとえば『ミッション:インポッシブル』イーサン・ハント(演:トム・クルーズ)のようなスパイも実際にいたのだろうか?落合先生は、元CIA勤務の女性が語った経験談を踏まえ、「トム・クルーズのような愛国心に溢れるスパイはいなかった。ランチや休憩時間などにみんな給料や昇進の話ばかりして、いかにも官僚的だったそうですよ」と内情を明かした。
また、劇中で手を組む2つのスパイ組織、CIAとKGBの違いについては、「CIAはハイテク、KGBの方がプロフェッショナル。冷戦ではアメリカが勝ったけど、スパイに関してはKGBの方が上手ですね」という。"美人すぎるスパイ"として有名なアンナ・チャップマンが捕まったとき、元KGBがコメントした「いつから我が国はこんな素人を使うことになったんだ。僕は6カ国語しか使えないけど」という言葉からもわかる、そのプライドの高さこそがKGBが上手である理由ではないかと分析した。
■落合先生はスパイに会ったことがある!?スパイに会うときの三か条!
ひとつのジャンルとして定着するほど、"スパイ"を題材にした作品は枚挙にいとまがない。しかし、そもそもスパイは身近にいるものなのかという疑問は多くの人が抱えているものだ。落合先生によると、大抵の国にスパイ組織は存在するのに対し、日本はスパイ組織がない珍しい国であるそう。「実際にいるとしたら、例えば病院に勤める看護師が政府のお偉いさんのカルテ情報を盗むとかでしょうか。あとは、日本は技術大国なので、産業スパイはいるのではないですかね」と語った。
では、落合先生自身は実際のスパイに会ったことがあるのか?落合先生は「それっぽい出来事はあった」と告白!「一度、ロシア大使館から連絡があって、『海上自衛隊について話が聞きたい』と言われて会ったんです。会う前に、"その筋"の人に、その大使館の方の名前を伝えると、『マークしている人物』だと」。気を付けるようにと注意を促された落合先生が伝えられた、〈スパイに会うときの三か条〉が、「酔っ払うな」「金はもらうな」「プレゼントはもらうな」だったという。「会って、実際にグラスビールを勧められましたが、ソフトドリンクにしました。あと、見極めるポイントとしては、普通の大使館の人はランチ代が1000円だけど、スパイは交際費をたっぷり貰っているので3000円なんだそうです。その時は、ごちそうしていただきましたが3000円でした...」と語り、会場をどよめかせた。
■最近のスパイは...?ガジェット事情、お財布事情など
スパイといえば思い起こすのはハイテクなガジェット機器だが、「2、3年前にイギリスのスパイが摘発された事件で、イギリスの大使館員として勤めていたそのスパイは、スパイだと顔が割れているので、普通には捕まえられない。では捕まえるにはどうしたらいいのか?ーー石ころの中に小さい盗聴器を仕込み、それを公園に置き、そのスパイが休憩中に携帯をいじるところ情報を盗んだという説があるんです」と、最近のガジェット事情について明かした。現在は虫ほど小さな盗聴器もあり、どんな場所にも侵入させることができると言われているという。
質問コーナーでは多くの観客から手が挙がった。
ーー実際のスパイは家族にも身分を隠すのか?その給料はどのくらいのものなのか?
「公務員って言っていたけど、亡くなるときに、『実はスパイだった』と明かすことは実際にあったそうです」「(給料については、)基本、公務員だから安いですよ。でも、技術スパイは2倍違うでしょうね」
ーー本作のようにスカウトはされるものなのか?
「あります」「大学の新卒を採用することはなくて、警察、軍人(からのスカウト)が一番多いと言われています。身体もつくられているし、技術も長けているでしょ」
落合先生の回答に観客も終始興味津々だった。
■スパイ研究家・落合先生も太鼓判!「とにかく最高で、とても楽しめました。」
最後に本作について、「『ゼロ・ダーク・サーティ』や『シリアナ』は、原作を読んでいる僕からしても難しかったし、何より長かった...『007』はいかにもな感じで、あまりリアリティがない...でも、この作品はわかりやすく、しっかりエンターテイメントなのに、シリアスな部分もあり、リアルなスパイの世界が描かれている。2時間全く飽きなかったです。ガイ・リッチー的な粋なセリフと音楽もとにかく最高で、とても楽しめました。」と太鼓判!スパイ研究家も認める作品であることが証明された。
舞台は東西冷戦の真っただ中の1960年代前半。米中央情報局(CIA)エージェントのソロと、ソ連国家保安委員会(KGB)エージェントのクリヤキンは、長年の敵対感情をひとまず忘れ、謎の国際犯罪組織撲滅の合同任務に乗り出す。その組織は、核兵器と技術の拡散によって、世界の勢力バランスを揺るがし、破壊へと導こうと企んでいた。ふたりにとっての手がかりは、その犯罪組織に潜入するための鍵となる失踪したドイツ人科学者の娘だけ。彼女を守りながら、彼らは時間切れになる前に科学者本人を捜し出さなければならない。考え方もやり方も、何もかも正反対の2人。果たして彼らは核爆弾大量生産の危機から世界を救えるのか!?
https://youtu.be/KrJy0HRivdY
『コードネーム U.N.C.L.E.』は11月14日(土)より公開
(C) 2015 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
■参照リンク
映画『コードネーム U.N.C.L.E.』オフィシャルサイト
wwws.warnerbros.co.jp/codename-uncle/
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